第9羽 ギルドの説明受けてみた
「うおっ!!」
驚いた影響で立体映像が消えてしまう。
「あれ?今、お星様が見えたような?」
一瞬の出来事だったので、フィーナさんも状況を飲み込めていないようだ。
『何だよマリン!急に大きな声出して!』
『申し訳ありません。あなたのステータスボードがあまりに異形だったため…』
『は?異形ってどういう…』
「あれ?ミヤビさんのステータスボード表示されませんね?」
フィーナさんにも不審がられている。
『取り敢えずこの場は誤魔化してください。あとで説明を…』
無茶言うな…こんな初期設定でつまづいているのに隠し通せる訳ないだろう…ステータスカードの故障だったら新しいものに取り替えられるだろうし…
『それでも!です!』
「すみません、さっき結構MP消費してしまって魔力が尽きてしまっているんです。回復まで待ってもらう訳にもいきませんし、説明を続けてもらっても良いですか?」
我ながら苦しい嘘だ。これで通用するとは到底思えないが…
「えっ?ステータスカードの表示変更とステータスボードには魔力はほとんど使わないはずですが…」
「いえ、もう本当にすっからかんなんです。体力的にも限界なんです。お願いします、説明の続きを!」
かなり食い気味に話す。こうなったら勢いだ。最後まで貫き通してやる。
「わっわっ、元気じゃないですか!?そこまで仰るなら分かりました。私のカードで説明しますから!」
若干ひかれてしまったが、なんとか押し通せた。罪悪感があるが今は置いておこう。
見せてもらったフィーナのカードの上空にはステータスボードが表示されている。しかし、その形はオレのとは似ても似つかない光の板が一枚だけだ。
「ステータスの割り振りはこのボードを使って行われます。ステータスはボード上に点在しますので必要なポイントを支払い獲得します。ボードの大きさには個人差がありますし、成長度合いにも差があります。」
なるほどマリンが警告したのは、そのせいか…
「これ冒険者には必須事項なんですけど?本当にご自身のボードを確認しなくて大丈夫ですか?」
「大丈夫だ。本当に不具合があれば報告させてもらう。」
実際は普通に機能している訳だからな。ちなみにフィーナさんの年齢も目に入った。19歳。フィーナさんオレより年上だった…
「最後に冒険者ランクです。初めは皆さんランクGからスタート。下からG,F,E,D,C,B,A,S,SS,SSSまであります。冒険者ギルドには色々な人、団体から依頼が入ります。依頼はクエストとして、難易度別にランク分けされます。1つ上のランクのクエストまで受注出来ます。クエストはキャンセルも可能ですが、その場合は違約金が発生します。これは無茶な受注で生命を落とす方が多い為の配慮です。」
「受注数に限りはありませんが、無茶はしないでくださいね。」
「あぁ、絶対に無理はしない。」
異界転移しても中身は安定志向の日本人だ、いらぬリスクを背負うつもりはない。
「依頼を受注するには、あちらの掲示板からクエストの依頼用紙とステータスカードを受注カウンターまで持参下さい。」
フィーナさんが奥にある受注カウンターを案内する。冒険者登録カウンターの何倍もの大きさがある。
「説明は以上です。良い冒険者ライフを!早く休んで下さいね。」
ギルドについての説明が終わった。よし早速クエストを
すっかり冒険者の説明をされていたが、オレは冒険者になりたくて来た訳ではない。身分証を発行しに来たのだ。どうしてこうなった?
『いいじゃないですか冒険者!仕事をしながら強くなれる。強くなれれば魔力もアップ!人助けも出来て一石三鳥ですよ!』
マリンがすごい勢いで勧めてくる。こいつ…街に来ればこうなるのが分かっていたな…
自由を謳歌しろと言っていた、あの頃のマリンさんはどこへ…
どちらにせよ、すぐに仕事は見つからないし暫くは冒険者稼業で生計を立てるか…なるべく危険を冒したくないのでモンスターと戦闘するクエストはなしだ。
『分かったよ。仕事が見つかるまでの期間限定だからな。』
「あら終わったの?」
マリンとそんなやり取りをしているとアオイさんが声をかけてくれた。何か話していたのだろうか後ろからは恐縮に恐縮を重ねた門兵がいる。
「アオイさん!無事に発行出来ましたよ!本当にありがとうございました!」
「いいの、いいの!冒険者は助け合いでしょ?」
妖艶な笑みを浮かべるアオイに密かに胸の高鳴りを覚える。改めて見るとアオイは本当に美しい。透き通るような白い肌に、程良い肉付き、背も高くスタイルも良い。20代前半だろうか、若く見えるが大人の色気も兼ね備えている。
「ところでキミ、この街は初めてでしょ?滞在先の宿は決まったの?」
「は、はひっ?」
突然のアオイの問いに声が裏返る。深い意味は無いのだろうが、もしかしたらと言う事もある…
「いえ、もちろん決まっておりません。」
「そっかー!ちょうど良かったわ!」
アオイの笑みに期待が高まる。ちょうど?良かった?もしかして本当に…