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125 海の向こうは、本当に楽園なのでしょうか

 メイドの企みは脆くも崩れ去り、セリムとソラにはごく普通の客間が与えられた。

 さすがの変態メイドも他国の王族であるリースにこのような暴挙を働くつもりはなかったようで、リースとクロエの部屋は至って普通。

 それぞれのペアに部屋を与えると、マリエールは公務のため、アウスと共に執務室へと向かっていった。

 そして今、セリムとソラは私服に着替えて客間にてくつろいでいる。

 セリムは未だにピンクの可愛いお部屋が名残惜しい様子。


「どうしてあんなに怒ったんですか。せっかく可愛らしいお部屋でしたのに」

「セリム、ピンクなら無条件に可愛いって発想はちょっと危険だと思うよ。あの内装、完全にそういう目的の部屋じゃん」

「よく分かりません」


 ソラと何度も体を重ねても、彼女は無垢な少女のままであった。

 子供の作り方は知らされていないまま。

 先ほどの部屋に置いてあった様々な道具の使い道も知らない。


「セリムは分かんなくっていいの。これ以上汚れちゃだめだからね」

「むむむ……」


 明らかに不服そうなセリム。

 ターちゃんはリースに連れさらわれてしまい、ピンクの部屋も取り上げられ、色々と納得いかないようだ。


「いいですよ、もう。ふんっ!」


 とうとう機嫌を損ねてしまい、クッションを抱えてソファに寝転ぶ。

 ソラはそんな恋人の隣に腰を下ろすと、拗ねてしまったセリムの頭を撫でつつ、優しく言葉をかける。


「よしよし、機嫌直して」

「嫌です、直しません」

「お願い、セリムが怒ってると悲しいよ」

「知りません。どうせソラさんもターちゃんも、私のことなんてどうでもいいんですよ」

「そんなことないってば。ほら、こっち向いて」


 セリムを抱き起こし、彼女の透き通るような緑の瞳をじっと見つめる。

 真っ直ぐなソラの視線に耐えきれず、恥ずかしそうに目をそむけるセリムだが、ソラは逸らした顔を強引に戻し、視線を外すことを許さない。


「あ、あのぅ……」

「ほら、分かる? あたしがどれだけセリムのことを好きか、ちゃんと伝わってる?」

「わ、分かり……ましたから……っ、あの、もう許して……」


 とうとう湯気が出そうなほど真っ赤になり、瞳を潤ませるセリム。


「だぁめ、許さない。あたしの愛を疑ったんだもん、ちゃんと償ってもらわないと」

「償うって、どうやって——んむぅっ!」


 とうとうソラの理性は決壊した。

 セリムの華奢な体を強引に抱き寄せて唇を重ね、深く深く口づける。


「ちゅっ、ちゅるっ……、んむ……っ」

「ふぁっ……! ソラしゃ……んんっ、ふやぁ……っ、ちゅぷ……っ」

「んっ、んんっ……、ぷぁ……っ。もう、セリム可愛すぎ」

「ぁ……、ソラ、さん……」


 もう目を逸らせない、熱を湛えたソラの蒼い瞳に、視線が釘付けになる。

 彼女以外、この世界に誰もいない、そんな錯覚さえ覚える。

 お腹の奥に熱が溜まる感覚に、セリムは太ももをギュッと閉じ、切なげに擦り合わせる。


「あ、あの……、私……」

「ん? どうしたのかな」

「だから、えっと……」

「はっきり言ってくれないと分かんないよ?」


 本当は、セリムが何を求めているのか分かっている。

 分かった上でとぼけたふりをし、セリムの反応を楽しんでいる。

 セリムも当然それは理解しており、羞恥のあまり目尻に涙を溜めた。


「い、意地悪ですぅ……、分かってるくせに……っ」

「にしし、ごめんね。でも、全部セリムが可愛すぎるのがいけないんだから。そこは反省して欲しいな」

