召喚
『ーーー‼ーーーー‼』
あれ?誰かに呼ばれてる??
そういえば、あのモフモフしっぽに引きずり込まれて…目を開けなきゃ、とりあえず、どうなったのか現状を確認しなきゃいけないのに。
体が動かないし、それにすごく眠い。
何だ、これ。本当に俺、どうなって…。
そのまま意識は落ちてしまった。
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ようやく勇者召喚に成功した‼
成功したのはいいが、このような者に、魔王が倒せるのだろうか。
呼び掛けても全く反応はない。おそらく召喚した際の負荷がかかってしまったのだろう。
とりあえず、客間に運ばなければならんな。
「勇者召喚は成功した!だが、勇者殿はお疲れのようだ。丁重に扱うことを心がけろ。」
周りに少数連れてきていた兵士や近衛騎士が、喜びの声をあげる。
『よかった、これでーーー。』『ようやく、悲願がーーー。』
それはそうだろう。
召喚に成功するのは、本当に稀なのだ。
確実性のない術であり、成功例はあまり報告されていなかった。
そのため、行う者も滅多にいなかったからだ。
「喜ぶのは後だ‼まずは勇者殿を客間に運べ‼」
「はっ!了解しました。」
そう言って、兵士2人で勇者殿を運んでいく様子を見ながら、決意を新たにしていた。
「待っていろ、魔王。今度こそ決着をつけてやる。」
今まで、散々手を焼かされてきたが、今度こそ負けない。
だが、あんなに華奢で魔王と対峙することは可能なのだろうか。
何か特別な力があるのかもしれない。とりあえず回復を待とう。