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4話『UFOって決まってあの形』

 仏造って魂入れず。この物語の作者にピッタリな言葉。

薮から棒。これはクタビレ荘にピッタリな言葉。

そう、ヤツらは突然やってきたのです。


ズズーン!


日曜日の昼過ぎに、クタビレ荘の裏手の空き地に宇宙船が墜ちてきた。

「ゴリアテダ〜!」


チャールズが叫んだ、ム〇カも驚いてメガネを落とすような大声で。

「間様、なんかスゴいのが堕ちてきましたね」

「うむ……映画でしか見たこと無いが、これが宇宙船というやつじゃの完助殿」


はい、紛れもなく宇宙船です。つまりUFOです。


プシュー!


死にたければ入ってこい……みたいな感じに宇宙船の扉が開く。


「……行ってらっしゃい兄さん」

「えぇ!? 付いてきてくれないのか終羽里?」


「……ん、こーいうのは兄さんの役目だから」

最近マジで思う。俺って早死にするタイプだな……と。


俺はガタガタと震えながら船内へ。

なんだ、案外普通だな……船内の中央に置かれている鉄らしき物でできた箱を除いて。


う〜マジで怖い。久々にチビりそうだ。


プシュー!


だぁぁ! 勝手に箱が開いた!

せめて触ってから開けチクショー!


中には。

……娘だ、箱の中に十四.五歳くらいのライダースーツみたいなのを着た娘が寝ている。


あ〜なるほど。コレが箱入り娘か。


ムクッ。


お・き・た〜!


俺は全速力で外へ。


「ぎゃああ! 宇宙人に侵略される〜!」


俺は妹に抱きついた……妹に……ん?

若干だが終羽里より小さくないか?

「離れろ」

「ん?」

「離れろキサマ〜!」


はうっ! シュバリエさん!?

「き、来てたんですかシュバリエさん!?」


「未確認飛行物体が発見されたと連絡があったのだ! たくっ、来て早々汚らわしい」


少し顔を赤らめながら顔をハンカチで拭くシュバリエさん。

もちろん片手には俺の身長よりデカイ槍、天守閃幻の姿があった。


「宇宙人がいたのか完助殿?」

キラキラと目を光らせて興味津々な間様。


「はい、女宇宙人が」


残念ながら間様が頭の中で思い描いているタコ足宇宙人じゃありませんでした。


「うるさくて眠れないですの〜」

宇宙船から出てきた女宇宙人。

「はれ? ココは何処ですの?」

「え、え〜とココは地球と言って……」


パシューン!


「侵略者は排除で〜ス!」

俺が宇宙人に場所の説明をしている途中でチャールズがロケット砲を発射。

なんてヤツだ。直撃コースだ。

「ETフィールド!」


パキィーン!


スゴい! 『〇T』と『エ〇ァンゲリオン』同時に二作品もパクった……なんて高等テクニックだ。

つーか宇宙人が跳ね返したロケット弾がコッチに来た!


ドカーン!


運悪くシュバリエさんに命中。

「シュバリエさん大丈夫で……ひっ!」

爆炎から現れたシュバリエさんの右手は吹っ飛んで跡形もなかった。


「シュバリエさん! 手が! 手が!」


「心配ない、右手は義手だ」

うっそ! 初耳だよ。


「敵なら戦うしかないぞフェノ」

「やれやれ、仕方ないのぉ」

シュバリエさんの天守閃幻が不気味に輝き、チャールズも銃を構える。

全員戦闘体勢だ。

言っておくがテメェのせいだぞチャールズ。


「私は怪しい者ではないですの、ただの宇宙人ですの」

「それって十分怪しいぞ」


「そうですの? なら宇宙警察ですの。そこの冴えない主人公面の人を円形脱毛罪の罪で逮捕するですの」


女宇宙人は俺に向かってビシッと指をさした。

そんな罪はない……しかも俺はハゲてない! しか〜も‘なら’ってなんだ‘なら’って!?

「……宇宙海賊」


終羽里がボソッと言った。

「バ、バレたですの!」

「おぉ! なぜわかったんだ妹よ!」


「……ん」

終羽里が宇宙船を指さした、そこには『宇宙海賊シェリカ・ティール専用宇宙船』と書いてある。

果てしなくバカな宇宙人がいたもんだな。


しかしシェリカちゃんか……可愛い名前だ。

「ふぇぇ、ティールお兄様〜」

「いや……ちょ……別に泣かなくても」

俺は彼女の両肩に手を置いて慰めようとした。すると彼女は俺の手を振りほどき叫んだ。

「気安く触るな!」



はい?

声が変わった、しかもシェリカちゃんの髪の毛が緑色から金色に!?

「シェリカをイジめるな! 生意気な地球人め!」

どーなってんだ?


「うむ、二重人格みたいなやつじゃな」


間様がポリポリと頭を掻きながら言った。


「女から男になるものなんですか間様?」


「高橋〇美子先生のマンガにもあるではないか」


たぶん〇んま……のことだろう。


とりあえず、この二人で一人な兄妹は……たまたま地球に来てしまったようだ。

「人格が変わる条件があるのか?」

とっさに俺はティールとか言うヤツに聞いた。


「人格が変わる条件は小惑星が地球に落ちた時だ」


確率低ッ!


「冗談だ、本当は涙を流すたびにチェンジするんだ」

宇宙人でも冗談は言うんだな。


「地球侵略ではなかったのですカ?」

チャールズが余計なことを言った、おかげでティールはギラリと目を光らせる。

「そんなに侵略されたければ、まずはそこの槍女からだ!」


お馴染みの急展開!


ティールは妙な形をした銃を取り出し、シュバリエさんに向かって引き金を引いた。


ビビビビッ!


ヘンテコな光線はシュバリエさんに当たったが様子は変わっていない。

シュバリエさんは眉間にシワをよせて首を傾げる。

「な! ブレインコントロール光線が効かないなんて?」


「なんかよくわからないけど、人を操る銃っぽいッスねシュバリエさん」


「私に命令できるのは私だけだ」

シュバリエさんがキッパリと言った。

もう完全にクタビレ荘ペースだ。すでに間様は観戦モードである。


「また面白いのが来よったの」

「そーッスね、間様好みなのが……」

額から汗が見られるティール。しかし臆することなく銃口を…………赤い彗星の終羽里に向ける。


あぁあ、命知らずめ。


終羽里を本気にさせたら新キャラだろうが次回から消えることになる。作者も手に負えない存在だからな。


その存在感に気付いたのか、ガタガタと震えだすティール。やはりボウヤだったか……。


ガチャン!


ヘンテコな光線銃はティールの手から離れて落ちた。

「ふえぇ、あの無表情なところが逆に怖いですの〜」

あ……シェリカちゃんに変わった。

う〜む、またややこしいキャラが増えたな。


「……兄さん、私なにか悪いことしたの?」

「気にするな妹よ」


☆プロフィール

クタビレ荘の裏手の空き地

シェリカ。

15歳。

宇宙人クラス。

※ですの口調で緑髪の女宇宙海賊。

涙を流すと兄のティールにチェンジする。


ティール。

16歳。

宇宙人クラス。

※この作品には珍しい普通な性格の金髪男宇宙海賊。

涙を流すと妹のシェリカにチェンジする。

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