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生徒会での…  作者: 藍井 湊
第1章
31/43

第31話 reason

とりあえずあれだな、時間つぶしに映画でも見に行くか。

何より映画なら見ている間、相手に気を遣わずに済むのが一番いい。

「よし、じゃあ映画でも見に行くか」

「いいですね。行きましょう」

まぁ今何がやってるのか知らないけど。


近くにも映画館はあるけど、そっちは人が多そうだから、少し遠いが107まで歩いていくか。

それに107ならすぐ横にゲーセンあるし、それに行く途中にアニメイトもある。

けど、流石に女子と2人でアニメイトに行くのは申し訳ないので止めておこう。


というわけで、歩いて20分ほどのところにある映画館へと向かい、歩くことにした。


「ハル先輩って休日は何やってるんですか?」

「特に何も」

「そうですか」

「……」

いや~、部活入ってない人だったら皆特に何もなってないでしょ。知らんけど


「じゃ、じゃあハル先輩がよくいく場所ってどこですか?」

「家と学校だな」

「え?」

「…」

だって特にどこか行ったりしないし…。


「…せ、先輩の好きな食べ物って何ですか?」

「アメとか」

「…は?」

すみません、今のは冗談です。

いや、確かに好きなんだけど…。

てか、そんな怖い顔でこっち見ないで。


「先輩!私と会話する気あります?」

うわ、めっちゃ怖いんですけど。

さっきより声、1オクターブぐらい低くない?


「今からちゃんとします」

「そう。それならいいですけど」

どうやら、機嫌を戻してくれたようだ。


「…そう言えば、先週は火曜日からずっと学校来てたけど体調の方は大丈夫なのか?」

これまでは、だいぶ体調不良で学校を休んでたと言ってたから気にはなっていた。

「…はい、おかげさまで最近は結構元気です」

「ならよかった」

「それなのに生徒会室に全く顔出さないなんてひどくないですか?」

まぁ言われるとは思っていた。

昼食は毎日屋上で全員で食べていたが、俺は火曜日から生徒会室には一回も行っていなかった。


「ちょっといろいろと忙しくてな」

確かに忙しかったが、別に生徒会室に行けない程忙しかったわけではない。

意図的に避けていたのだ。

例の一件で、なかなか行きづらくらくなってしまったのだ。

宿題を夏休みの最後まで残しておくのと同じようなものだろう。どこの小学生だよ。

さらに言うなら、火曜日に生徒会に行かなかったことで行くのがさらに億劫になったのだ。

一回さぼったら、そこからさぼり癖がついてしまうのと同じだ。どこの中学生だよ。


「そうですか」

清水は少し元気がなさそうに言った。

「…でも明日からはできるだけ顔出してくれませんか?皆も多分心配してると思いますし、私も心配です。それに私が学校に行くのは後少しですから」

清水が引っ越すのは文化祭の次の日の朝だと言っていたから、今日合わせて後11日しかない。

「そうだな」

俺はどこかで生徒会室に行かなくていい理由を探していた。

だが生徒会室に行く理由が出来た今はもうそんなことは考えなくていい。

ちゃんとした理由があれば行ってもいいという気にもなるものだ。


「約束ですよ」

清水は少し小さな声で言った。

「なんなら指切りでもするか?」

まぁ冗談だけどな。

「はい」

そう言って、清水は俺の手を掴んできた。

「いや、冗談のつもりだったんだが」

清水の手柔らかいな。それに冷たい。

ちょうど信号が赤になった。


「先輩の手温かいですね」

そう言って、清水は俺の手を両手で包み込むようにした。

「いやお前の手が冷たすぎるんだろ。てか指切りするんじゃないのか?」

「もうちょっとだけ」

いやそんな言い方されたら断れないでしょ。

てか、こんなこと女子にされたことないから、こっちは相当頭の中パニックで、もうちょっとも余裕ないんですけど。

信号が青に変わるまでの数十秒、清水はずっと俺の手を握っていた。

長い長い長い。こっちはもう限界なんですけど。

信号が早く変わる魔法の言葉とかないの?


ようやく信号が青に変わり、清水はようやく俺の手を離した。

絶対今ので寿命1年は縮まったわ。


「指切りはいいのか?」

俺は横断歩道を渡りながら聞いた。

「もう今ので十分です」

「そうか」

指切りとかって、やることに意味を見出すもんじゃないの?

まぁやらないに越したことはないけど。


そこからも暇つぶしのような話をして、ようやく映画館に到着した。

1時間くらい歩いたように感じた。

正直、もう疲れたんですけど。

後、帰りたい。

時間を見ると、歩き始めてから20分しか経っていなかった。

いや、嘘だろ。誰だよ、俺の時計40分も巻き戻したやつ。

ここに来るまでにすれ違ったやつの中にルパンでもいたか?


とりあえず、映画でも見て休憩するか。

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