毒男とJK その5
「 よし、じゃあ行こうか 」 と二人は部屋を出る。大野は途中で銀行で金を卸し、
ディスカウントショップに向かった。家から近く、品揃えも豊富だ。なにより値段が安い。
これが一番の魅力だった。
店の入口で大野は、結衣に金と携帯を渡す。
「 俺が一緒にいたらゆっくり見れないでしょ? 取りあえず2万円渡しておくから
足りなくなったり、買い物が終わったらこの携帯で電話して これ番号のメモ
使い方は判る? 」 お金とメモ、携帯を結衣に渡す。
「 使い方は判ります ありがとうございます 」と俺を言うと結衣はお金と携帯、メモを
大事そうにスカートのポケットに収めた。
「 じゃあ俺は、布団とか他に欲しいもの買ってくるから」 そう告げると大野はそそくさと
店の奥に消えた。
結衣は、大野を見送ると早速下着コーナーに行き、下着を物色した。かなり安い上下セットで
1000円だ。6セット買っても6000円 いま履いてるヤツを入れても一週間分は確保出来る
『 本当に安くて助かる 』 結衣は下着を買い物籠に入れると、寝具コーナーに行った。
パジャマは上下で2980円だ。結構高い。二つ買えば約6000円だ。
『 どうしよう 』 まだ買いたいものあるし、1着にしとこうかな?と悩んでいるとスウェットのセットが目に入る 上下で1980円 寝るのに絶対にパジャマでなければならない事はない
スウェットにしよう! スウェット上下2セットを買い物籠に入れる。これで残りは約1万円だ。
本来家の中にずーっといるのならこれで十分なのだが、外に出かける可能性もある。
制服でも構わないが、平日なら問題ないが、夏休みに制服は逆に目立つ。結衣は980円と書いて
あったホットパンツ、スカート、特売580円と書かれていた綿地のTシャツを何枚か買った。
あとは細々とした自分用の日用品を購入する。
レジで会計をすると17650円だった。結構余裕のある買い物が出来たと自分で自分を褒めた。
メモを見て、大野のスマホに電話をかける。
「 結衣です 今、買い物終わりました そっちはどうですか? 」結衣が大野に買い物の結果を
確認する。
「 うん、俺もいま終わったところ 出口で待ってて 」大野との通話はそこで途切れ、結衣は
出口で大野を待つことにした。
「 ゴメン、お待たせ 」 大野は両手に布団セットを持っていた、片方は羽毛布団セットと書かれている。 片方は、三つ折りの低反発マットだ。
「 荷物多いですね 片方持ちましょうか? 」結衣が大野に尋ねる。
「 いいよ どうせ家まで10分位だし このまま行こう 」大野はそう言うが早いか、もう
先に歩き出していた。
家に着いた二人は、玄関に荷物を卸し今日買った商品を袋から出して整理を始めた。結衣は
スウェット、Tシャツ、スカートについてる商品タグを鋏でひとつひとつ切り離していく。
そうこうしている内に、大野の前で下着を広げている事に気づき、顔を赤らめ
「 リ、リビングでしてきます 」 と言うと大急ぎで衣類を持ってリビングに
移動した。
大野は買ってきた羽毛毛布やマットを袋から出して整理を始める。
「 川村さん、布団の準備出来たよ 今日からはこれで寝てね 」 畳まれた低反発マットと
羽毛布団を重ねて、ここに置いて置いておくねと大野が結衣に教える。
「 ありがとうございます でもそれは大野さんがつかってください 」 結衣は丁重に申し出を
断る。
「 え、でも 新しいし、羽毛なんでこっちが寝心地いいよ? 」と大野は羽毛布団を進める。
「 大丈夫です それに私こっちのお布団の方が寝やすいみたいで」そこまで言われると、嫌々
勧めるのも、これ以上は悪いと思った大野は
「 わかった じゃあこれは俺が使わせてもらうね 」 と結衣にお礼を言った。
買い物の整理が終わり、休憩していると大野に結衣が
「 ・・・すみません シャワーを使わせてもらっていいですか? 」と尋ねてきた。
大野は結衣が、昨夜に風呂に入ってなかった事を思い出す。この暑さだ、相当我慢して
いたのだろう。
