第39話 結局仕事
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「青山。これどこに運べばいいかわかるか?」
「ちょっと待って!えっと…それは自販機の横ね」
「サンキュー」
今日は文化祭前日ということで、授業はなしで朝から文化祭の準備にとりかかっている。
大半の生徒はクラスの準備の方に行っているが、一部の実行委員などは、明日のためのテント張りや機材の取り込み、組み立て、ごみ箱の設置などを行っている。
いつも書類作業ばかりの生徒会も、今日は太陽の下で俊敏で高速で迅速に働くつもりだったのだが、結衣と佳月はクラスの方に行ってて抜けれそうにないらしいし、清水は開始1時間ほどで、ばてたらしく、さっきから日陰で休憩している。
というわけで、今外で準備しているのは、俺と青山と、菊地を含めた実行委員数人だけだ。
流石に、実行委員も文化祭前日ともなると集まりが悪い。
「よし。この辺でいいかな」
俺っていつからこんなに働き者になったんだっけ?
今回の文化祭のMVP賞、絶対俺だろ。
「あ、先輩。丁度良かった。こっち手伝ってもらってもいいですか?」
「いいよ。にしてもお前もよく働くなー」
「先輩。馬鹿なんですか?」
また出たよ。
「いや、成績はそんなに悪くないぞ」
「そうゆう受け答えからして馬鹿なんですよ」
「じゃあなんだよ」
「これを働くって思ってるからやる気なくなるんじゃないですかー。それにクラスで群れてわけの分からない話を永遠としてるよりマシじゃないですかー」
「確かに、そう言われるとそうだな」
「私、天才ですよね?」
「その発言が馬鹿だよ」
「む!」
菊地が言っていることは最もだとは思ったが、菊地がそうゆう思考を持っていること自体にだいぶ驚いた。
てっきり、クラスの仲のいい人たちとキャッキャ言いながら、頭の悪そうな話をしている、一般の女子高生と同じような部類だと思っていた。
まぁこいつがクラスの女子から多少嫌われているのは知ってたけど。
類は友を呼ぶじゃないけど、俺の知り合いはどいつもこいつも、ちょっと変わったやつばかりだ。
「まぁいいです。それより早く行きましょう」
「そうだったな」
菊地に連れられて、着いた場所は体育館だった。
中には、誰もいなかった。
去年の文化祭の時この中に入ったが、あまりの人の多さと熱気で一瞬で出てきた記憶がある。
何か舞台裏の準備でもするんだろうか?
「それで、ここで何をやればいい?」
「とりあえず、前から順番にイスを並べていってください」
「イス? ここって確か、演奏とか色々やるんだよな?」
「そうですね」
「立ち見の方がいいんじゃないのか? 去年はここ、すごい人だったぞ」
イスを置いてしまうと、全員が入れなくなる可能性がある。
それに体育館全体にイスを並べるとなると、100脚単位で並べなければいけない。
流石に、それはめんどくさい。
「そうらしいですね。それで、なんか去年の文化祭の時に誰かが混雑に乗じて胸を触られただのなんだので、問題になったらしいんですよー」
「それじゃ、しょうがないな」
そんなことで、仕事増やさないでいただきたいものだ。
触ったって言っても、どうせ少しかすったくらいのものだろう。
そんなことで騒ぐくらいだったら、こんなところに入って来ないでほしいものだ。
「先輩。何か意外と素直ですね」
「まぁこのご時世じゃ仕方ないだろ」
「胸を触られてもですか?」
「ちげーよ。お前ちゃんと話聞いてたか?」
「先輩! 私が先輩の話をちゃんと聞いたことなんか一度もないですよ」
「いや、そんな偉そうに言われてもな…」
こいつホントいい性格してるよな。
これでよく実行委員長なんてやってるよな。
「まぁそんなことはどうでもいいです。それで何の話でしたっけ? 先輩が私の胸を触りたいっていう話でしたっけ?」
「全然ちげーよ」
「触らせてあげてもいいですよ。今だったら誰も見てませんし」
ホント、こいつ小悪魔とかそうゆう種族だよな、絶対。
今もそれっぽい笑みを浮かべて、こっち見てるし。
どうせ、俺の反応が見たいだけなんだろうな。
「結構です」
「…何か、素気ないですね。もしかして私ってあまり魅力ないですか?」
「いや、そんなことはないと思うけど。だいたいそうゆうのは、いいところで誰かに見つかって、めんどくさいことになるのがお約束なんだよ」
菊地に魅力があるかないかと言えば、きっとあるほうなんだとは思う。
というか、そうゆう風に菊地が作っているんだから当たり前だ。
今のも、それの延長みたいなもんだろう。
「先輩って意外とめんどくさい人なんですね」
「今更知ったのか?」
「いいえ。知ってました」
「だろうな。 とりあえずイス運ぼうぜ」
「そうですね」
俺たちは、体育館の舞台の下にあるイスの収納スペースを開け、イスを並べ始めた。
「先輩って、どうして名御谷に入ったんですか? って言うか先輩、意外と頭いいんですね」
それを言うなら、菊地が頭いい方が意外だと思うんだけどな。
「そこそこ成績があるっていうのもあるけど、一番は中学のやつらが誰も行かなそうだったからだな」
中学校の時、同じクラスだった人とか死ぬほど会いたくないし。
「なるほど。超納得です。先輩って昔からそんな感じだったんですね」
「もうちょっとひどかったかもな」
思い出したくもないな。
中学校時代のころの記憶の記憶喪失大歓迎!
家で、はぜろリアル、とか唱えたことすらあるし。
「それってもうただの変態ですよね。完全変態!」
「いやトランセルと一緒にされても困るんだけど」
「先輩、何言ってるんですか?」
菊地は俺をジト目で見る。
「いや、気にするな」
あっれー、おっかしいなー。
ちょうど世代だと思ったんだけどな。
俺、昔すごいハマったんだけどな。
女子はそうゆうのやらないのかな?




