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だって好きなんだもん  作者: 空葉
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これからの話

年末が近づき、寒さは日増しにきつくなっていった。コートにマフラーに手袋にタイツ、と完全防具のあやちゃん。彼女は寒がりさんなのだ。


「あやちゃんおはよ~」


ぎゅ~。挨拶と同時にあやちゃんに抱き着く。寒さに弱いあやちゃんだから、最近は抱き着いてもニコニコしてされるがままになっている。


「藍ちゃんおはよう!今日も寒いねー」

「そうだね~」


どさくさに紛れて手を繋いでみた。お互い手袋をしているせいかあやちゃんもあまり抵抗がない様子。繋いだ手を握り返してまでくれて、そのまま歩きだす。


「ねぇ藍ちゃん、藍ちゃんて卒業したらどうするの?」


なんだろう、ドキッとした。そうだよね、私たちもう卒業が近いんだよね。


「そのまま大学に行くつもりだよ。あやちゃんもでしょ?」


私たちの高校は大学の付属校になっているから内部推薦で大学にあがれる。もちろんあやちゃんもそうだと思っていた。


「私、もしかしたら違うかもしれないんだ」


ドキン。心臓が止まりそうだ。


「えっ・・・そうなの?一緒じゃないの?なんで?」

「うん。私、やりたいことがあって、専門学校へ行こうかなって」

「・・・そうだったんだ」


衝撃すぎて言葉を失ってしまった。けれどあやちゃんの顔が少しだけ寂しそうで、不安そうで。私が元気づけてあげなきゃって思ったの。


「応援する!」

「えっ、あ、ありがとう!」

「あやちゃんなら何があっても大丈夫だよ」

「うん。・・・ありがとね!私、がんばる!」

「オー!」


そうは言ったものの、その日からずっと、来年にはあやちゃんと離れ離れになるという事実が頭から離れなかった。


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