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毒男とJK  作者: 山田太郎アットマーク
6/9

毒男とJK その6

大野は、濡れた髪をバスタオルで拭きながらリビングに戻る。

  リビングでは結衣が体育座りでTVを見ていた。バラエティ番組のようだ。

  「 この番組好きなの? 」 大野がTVを見ながら結衣に尋ねる、

  「 あ、はい 毎週見てます 」 と結衣は返事も早々に、TVをまた見始めた。

人気番組なのだろうか結衣はTVに夢中である。結衣の子供らしい一面を見て、

大野は結衣がまだ15歳という事を再認識した。

  大野は麦茶を飲みながら、結衣と一緒にTVを鑑賞する。結衣はたまにクスクスッと声を

こぼしながらTVを見ている。



  そうこうしている内に大野は自分が腹が減っているのに事に気づく。時間は19時半を

超えていた。

  『 もうこんな時間か 』

  大野はリビングから、自室に移るとGパンとTシャツに着替え、第出する準備をした。

弁当の買い出しである。


  「 弁当買ってくるけど何がいい? 食べたいモノある? 」TVを見ている結衣に声をかける。

   結衣はTVから目を離し

  「 お弁当ですか? 私が買ってきましょうか? 」 と大野に尋ねる。居候の身である

結衣は、大野に買い出しに行かせるのは悪いと思ったのだ。少しでも役に立ちたいと

いう思いもあった。


   大野は結衣の言葉を聞きながら

  「 お風呂入ったばかりでしょ? また汗かくと悪いからいいよ 」大野はやんわりと

結衣の申し出を断る。

  「 でも・・ 」 結衣はそれでも食い下がろうとしたが、

  「 次はお願いするからさ 弁当何がいい? 」と大野は買い物をいくのを譲らない。

  「 じゃあ、同じものでいいです… 」 と結衣は諦めたようにいった。

  「 判った じゃあ同じの買ってくるね 」 大野はサイフと鍵をもって玄関に向かう。

  「 じゃあいくから 鍵だけしめておいて 」 そう言い残すとドアを閉め、マンションの

   駐車場へと向かった。



  大野は自転車の鍵を外すと、街中にある大型スーパーへと向かった。 

  途中で警官二人がパトロールしているのが目に入る。先週から夏休みが始まり、街中では

色々と問題が起こる。その予防のためだろう。普段、犯罪をしていないにも関わらず警官を

見るとドキっとさせられる。しかも今は、少女を家に匿っている身だ。大野は、警官から

逃げる様に横道にはいり、遠回りしながら急いでスーパーを目指した。



  スーパーに入ると、エアコンの冷気が大野を迎え入れた。

  『 気持ちいい 』 大野はエアコンの歓迎の冷気を浴びながら、食料品売り場がある

1階を目指す。

   大野が食料品売り場についた頃、スマホで時間を確認すると20時になっていた。

  『 半額セールが始まるころだな 』 そう思い、急いで惣菜、弁当コーナーに向かう。

大野の予想通り弁当は一部を除き半額になっていた。サラリーマン、学生、主婦が

   色めきたって弁当を買っていく。自分も遅れてはならないと、大野も急いで弁当を物色する。

  『 結衣ちゃんは何がいいだろうか? 若いからハンバーグか焼き肉がいいかな?しかし

    俺は魚とかがいいし・・・ 』 色々考えながら弁当を物色しているが、半額弁当は

    どんどんなくなっていく。

    そうしていると肉野菜炒め定食が大野に目に入ってきた。

  『 これならバランス良いし、俺でも大丈夫だな 』と肉野菜炒め定食を買い物籠に入れる。

    大野はレジへと向かった。


   大野は、弁当を買うとスーパーの駐車場に止めてあった自転車に乗り帰路についた。

   マンションに帰り、ラウンジに入ると濃い化粧をした女がエレバーターから降りてきた。

   すれ違いざまに二人は軽く会釈をする。女はからは香水の薫りがプーーンと発せられていた。   強烈な香りである。


   『 この時間から出勤するって事は夜の商売してる人かな? 』 そんな事を思いながら

   エレベーターに乗り込む。エレベーターの中は、女の残り香で一杯になっていた。

   その香りに大野は辟易しながら

   『 色々大変だな 』 と先程の身も知らぬ女の事を思いながら、5階のボタンを

    押していた。 

   

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