君を想う
「あのさ、…私…告白された」
私はさ、あの時あやちゃんに嫉妬してほしかったんだよきっと。
でも、思ったようなリアクションはなくて。
「驚かないの?」
「なんとなくそうかなって思ったんだよね」
あやちゃんはそんなの驚きもしなくて。告白された私に「おめでとう」とまで言ってくれちゃって…なんだか複雑だよ。
この世に男女という概念がなければ、私は迷わずあやちゃんを選ぶ。それほど私はあやちゃんが好き。これは、叶わぬ想いを抱き続けた私、藍の半年間の物語。
***
あやちゃんと出会ったのは1年前。高校3年生になってはじめてのクラスで一番に声をかけてくれた子。第一印象は普通の子。話してみたらすぐにいい子だなって分かったけど、まぁそれだけ。特別な感情なんてなかった。
だからしばらくは普通のクラスメイトで友達。私はその時実は片思い中だったんだ。結構分かりやすくアピールしてるのに相手には全然相手にされなくて、私はどんどん泥沼にはまっていった。そのことをはじめて相談した相手があやちゃんだった。
「ハァー好きすぎてつらいよぉー」
「藍ちゃんがつらいって思うならやめたら?」
「それができたら悩まないよ」
「まぁそっかw」
「私はこんなに好きなのに…」
「それがいけないんでしょー?」
「え?」
「だから、私はこんなに好きなのに、って自分勝手じゃん?」
「え、えええと、そっかな…?」
「そうだよ、好きなら好きで相手がどう思ったってそれでいいじゃん。それがつらいなら好きなのやめるしかないよ」
「あやちゃん辛口…」
「まぁね、私も経験済みだからさ」
「え、そうなの?!」
「そう、私も友達に同じこと言われたんだw」
「そうだったんだ」
そこからだった、私たちが仲良くなりだしたのは。