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焦がれる
あやちゃんは優しすぎるから。普通は、少なくとも私は、ただの友達にそこまでしてあげないよってことまであやちゃんはしてくれるから。私はあやちゃんにとって特別なのかなって勘違いして期待しちゃう。
でもあやちゃんにとってそれは特別なことでもなんでもなくて、みんなにそんな風に接しているよね。そこがあやちゃんを好きな所でもあるんだけど、
…あやちゃん、優しすぎるよ…。
あやちゃんに優しくされて調子に乗りそうな時はいつだって必死に、あやちゃんにとっては誰にでもする当たり前のことで、私に対してじゃなくても誰にでも同じことをするんだって言い聞かせるの。
それにしてもあやちゃんは優しすぎる。あやちゃんが優しすぎるから、私は自分が恥ずかしくなるの。だからあやちゃんみたいになりたくて。あやちゃんに相応しい、あやちゃんに釣り合う人間になりたくて、私は前を向くんだ。