「無茶苦茶ですよぉ……。んっ……」


 再び口づけを交わしながら、ソラはセリムのケープの下にそっと手を差し込み、その膨らみに——。


 コンコン。


「二人とも、いるかな」

「ひゃいっ、います!!!」


 突然のノックの音とクロエの声に、セリムはソラと密着していた状態から凄まじい速度で体を離し、上擦った声で返事をする。


「……じゃ、じゃあお邪魔するね」


 クロエが申し訳なさそうに扉を開けると、ソファに並んで座った二人がその視界に入った。

 片方は顔を真っ赤にしながら必死に平静を装い、もう片方はクロエに邪魔しないでよ、と言わんばかりの抗議の目を向ける。

 彼女たちが何をしようとしていたか、クロエは容易に察した。


「あー、本当にお邪魔だったみたいだね」

「いいじゃない、思う存分邪魔してやりましょう」


 クロエの後に続き、ターちゃんを両手で抱きかかえたリースもやってきた。


「ぶー、何さ何さ! せっかくの甘々タイムを邪魔しないでよね!」

「ちょ、ちょっとソラさん! そ、それでどうしたんです?」

「この子がね、あなたのところに帰りたいって言ってるみたいなの」

「ターちゃんが?」


 言うが早いか、ターちゃんはリースの腕をするりと抜け出てセリムの元へ。

 肩の上に着地すると、大きなあくびをする。


「あぁ、スターリィ・ステラトス……! 私のところに戻って来てくれたんですね」

「やっぱりあなたの側が落ち着くのかしら。ちょっと妬けちゃうわ。それじゃ、馬に蹴られたくないから早々に退散するわね。行きましょ、クロエ」

「う、うん。じゃあ二人とも、今度こそ邪魔しないからごゆっくり……」


 本当にターちゃんを届けに来ただけで、二人はその場を後にする。

 彼女たちに与えられた部屋は、廊下を挟んだ向かい側。

 こんなちょっとの用事でも、気軽に足を運べる距離にある。

 これもマリエールの配慮によるもの。

 気心を知った仲である、彼女ならではの気遣いだ。


「あぁ、スターリィ……! もう離しませんから!」

「わふっ……」


 白毛玉を抱きかかえて頬擦りするセリム。

 苦しそうな顔でひとしきり愛想を振りまくと、ターちゃんはその腕から抜け出てポーチに潜り、姿を隠してしまった。


「あ、あれ……? もしもし、出てきてくださーい」


 セリムが呼びかけても、時空のポーチはピクリとも動かない。


「おかしいです、なんで……。私が恋しくなったんじゃないんですか……」

「んー、もしかして……。セリム、ター子って強く抱きしめられるのが嫌なんじゃない?」


 常にセリムを見つめ、片時も目を離さないよう心掛けているソラだが、彼女がターちゃんを可愛がる際、どうも強く抱き締めすぎているように見受けられる。


「ほら、動物って自由を奪われるの嫌うからさ」

「で、でも、リースさんだって抱きしめて……」

「お姫様の場合は、優しく抱きかかえてるだけだと思うよ。強く抱きしめて頬擦りとかはあんまりやってないみたいだし」

「そ、そんな……! そんな理由で私は、スターリィに嫌われて……! じゃあ、私の所に戻りたがってたのは……」

「あくびしてたし、ゆっくり静かな場所で寝るためにポーチに戻りたかっただけ、とか」

「あ、あぁ……っ」


 忌憚のないソラの分析が、ガラスのようなメンタルを粉微塵に粉砕した。

 青ざめた顔、虚ろな目でぐったりとうなだれるセリム。

 さすがにまずいことを言ってしまったと後悔するソラだったが、時すでに遅し。


「私……、嫌われて……。完全に嫌われ……、もうダメです……、無理です……」

「ちょっ……! セリム、元気出そう! これからでも態度を改めればきっと……!」

