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毒男とJK  作者: 山田太郎アットマーク
7/9

毒男とJK その7

大野は、ドアの前に経つとチャイムを鳴らした。イキナリ鍵を開けると結衣が驚くと考えたからだ。

ドアを開けると、既に玄関に結衣が出迎えにきていた。




「 お帰りなさい」

結衣が大野を元気な笑顔で迎える。歓迎に慣れてない大野は、気恥ずかしさを隠しながら

買ってきた弁当を結衣に手渡す。


「 すぐ食事にしますか? 」結衣が大野に尋ねる。

「 そうだね、食べようか 」その言葉を聞くと結衣は「 じゃあ、お弁当温めますね 」 と言いながら、

弁当を持ってキッチンに向かった。


5分ほどした後、電子レンジがチーンと軽快な音鳴らす。


結衣が温まった弁当をテーブルに並べ、コップに麦茶を注ぐ。

「 いただきます 」大野と結衣は手を合わせ、食事を始めた。

『 今時の子供にしては、礼儀正しいよなあ 』 食事をしながら、大野は結衣の事を

考える。特に好き嫌いはないみたいだし、我儘をいう訳でもない。未婚で育児の経験が

ない大野からすれば、子供は未知の生物である。しかも相手は10代の少女だ。

泊める事までは一旦は承諾したものの、トラブルが多発するのではないかと、実際大野は

気が気ではなかった。



しかし結衣に限っていえば、現時点まで特にトラブルはないし、生活面についても不満

の申告はない。これは大野にとっては有り難かったし、同居をする上で大変助かった。

まだ会って数日しか経っていないので、自分に遠慮があるのかもしれないが、このペースで

いけば大したトラブルは発生しないかもしれない。大野は安易ではあるが、そう考る事にした。



今では、宇宙人とも思える20代の女性より、更に若い10代の結衣の方が大野には

少し身近に感じられまでになっている。同じ空間で生活をする事によって、壁がなくなり

身近な存在に感じているのかもしれない。



俺の両親も、俺が10代の頃はこんな思いをしながら俺の処遇に困っていたのかもしれないな。

そんな考えが頭を過る。10代当時は普通の親子レベルでの衝突は喧嘩はあったが、特に

グレる事もなかったし、金の無心や酒・タバコもやった事がない。親からすればまだ

扱いやすい子供ではあったはずだ。



何時か自分も本当の親になったら、こんな事を毎日思うようになるのだろうか、大野はいままで

感じた事がない不思議な感情に襲われた。親への感謝であった。


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