「 ああゴメン 暑かったもんね どうぞ使って 」
「 あ、シャワーじゃなくて湯船をつかって大丈夫だよ 」と追加で結衣に伝える。
「 いえ、シャワーだけで・・・」
「 湯船使っていいから 疲れも取れるし ね?」諭すように大野がいう。
「 ありがとうございます じゃあお風呂使わせていただきます 」
「 じゃあ俺はその間、1時間位外に出てるから 」
大野は、そう告げると、そそくさと外に出ようとした。
「 わざわざ外に出るんですか? 」と結衣は、大野に聞く。
「 え、でも・・・ 俺がいたらゆっくり入れないでしょ?・・・・」 大野は困惑して
しまった。自分が居ては邪魔だろうし、結衣が恥ずかしいだろうと考えたからだ
「 大丈夫です 脱衣所でしか着替えませんから 」
「 でも・・・嫌じゃない? 一時間位、ネカフェで時間潰してくるから 」大野は結衣に再度
申告する。
「 本当に大丈夫です 気を使っていただいてすみません 」
「 そう・・・ じゃあ、俺は一番奥の部屋にいるから・・・ お湯の温度調節はこの壁の
コントローラーで出来るからね タオルは脱衣所のカラーボックスに入ってるから勝手に
使っていいから 」 大野はそう言うと、そそくさと奥の部屋に移動した。徐にスマホの
ワンセグを見ながら時間を過ごそうとするが、ろくなTV番組がない。 同じ空間で10代の
女の子がシャワーを使っている。淫らな事は考えないようにはしていたが女に余り免疫が
ない大野からすれば、ある意味ショッキングな出来事だ。
それから40分も過ぎた頃、隣の部屋から声がかかる
「 今あがりました お風呂ありがとうございました! 」 結衣が大野に声をかける
「 本当にお風呂ありがとうございました 」 結衣は再度、大野にお礼を言った。
お風呂に入れた事がよっぽど嬉しかったようだ。
結衣はスウェットに着替え、髪をタオルで拭きながら髪を少しづつ乾かす。
大野は、風呂上がりの結衣の顔をチラリと遠目でみた。髪は首元までのショートで黒髪。
目鼻立ちは整っていて、美人と言うよりは可愛い感じだ。顔は少しふっくらとして昨日見た時の
印象とは180度違って健康に見える。風呂上がりのせいという事もあるのだろう。
頬は15歳の少女らしくツルツルピカピカでだった 『 俺の汚い肌とは全然違うよなぁ
というか顔がちいさい 』と中年らしい感想を抱いていると、視線に気ついたのか
結衣が大野の方をチラリと見る。
結衣と目があったのが恥ずかしいのか、大野はフィと横を向いた。髪を乾かし終わった結衣は
「 大野さんもお風呂どうぞ 」 と入浴をすすめる。すぐ後に入るのは結衣に悪い気が
したため大野は
「 うん あと少ししたら入るよ 」 と気恥ずかしさ誤魔化しながら返事をした。
結衣が風呂から出て、20分も過ぎた頃、大野は風呂に入った。床はまだ少し湿っていた。
人が使った跡が感じられる。大野は結衣が入ったあとの風呂を使う事が淫らな感じがして
ドキドキしていた。
ふと見ると長い毛が一本湯船上の中に浮かんでいた。自分の毛にしては長い。結衣がこの
浴槽を使っていたんだと生々しさを実感する。大野は触れるのを恐れる様に、湯船の中に
洗面器を入れ髪の毛を救い、洗い流す。髪の毛を直に触ると結衣をなんとなく汚す気が
したからだ。
温くなった風呂に、お湯を足しながら湯船に浸かる。改めて考えてみれば15歳と45歳の
同居生活だ。異常な状況だ。頭と体を洗い、お湯で洗い流したあとに再度湯船に浸かる。
湯船に浸かりながら自身の上半身を鏡で見る。身長170cmに体重73kgメタボ体形だ。
腹は30歳を越えた位から出てきて今はプヨプヨだ。顔はブサイクでもないがイケメンでもない。
顔は自分では中の下あたりだと思ってる。髪は年齢相応でA型禿げが発生している。
自分を俯瞰で客観的にみてみたが『 どこもいいところないなぁ・・・』と悲観にくれる。
若者を間近見ると、自分の老いを思い知らされる。大野は浴槽のお湯を落として、
浴槽をシャワーで綺麗に洗い流すと、濡れた髪と体をタオルで拭いて、洗い立ての下着と
パジャマを着た。