体育祭。
いよいよ体育祭の日になった。
お姉ちゃんに車を出してもらって乗せていってもらった。
「お姉ちゃんありがと。」
「いーえ。仕事入っちゃってごめんね!」
「大丈夫。気をつけてね」
「はーい。」
お姉ちゃんは仕事に向かった。
前は練習試合として入ったけど……今回は観客として入るから少し緊張。
グラウンドに行くとすごく賑やかだった。
時間は12時お昼の時間だ。
「……。」
陽哉は本当にいるのかな。
陽哉はあたしのことどう思ってるのかな。
もうとうでもいいのかな。
「陽哉……」
あたしはその場に座り込んだ。
周りの声であたしの泣き声はかき消される。
「……華波ちゃん?」
あたしの肩にポンっと手を置かれた。
顔を上げるとすごく心配そうに千歳くんがいた。
「ち、とせ、くん……」
「やっぱり華波ちゃんだ!どうしたの?!大丈夫?」
「あはは、大丈夫だよ。ごめんね。」
「……こっち来て。」
千歳くんは無言であたしを校舎の中に連れていった。
「え、ちょ、千歳くん?部外者立ち入り禁止じゃ……」
「気にしたら負けだよ。そんな泣き顔見たらほっとけない。」
「……………うん。」
教室に入ると椅子に座らせてくれた。
「ここ僕の席だからいいよ。」
「ありがとう。ごめんね。迷惑かけて……」
「いえいえ!ほんとに来てくれたんだね。」
「……………うん。」
「幼なじみの”はるや”くんと何かあったの?」
「小3の時に引っ越しちゃって、それ以来全く連絡がないの。手紙書くって言ってたけど実際1通も来たことがないし……」
「え。」
「おじさん達の携帯番号知っていたから電話もかけたんだけど、おばさんの方は使われていなくて、おじさんの方は知らない人が使っていたの。」
「……うん。」
「高校生になったら付き合おうって言われてたんだけどね……。」
「……………。」
「千歳くん?」
千歳くんは無言であたしを抱きしめた。
「え、ちょ、千歳くん?!」
「今まで、頑張ったね……。辛かったね……。」
「……………うん。」
あたしは千歳くんの腕の中で泣いた。
千歳くんは無言でずっと抱きしめててくれた。
「……ありがとう。千歳くん。」
「もういいの?」
「うん。もう十分だよ。」
「そっか。ならよかった。」
千歳くんは本当に優しい人だなぁ。
いい人に出会えてよかった。




