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3話『パンダ以外の白黒関連はコレだ』

今回は結構マニアックですので、ネタがわからない人はノリで笑ってください。

 人間一つや二つの秘密はある。

ちなみに俺は秘密が…………数えきれないくらいあるな。

もちろん教えない。


そして夜中のことだ。俺は、ある姉妹の秘密を見てしまったのだ。


《クタビレ荘……AM.3:05》

窓を叩く風の音で目が覚める。

「う〜完全に目が覚めちまった」

こんな時は便所で用を足したら意外とグッスリいけるかもしれん。


俺はトイレのドアノブに手をかけた、その時。

微かに聞こえる羽ばたく音。


バサッバサッ……。


「鳥?」

俺はトイレのドアノブから手を離し、音の聞こえる玄関の扉を開けた。


そして見た!

空を舞う二人の姉妹を!


夜でもハッキリわかる……立花麗華に黒い羽根、立花恵理華に白い羽根が背中から生えている、月明かりに照らされて優雅に飛ぶ二人。

すると麗華ちゃんが俺に気付き、脇から光る物を出した。

「コレクションNO.109『斬利卍邪呂きりまんじゃろ』……参りますわ」

ジャ、ジャパニーズソード!!

「チェェェストォォォ!」

「ぎゃああああ!」


斬られる前に、俺は失神。その場に倒れた。


《クタビレ荘……AM7:20》

ちょっと怖かったが、俺は麗華ちゃんに夜中のことを話した。

「何を朝っぱらからクレイジーな冗談を言ってますの完助?」

まだ眠いのか、パジャマ姿の麗華ちゃんが目を擦りながら言った。


「冗談じゃないってば!」

「どうせ夢でしょ」


するとヒョコッと麗華ちゃんの背後から、すでに制服に着替えている恵理華ちゃんが顔を出して言った。

「きっと疲れてるんですよ完助さん」

「で、でも」

う〜ん怪しい。

とぼけているようにも見える。

「ところで完助、私は最近犬が欲しいんですの」


う〜わ、強引に話変えてきたよ。ますます怪しいな。

「犬ってチワワとか?」


「完助みたいに扱いやすい性格の‘犬’が欲しいですわね」


え! 犬ってそっちの犬(奴隷)!?


ピンポ〜ン。


「すみませ〜ん」


102号室のチャイムを鳴らす運び屋の東野さん。

となりに届け先人いるのに……。なんて天然な人なんだろう。

「恵理華ハンコ」

「え、まさかまた刀? 姉さん……いい加減にして」

トホホとした顔で麗華ちゃんにハンコを渡す恵理華ちゃん。

なんだかんだで許すんだ。

「ありがとうございま〜す」

そう言って東野さんは荷を麗華ちゃんに渡して、屋根から屋根へと跳び移りながら去っていった。


そーいえば東野さんはロボットだったな。


「……で、何やってんだチャールズ?」


俺は見逃さなかった。我が201号室からコソコソと出てきたチャールズ軍……じゃなくて大佐、えぇい! ややこしい!


チャールズ大佐の姿を。


「な、ななな何でもないで〜す完助ボ〜イ!」


「その右手に隠し持っている本は何だと言ってるんだ」


バサッ!


チャールズが本を落とした。

これは……これは俺の宝物! 朝っぱらからこんな物を人の家から盗むな!

「なんの本ですの?」


あぁ! お約束のように拾っちゃダメだ麗華ちゃん!

「『スゴい。私の中に……イヤらしい先輩の〇〇〇が……』ってコレって!」

「うあああ! 読者がドン引きするくらいまで読んじゃダメだ麗華ちゃん!」


本を叩きつけて、フルフルと震えだす麗華ちゃん。

「姉さん?」

「来てはいけませんは恵理華、あなたを巻き込みかねないから」


れ……麗華ちゃ〜ん。


「万死に値しますわ!」

死んだ!

まだ3話なのに俺死んだ!

お前のせいだチャールズ、『続・クタビレ荘の生活』の初登場でイメージが下がることするからだ!


「滅殺!」


『名刀・夜枯美根裂空羅よこみね さくら』と書かれた箱から刀を取り出し、チャールズ目掛けて走り出した。


あ〜俺は無視ですか……よかった。


「なんやなんや? 暴れとるな〜、まるで暴れん坊〇軍や」


カジュアルな服装で現れたのは大坂晶子ちゃん。


「晶子ちゃん、これから専門学校かい?」


「まぁな〜、ちょっとバカ姉妹の姿を見に来たんや」

え、私も!? と言いたそうな顔の恵理華ちゃん。

「ヒドイ晶子さん」


「あははは、冗談やがな恵理華!」


バシッと笑いながら恵理華ちゃんの背中を叩く。


「ところで晶子ちゃん、あの子止められないかな?」

「無理に決まっとるやろ〜、あんなもん止めれるのロ〇キー・バルボアくらいやで」


目を覆いたくなる光景を見ながら、ほのぼのとする俺達。

「Nooo! 助けてください完助ボ〜イ!」

チャールズも一応マシンガンで対抗している。頑張れチャールズ、男をみせろ。


「じゃかましぃ! 俺の素敵な起床を邪魔するんじゃねぇゴミども〜!」


はい、結衣さん戦闘参加。

「長年の決着、今日こそ付けてやるぜ!」


「望むところですわ! かかってきなさい結衣!」

今日もクタビレ荘は‘平和’そのものだ。


そう、これが日常なのさ。


ダダダダダ!

キィン! キィン!


手裏剣が飛び、弾丸が跳びかい、刀が血を求む。


その時、夜中に見た黒い羽根が俺の視界に入った。


やっぱり……夢じゃなかったんだ。


「姉さん! 背中!」


「えっ!? しまった……つい興奮して出してしまいましたわ!」


興奮状態から正気に戻る麗華ちゃん。


戸惑いながら言葉を探す。

「え〜と……あは、あはははは! 私は人間をやめますわカンスケ〜!!」


バサバサッと空を飛び、刀を振りかざす麗華ちゃん。

すると恵理華ちゃんが背中から白い羽根を生やして麗華ちゃんのもとへ。


「姉さん! マニアックなネタ禁止!」


「うぐっ!」

ゴキッと鈍い音がした、恵理華ちゃんが麗華ちゃんの後ろから首の骨を折ったのだ。

そのまま麗華ちゃんはボテッと地面に落ちた、黒い羽根もフッと消えた。



……。

…………。

………………。


「……と、言うことなんです完助さん」


恵理華ちゃんが詳しく話してくれた。

「へぇ……まぁこのアパートに住んでから少々の事は驚かなくなったけど、まさか二人が天使と悪魔の間に生まれた子だったなんて」


「隠すつもりはありませんでしたの……ただ、なかなかに言い出す機会がなくて」

髪を掻き分けながら麗華ちゃんが言った。


「アパートの住民は知ってるんですか結衣さん?」

腕組みしながら結衣さんが答える。

「完助以外が全員知っている」

ヒドッ! なんで俺だけを仲間外れに!?


「こ、これからも今まで通り接してくださいね完助さん」

恵理華ちゃんは優しく微笑んだ。

「もちろんだよ恵理華ちゃん」

チャールズのバラバラ死体を足下に、俺達の親密度が上がった。


「……て、まさか麗華ちゃん。眼帯を外したら覚醒するとかいうネタは無いよね?」


俺は冗談混じりで言った。

「あら? フフ……それはドコの死神かしら?」


麗華ちゃん、顔は笑って声は笑っていませんよ〜。

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