第13羽 武器選びしてみた 後半
「は?これが片手剣?結構長いし、何より重いけど…」
「いや、それ軽量武器だからね。両手剣はこっち、ほら全然違うでしょ。」
そう言ってアオイさんが両手剣をレシッドさんから受け取る。オレが今使った剣の倍ほどの大きさがある。
「あっ、これダメなやつだ…」
取り敢えず試し切りをしようと持ち上げようとするが、かなりの重量で持ち上げるのがやっとだ。これを振るなんてことは考えたくない。
「オーケー、剣は諦めましょう。そもそもこれまで剣術を学んで来なかった人間が今からやって戦力になれる程甘くないないわ。結果は同じだと思うけど、他のも試してみる?」
試し切りを続けてみるが、基本の片手剣でつまづいたオレ。その後の槍、斧、槌なんてものは更に酷かった。
「…近接武器は諦めましょう。素手の方がまだマシだわ。」
「非力。」
傷付いた。おそらく試し切りのかかし以上にオレのメンタルはボロボロだ。
「魔法使いで行きましょう。剣術、体術はダメでも君は戦闘用の魔法は使えるんでしょ?」
「使えますよ、炎の魔法!」
そうだオレは契約士。ルリィの炎熱魔法がスキルスロットにもバッチリ載っている。
ただ契約してからまだ1度も使ってはいないが…使おうと試みたが出ないんだ。MPが慢性的に足りていない。回復はしているが溜まったそばからこいつらの魔法に食い潰される。燃費が悪いのかもしれない。
『てへ』
「ただし、多用はできない様です。威力に関しても今は何とも…魔法頼みの戦法は危険だと思います。」
「あんたを選んだの失敗だったかしら…」
「役立たず。」
アオイさんとレシッドさんが頭を抱えている。そんな事を言われても出来ないものは仕方がない。
何とかならないものか、魔法が使えるのは使えるが魔法頼みでは今みたくMP切れを起こした時に全く戦えなくなるのは怖い。
「これ。」
レシッドさんが新しい武器を持ってくる。もう何でも来いだ。レシッドさんが持っている様子をみると軽い武器のようだ。これは…
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「外れ。」
「でもさっきよりはマシになってきたんじゃない。まぁ、精度ったら酷いものだけど。」
「筋は悪くない。」
あの後、レシッドさんから受け取った武器。それは弓だ。ダンジョンに持ち運びもしやすい軽くて、小さめの弓。近接戦闘はからっきしだったオレだが弓であれば、何とか戦力になれそうだ。
何より敵に近付かなくて良いのが安心だ。非力なだけでなく、紙耐久だったんだオレ。
弓にして良い部分もあった。矢に微量の魔力を込めて放ち、動きをイメージするとその通りに飛ぶ。これは魔法ではなく魔力コントロールなので、MP消費が1と効率的なのだ。もちろん普通に射ることも出来る。矢に魔力を込められる特性からおそらく魔法の付与も可能だろうが、今はMP不足で試せていない。
「この弓気に入りました。魔法も使える弓使い、魔導弓士になります!」
こうしてオレの装備が決まった。
「ん、4500ロンド」
レシッドさんから弓の料金を聞く。今の手持ちで何とか足りそうだ。宿代は先に払っておいて良かった。
「はい!よろしくお願いします。」
「矢筒、700ロンド」
ん?
「矢1本、10ロンド。取り敢えず50本で500ロンド。」
んん?
「弓には矢がいる、常識。」
誤算だった。弓と矢はセットなのだ。しかも一撃ごとに矢は消費され、使い回すことも出来ない、何とも燃費の悪い武器だ。それになりより…
「お金が足りません…」
「ツケは聞かないよ。」
今の所持金では、足りなくなってしまった。レシッドさんとも少し打ち解けてきた?が流石に初対面のオレにまけてくれないようだ。となると頼みは…
「アオイさん…お金を貸してください。」
四の五の言っていられない。生活が掛かっているのだ。例え悪魔に魂を売ってでも装備を手に入れなければならない。その悪魔が空想の生き物よりも遥かに恐ろしい存在であってもだ。
「あら、良いわよ?大変だろうし、出世払いで良いわ。もちろんタダで貸してもらえるとは思ってないわよね?」
後にこの瞬間を激しく後悔することになる。例え数100円でもこの人にだけは貸しを作ってはいけなかったのだ。
現在、所持金–1500ロンド
いつも御愛読頂きありがとうございます。
本日より試験的に21時更新にしてみます。
主人公が弓使いの物語ってあんまり無いなと思い、色んな妄想をぶつけてみました。弓矢×魔法で色々な戦法を考えながら書いています。
前置き部分はこの辺りで漸く戦闘シーンも織り交ぜて行きます!
今後ともよろしくお願いします!




