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生徒会での…  作者: 藍井 湊
第1章
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第41話 生徒会室で昼食


 俺は昼食を取るために生徒会室のドアを開けた。

「あ、宮本先輩。お疲れ様です」


 予想外にも生徒会室にいたのは、佳月だった。

 俺はてっきり、青山とか清水辺りがいるのかと思っていた。


「他の人たちは来なかったか?」

「はい。僕だけです」

 ということは、青山と清水はどっか別の場所で昼食を取っていると考えるのが妥当だな。

 あの二人が昼食を忘れるほど熱中して作業をしているはずはないし。

 何はともあれ、こんな低確率イベントを逃すわけにはいかないな。


「昼食はもう食べたのか?」

 佳月は何をするわけでもなく、席に座っていた。

「いえ、皆さんと一緒に食べたいなぁって思ったので待ってました」

「そうか。でも多分、他の人たちはもう違うところで昼食食べてると思うぞ」

「そうですか」

「探しに行くか?」


 俺としては、労力的にも、状況的にも、ここで佳月と一緒に食事をしたいわけだが、佳月が忙しいところにわざわざ皆と一緒に昼食を食べるがために、こうして生徒会室で待ってくれていたわけだし、その思いを無下には出来ない。

 それに、佳月と二人で校内探検も悪くないしな。

 出来れば夜とかの方がいいけど、俺と佳月なら時間すらも超越して……まぁこの辺にしておこう。


「いえ、二人で食べませんか?」

「そうだな。そうするか」


 というわけで、生徒会室で佳月と昼食を取ることになった。

 非日常には非日常を、みたいなやつだな。

 きっと最近頑張っている俺へのご褒美とかそんなところだろうな。


「クラスの方は順調か?」

「今のところ順調です。生徒会の方はどうですか?」

「まぁ作業自体は順調に進んでるんだろうけど、なんせやることが多いからな。そもそも今まで書類作業しかしてこなかったのに、急に外で作業しろって言われると、ちょっときついしな」

「そうですか。その…すみませんでした。参加できなくて」

「いや、気にすることないぞ。結衣とかもクラスの方行ってるし、それに実行委員の人たちに手伝ってもらってるし」

「あ~、菊地先輩とかですか?」

「そうだな。あいつもなんだかんだで真面目なやつだからな。意外としっかり仕事してたよ」

「そうなんですね。何かあんまり想像つかないですね」

「だろ」


 ホントにびっくりだ。

 俺の予想では、終始日陰で座ってて、注意しても「だってUVとか紫外線とか日焼けとかいやじゃないですかー?」とか頭の悪いこと言ってばっかかと思ってた。

 てか、俺って菊地のことだいぶ低く見てたんだな。

 いや低くというか、一般的な俺の女子高生代表というか、そんな感じの方が適切だな。


「でも意外って言うことなら、青山先輩も意外ですよね」

「青山が俺を殴ったことがか?」

「違いますよ」

 そう言って、俺と佳月は笑った。


 けれど、真面目に俺は青山のどこが佳月に意外に映ったのかわからなかった。

 何ていうか青山って見た目通りというか、まぁ見た目より少し、結構、いやだいぶ俺への扱いがひどいけど、でも最初からちょっときつそうな性格なのはなんとなく察しがついてたし、とは言ってもその中にもちゃんと優しさがあるんだけど。

 まぁあいつは、ただただ不器用なだけなんだろうな。

 きっと自分の気持ちを伝えるのが下手、というか恥ずかしいんだろうな。


「青山先輩って意外と真面目っていうか、頑張ってるっていうか……僕たちのことしっかり見てくれてますよね」

「……」

 佳月の言葉に俺は言葉が出なかった。

 確かに、青山は意外と頑張り屋なところはある。

 とは言っても、それはただ単に負けず嫌いだというところが関係しているのだろうと思っている。

 

 それに佳月の言った通り、青山は意外と生徒会の他の人たちのことをしっかりと見てくれている。

 ホントにその通りなのだが、そのことに佳月が気づいているということには驚いた。

 そもそも佳月と青山が喋っているのを、俺はあまり見たことがなかったし、佳月は部活であまり生徒会には来れてないし、それに学年も違うし。

 正直、佳月が青山のことをそこまでわかっているとは思っていなかった。


「…お前、意外と他の人のこと見てるんだな」

「なんかその言い方だと、僕が自分のことしか考えてないみたいですね」

「あ、いや、そうゆうわけで言ったわけじゃないんだ。ただちょっと意外でな」


 けれど佳月が気づいていなくて、俺が気づいていることもある。

 あいつは、見てないようで相当周りのことを気にしている。

 簡単に言えば、それの副作用みたいなものが青山の中にはあるのだ。

 まぁ今のところは問題ないから気にすることはない。

 もしかしたら、これからも気にしなくてもいいことなのかもしれない。



「すみません。僕、もうそろそろクラスの方に戻らないといけないので」

「あ、そうか。悪いな」

「いえ、宮本先輩と昼食食べれてよかったです」

 そう言って、佳月は俺に向かって微笑む。

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