「そう……でしょうか……。でも……、リースさんほどには懐かれないですよね……。私一応、あの子の飼い主の……、はずなんですけど……」

「あー……、そ、そうだ! お城の中を色々見て回ろうよ! マリちゃん、ある程度は自由に歩いていいって言ってたし!」




 ○○○




 セリムの手を引いて、ソラは城内を見て回る。

 勝手に部屋に入ることは出来ないため、廊下を歩いて回るだけ。

 そのため特に目新しいものはなかったが、献身的に盛り上げようとするソラの姿に、セリムの凍てついた心はすぐに溶かされた。


「次はどこ行こうか! そろそろ一階とか降りてみる? 城下にも出ていいか、聞いてこようか」

「……ふふっ、ありがとう、ソラさん」

「ん? 急にどうしたの?」

「なんでもありません。……あれ、あそこにいるのって、アモンさん?」


 一階への階段を降りていく、見覚えのある全身黒ずくめの女性の姿。

 彼女の姿を目に留めたセリムは、試しに呼びかけてみる。


「あの、アモンさんですよね」

「えっ……、あぁ、セリムさん……、ソラさんも……。お久しぶりです……、もうこちらに到着してたんですね……」


 振り向いた女性は、やはりアモン。

 マリエールたちを見送った日に顔を合わせはしたが、こうして言葉を交わすのはアリの巣以来だ。


「そうだよ、さっき着いたとこ。アモンさん、色々と大変だったね」

「いえ……。本当に大変なのは、彼女の方です……」


 アモンは薄く微笑むと、彼女を想い、憂いを帯びた表情を見せる。


「それって、サイリンのこと、ですか」

「はい……、彼女の裁判はもう、終わりました……。十年間の服役と労働の従事……、それだけで済んだことは幸いでしたが……」

「十年……。魔族にとってはあっという間……というわけでもないんですよね」

「そうですね……。寿命が長くても……、十年は十年……。やっぱり長いです……」


 彼女の言葉に、しんみりとした雰囲気が漂う。

 この空気を打破するため、ソラは努めて明るく振る舞い、質問を投げかける。


「ところでアモンさん、どこに行くつもりなの? あたしたち、城の中を見て回ってるんだけど、一緒についていってもいい?」

「サイリンに会いに……、牢獄へ行くつもりだったんです……。お二方が来ても……、面白みはないかと……」

「サイリン……。アモンさん、私たちもご一緒したいんですけど。ソラさん、いいですよね」


 少しだけ考えを巡らせて、セリムは自ら同行を申し出る。


「あたしは別にいいけど、セリム、サイリンに何か用でもあるの? あの人と戦ったこともなければ、話したこともなかったよね」

「はい、ですけど現状、ホースに関係する手がかりはあの人だけですし。多分何も知らないとは思いますが、ダメで元々です」

「んー、やっぱアイツのこと気になるよね。アモンさん、あたしたち、一緒に行くよ。いいかな?」

「私は構いませんよ……。では、行きましょうか……」


 アモンからも同行の許可が下った。

 セリムとソラは彼女の後について一階に降り、地下へと続く階段を下る。

 牢を見張る守衛に声をかけ、ほぼ顔パスで通してもらい、地下牢の中へ。

 牢獄が左右にズラリと並ぶ通路を進みながら、セリムはおっかなびっくり周囲を観察する。

 ところが、囚人が入っている使用中の牢がまったく見当たらない。


「地下牢、誰も捕まってませんね」

「治安が良い証拠じゃない?」

「いえ……、そうではなくて……」


 アモンの説明によると、一般の囚人は専用の収監施設に入れられており、城の地下牢に繋がれる者は、重大な犯罪を犯した者と、国家によって保護されるべきと判断が下された者だけ。

