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だって好きなんだもん  作者: 空葉
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揺れる(あや視点)

私には専門学校へ行ってやりたいことがあって、だから藍ちゃんとは同じ大学に進めない。それに、ほとんどの生徒がそのまま付属の大学へ行くから、一人違う道に進むことに迷いはあったんだ。だから一応そのための準備は前々からしていたけれど、決意したのはこの前藍ちゃんに話した少し前くらい。実は、そう決意できたのは藍ちゃんのおかげでもあるんだ。


私には以前、人間関係で苦い経験がある。中学生の頃ある友達ととても仲の良かった私は、ほとんどの時間をその子と過ごすあまりその子を自分のもののように思ってしまったんだ。その子が少しでも他の子としゃべっていると機嫌が悪くなり空気を悪くした。とても苦しかった。だからもう二度とそんな過ちを繰り返さないようにと、友達に期待するのをやめた。はじめから何も求めない。その覚悟を決めてからは案外楽だったし、むしろ良い関係を築けたと思う。


けれど今私は揺れている。心の奥で固く決めた覚悟が揺らぐのに気づいてしまっている。そう、藍ちゃんという存在が私の中で確実に大きくなってきているからだ。でもこのまま流されてしまったら以前と同じ私、変わらない。だから苦しまないように、藍ちゃんに迷惑をかけないように、何よりも藍ちゃんとずっと一生付き合っていけるような親友でいるために、私は藍ちゃんとちがう道へ進むことはチャンスだと思った。藍ちゃんのおかげで踏ん切りがついたというのはそういうことだ。


藍ちゃんにはじめて進む道が違うことを告げた時、返ってきた反応は少し意外だった。もちろん藍ちゃんのことだから反対はしないだろうと思ったけれど、あまりにすんなりと受け入れてくれたから、実はほんの少しだけ残念だったことは確かだ。


これでいいんだ。

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