第18羽 ルリィの力を探ってみた
何はともあれブカウを倒した。途轍もない威力の攻撃であったが、ルリィの炎熱魔法はかなり魔力消費が激しいらしい。さっきまで100以上あったMPがほぼ空になっている。
『アタイのは攻撃力重視だからね。燃費なんて考える方が野暮ったもんだい。』
それにしても一撃でMP消費100はデカ過ぎる。今使える魔法の中でもぶっちぎりの燃費の悪さだ。ちなみにマリンとの契約に必要なMPが30だったから今の一撃が無ければ最大3人の精霊と契約出来たのだ。
「あのルリィさん、少しやり過ぎでは?折角のモンスターの素材が消し炭ですよ。」
『あぁん?魔力を込めたのはテメェだからな?元はと言やテメェが非力のモヤシなのがいけねぇんだろ?あんな牛の身体ぐらい普通に射って貫通させやがれ。』
『ルリィ言い過ぎですよ。今の彼の腕では命中させるだけで精一杯なのです。それに加えて威力を求めるのは酷だと思いますよ。』
言葉は丁寧だが、中々手厳しいぞマリンさん。
『マリン姐、それフォローになってないぜ。まぁそれでも良く土壇場でアタイの魔法を扱えたもんだね。』
ルリィが逆にフォローに入ってくれた。今まで炎熱魔法を暴発しないようにしてくれてた様だし、根は優しい子なのかも知れない。
取り敢えず炸裂弓撃とでも名付けておこうか。
今のランクでは明らかなオーバーキルなので暫くは封印される事になるだろうが。
と、またレベルが上がった様だ。流石に今のランクよりも一段上なだけあって一気に2上がった。
ミヤビ 17歳
人族 男
職業:魔導弓士
レベル 6 未分配能力値:10
Rank:G
HP 42/42
MP 15/264
攻撃 20
防御 23
魔攻 25
魔防 24
敏捷 28
スキル
契約魔法
炎熱魔法ー 炸裂弓撃(MP100)
空間魔法ー 越境弓撃(MP10)
契約精霊
イアド ルリィ マリン
MPだけ桁が違う。オレの戦い方の性質上仕方ないのだが…これでもまだ炎熱魔法は2射で使えなくなってしまう。
戦闘向けの魔法と言っていたが、この燃費の悪さ実戦向きではない。それにあの威力。一体どれだけの強敵との戦いを想定して契約させたのか…
「マリンさん、あなたオレを何にしたかったのかな?」
『何のことでしょうか?』
ひとまず忘れない内に討伐部位であろう、牙を拾っておく。クエストを受注していた訳ではないので、普通に買取になるだろうが…
とにかく疲れた。初めての強敵との戦いだったからな。残りのMPも心許ないので今日はこれで切り上げるとしよう。
消費した矢の補充と防具の新調とやれることはまだある。
またブカウと遭遇する可能性もある。未分配のステータスは…もう言うまでもないな。
帰りがけにもクルッコ2体とリア草を摘んでいく。運良く他のモンスターには遭遇しなかった。そんな事をしている間にボーグについた。敏捷ステータスが上がった為か帰りは15分程と行きの半分程の時間でついた。
「おう坊主、今帰りか?」
門の前で声を掛けられる…誰だ?
「はい、ノーサの森にクエストに行って来ました。」
「そうか昨日、冒険者登録してたもんな。もうステータスカード失くすんじゃないぞ。」
…ああ、昨日の門兵さんか!確かザックとか言ったか?
「いえこちらこそご迷惑をお掛けしました。ザックさんに紹介してもらったクレアさんの宿すごく良かったです。」
「そいつは良かった!ところで今日はあの女と一緒じゃないのか?」
「アオイさんですか?今日は別行動なんですよ。彼女が何か?」
「そ、そうか…嫌な…悪い事は言わないからあの女には近付かない方が良い。面倒ごとに巻き込まれるぞ。」
ザックさんは少し震えている。余程の事情があるのだろうか?オレはもう十分巻き込まれているが…
「一体あの人に何を聞いたんですか?」
「あいつは…「はーい、2人とも何楽しそうにお話ししてるの?」
「ア、アオイさんお疲れ様です。今クエスト終わりでたまたまザックさんと会って世間話を…」
「ふーん、世間話ね。」
「じゃあな坊主。オレは仕事に戻るから」
逃げたな…
「それはそうとアオイさん。昨日のお金もう返す宛がつきましたよ。」
「ふーん、ずいぶん調子よく稼げたみたいね。見たところ手ぶら見たいだけど?」
「やだな、アオイさん空間魔法使えるの知ってるじゃないですかー」
「君どれだけの量を取ってきたのか知らないけど人前で空間魔法使う気?」
あっ…
何と言う事だ…空間魔法が使えるのが当たり前になっていたが、かなり希少なものだった…
今、収納されているのはクルッコが8体、リア草が10kg程、1人で運べない重さではないが体積的にかなり怪しい。1人なら…
となると…
「アオイさん運ぶの手伝って頂けないでしょうか?」
「貸しは高くつくわよ。」
こうしてまた1つアオイさんに貸しが出来てしまった…