 サイリンは前者であり、同時に後者でもある。

 ナイトメア・ホースと関わりを持ち、その背後に潜む強大な存在の手がかりとなり得る人物。

 彼女を野放しにしておけば、ホースの手の者によって消される可能性は十分に考えられた。


「——というわけで……、今はサイリン以外に……、地下牢に繋がれている囚人はいないんです……」

「その通りさね。お陰で話相手がいなくって、退屈ったらありゃしない」


 地下牢の最奥、独居房から聞こえる威勢のいい女性の声。

 アモンは目に見えて表情を緩め、彼女の牢獄の前まで向かうと足を止める。


「サイリン……、聞こえていたんですか……」

「当たり前さ。ここ、耳がキーンとなる程静かだからね。あんたたちの会話なんて筒抜けさね。……お嬢ちゃんたち、こんなカビ臭いところまでよく来なすったもんだ」

「サイリン、私、あなたに聞きたいことがあるんです。二人のお時間を邪魔してしまい、申し訳ないのですが……」


 何となく、察していたセリム。

 サイリンは首を捻るのみだが、アモンは心なしか白い顔を紅潮させたように見える。


「二人の時間? 良く分かんないけど、あたしに答えられる質問なら答えるよ。それが償い、だろ?」

「い、いえ……、そうではないのですが……、まあ、今はそれでいいです……」


 二人の今のやり取りを耳にして、セリムは大体の状況を把握した。

 心の中でアモンにエールを送りつつも、サイリンに質問を投げかける。


「実は、ナイトメア・ホースが生きているかもしれないんです」

「ほぉ、あの薄気味悪い野郎がかい? ……おっと、詳しい話は知らないけど、女だったんだっけ」

「……はい。女、でした」


 ホースの——マイルの顔を思い出し、セリムの背中に名状しがたい悪寒が走った。


「それで、ホースのバックには何か強大な存在が隠れているようで……。そのことについて、何か知っていれば……」

「ホースの資金源の話かい。あたしは話せることは全部話した。そのことに関しちゃ、もう何も出てこないねぇ」

「そう、ですか……」


 やはり、手がかりはゼロか。

 少しだけ肩を落とすセリムだったが、背後から近付く足音に気付き、後ろを振り返る。

 こちらに歩いてくるのは、身なりのいい紳士。

 黒の燕尾服を身に着け、薄い笑みを顔に張り付けた中年の魔族だ。


「おやおや、音に聞こえた英雄殿が二人も揃って、このような小汚い場所に何用ですかな」

「あなたは……?」

「私はロット・グリフォール。先代魔王の側近を務めておりました。以後お見知りおきを」

「グリフォール……って」


 彼が口にしたその姓に、セリムの心臓がキリリと締めつけられる。


「……その事実はあまり口外したくはありませんな。薄汚い犯罪者、王家に刃を向けた裏切り者、……そこの英雄殿が息の根を止めて下さった、あの愚物」

「は……っ、あぁ……っ」

「如何にも、ハンス・グリフォールは我が弟。殺して下さって大変感謝しております」

「あ……っ、うぅぅぅぅっ……」


 彼の言葉に、自らが手にかけた男の息絶える瞬間、喉を掻き切った感触がフラッシュバックし、セリムは頭を両手で抱えてうずくまる。

 彼女の肩を抱き、ソラはロットという男を睨みつけた。


「セリム! ちょっとアンタ、なんてことを……!」

「おや、気に障りましたかな。これは失礼」

「ロット様……、一体何をしに来たのですか……!」


 物静かなアモンが珍しく語気を荒げ、ロットを問いただす。


「なぁに、英雄殿たちが地下牢に入っていく場面に出くわしましてな。薄汚い犯罪者に何の用事かと、気になってしまいまして」

「ならば……、もう用はお済でしょう……!」

「ですな。こんな場所に長居は無用。カビ臭さが移ってしまう。それでは英雄殿、ごきげんよう」


 慇懃無礼な態度でお辞儀を披露し、彼は地下牢を去っていった。



 ソラに震える体を抱きしめられ、セリムはようやく落ち着きを取り戻す。

 突然現れてセリムのトラウマをほじくり返した男に対するソラの心象は、最悪と言っていい。

 彼が去っていった地下牢の入り口を睨みつけながら、


「何さアイツ、感じ悪っ」


 と愚痴をこぼす。


「あの人は……、先代魔王の側近を務めていた人です……。現体制に代わってからは第一線を退き……、現在は主に貿易を担っていますね……」

「どっちにしろ、ありゃロクでもないね。マリちゃんに頼んで晒し首にしてもらおうか」

「ソラさん、私のために怒ってくれて、ありがとう。でも、私はもう平気ですから」

「むぅ、セリムがそう言うなら……」


 愛するセリムの言葉に、ソラは釈然としないながらも怒りを引っ込めた。


「ところでアモンさん。あの人が貿易を担当しているなら、レムライアとの交易もあの人が?」

「一応、そういうことにはなりますけど……。全面的に仕事を任されているわけではなく……、大まかな内容は魔王様が定められ、細かな部分のみを取り決める形ですね……」

「……レムライア?」


 その国の名前を耳にした瞬間、サイリンの眉がピクリと動く。


「嬢ちゃんたち、レムライアに興味あんのかい?」

「え? 興味と言いますか、これから行くんです。マリエールさんや、リースさんたちと一緒に」

「……そうかい。なら嬢ちゃん、ちょっとこっちきて耳貸しな」

「は、はい……」


 真剣な顔つきでセリムを手招きするサイリン。

 声音から尋常ではない何かを感じ取ったセリムは、鉄格子の前まで足を運ぶ。


「な、なんでしょう」

「これから言うことは一切の他言無用だ。絶対に誰にも言うんじゃないよ」


 セリムの耳元に口を寄せると、極限まで細めた、ソラやアモンにすら聞きとれないほどの小声で囁く。

 セリムの聴力でなければ、聞き取ることは出来ないだろう。


「あたしが魔都にいられなくなった理由、あんたは知ってるかい?」

「ヤバいものを輸送中にドジった、でしたっけ。マリエールさんから聞きました」

「その通り。依頼主は謎なんだけどね。そのヤバいものってのが、木箱に詰められて縛られた、生きたままの魔族……だったんだよ。送り先はレムライアさ」

「なん……っ! 人身売買、ですか……?」


 想像を絶する告白に、思わず大きな声を出しそうになるところを寸でで堪える。


「五十年前、先代の時代の出来事だ、今のお優しい魔王様は何にも知らないだろうけどね。あの国に行くなら気を付けな。言いたいことはそれだけさね」



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