後輩と仕事
「なん....だと」俺は、驚愕の表情を浮かべた。
「それは本当か」と茜に聞き、目線で先生にも聞いた。こいつの言う言葉は、あまり信用ならん。そんな表情が見てとれたのか、茜は何も言わずただニコニコしていた。先生は、ため息をついて「神谷。君は仕事をしっかりとしているから信用していたのだがな」と言い聞かせてきた。
まさか、本当の事だったとは。とりあえずここは俺の評価のために取り繕うことにしよう。
「いやー。俺の家電波悪くて」と言うと、今まで借りてきた猫みたいに俺の後ろで静かだった。白が「嘘だ。翔さんさっきお家で、電話してた」と小さな音で呟いた。
やばい。ウカツだった。これで、みんなから疑いの目線で見られてしまう。というか、現時点で先生が人殺しの目をしている。ここは素直に降伏といくか。
「はい。すいませんでした。俺が悪かったです」と言っておいた。
「そう素直に謝っておけばいいんだ。君は」とため息をつく。
「先生。ため息ばっか吐いてたら、幸せが逃げますよ。婚期と...。って危なっ」俺が言い終わる前に、先生の拳が飛んできた。危ないんだけど。風切る音したぞ今。
「神谷。何か言ったか?」
「いいや。何もいってません!」嘘をつかなきゃ殺される!善人死亡です。だよ全く。
そろそろ帰るか。
「すいません。もう帰ります。いくぞ白」と言うと、礼儀正しくお辞儀をする。そして簡易ステージのドアを開けようとすると、後ろから声をかけられた
「センパイ。これから1年よろしくです」と生意気な後輩が告げてきた。
その言葉の意味を噛み締めながら歩いていると、その後輩は近づいてきて耳元で囁いた。
「これからずっと一緒ですね」驚いて振り替えると後輩は小悪魔な微笑みを浮かべていた。
照れ隠しのために毒をはいておこう
「ずっと一緒ではねえよ」
「そうでした」と後輩は舌をだして笑っていた。
そうしていると先生が出てきて
「そうだった。明日から生徒会のメンバーは仕事初めだ。準備しておいてくれ」と言った。
『仕事初め』嫌な言葉だ。