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第6羽 マリンの力を使ってみた

『ミヤビ!次はあれです!』


道すがらマリンが草を摘んでおくよう声を掛けてくる。もう両手で抱えきれない量になって来た。


「マリン?こんなに草ばかり集めてどうするんだ?見るからに雑草でしかないのに。結構身体にもきてるんだけど」



2度の契約による魔力の枯渇で身体の脱力感はかなりのものに、なんとか歩いてはいるが早く横になって眠りたい。


『それは薬草ですよ。街に着いた時に売るんです。貴方お金の持ち合わせなどないでしょう?こうして薬草を摘んで行けば冒険者ギルドで換金してもらえます。今日の宿代くらいにはなりますよ。』



異世界にも貨幣制度があるのか。確かに一文無しで街にたどり着いた所で宿にも食事にもありつくことは出来ない。薬草集めは非常に理に適っているな。


ただ余りにも量が多すぎる。マリンは一見見当たらない所の薬草まで正確に場所を支持してくるのだ。採取は順調に進みすぎている。10分ほど進むと遂に抱えて歩くのは無理だと判断した。



「マリン!乱獲するにも程があるぞ。この薬草がどの程度になるかは分からないが持ち運べなければ意味がないだろ?」


『そうですね、では私の魔法を使いましょう。契約が出来るだけの魔力はまだでしょうが、私の普通の魔法であれば使用出来ると思います。採取した薬草の近くの空間に薬草が通るくらいの穴をイメージし作ります。』




重ねられた薬草のすぐ横に小さな穴が開いた


『穴が出来たらそこから薬草を吸い込んでいきます。』


薬草が穴に飛び込むようにイメージする。


………反応しない。





穴が薬草を吸い込むイメージをする。


……薬草が吸い込まれていく。


『全部入ったら穴を閉じてください!』


その場で山になった薬草は全て穴に吸い込まれ跡形もなく消えた。



……消えた!!!





『マリンさっきまで取っていた薬草の山は今日の生活費は?宿は?ご飯は?』


捲したてるように話しかける。





『ご安心ください。今のは私の魔法:空間の力を使って収納しただけですよ。取り出すことももちろん可能です。これで荷物の問題は解決したでしょ?』





空間魔法!便利だな。これが使えれば大きな荷物だっていずれは運べるのではないか?ドラ○もんの四次元ポケットみたいなものだ。


今後は重い荷物や狭い場所に困ることはなさそうだ。思わぬ魔法に、隠されていた厨二心がまた刺激される。もっと色々と試してみたいとミヤビがこの世界を楽しみ出した所で魔力切れの脱力感が襲ってくる。


『あっ。これダメだ。今度は本当に当分動けないやつだ…』



そしてこの時のオレたちを少し離れた所からじっと見ていたものが居たが、オレたちはそれに気付くことは無かった……


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