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40 吟遊詩人「落ち着いて……」

魔法使い「ぎゃー!!」ガタガタ


勇者「うわあああああ!!」バタバタ


魔法使い「わわわわ勇者そっち行った!!」


勇者「うぎゃああくるなああ!」


ドッタンバッタン。


ガチャ。


ガンナー「何騒いでんの」


勇者「うわああガンナー助けて!」


ブーーーン。


魔法使い「ああああ飛んだあああ!!」


ガンナー「あ?」


ブーーーーン。


ガチャ。


剣士「おい何騒いで――!」ハッ


スパッ


ゴキ「」ポテ

ブリ「」ポト


勇者「ひ――」


剣士「――って、虫? ああ、なんだゴキブ――」


魔法使い「い言うなああああ!!」


ガンナー「剣士さすがのナイフさばき」


~・・・~


剣士「勇者と魔法使いは虫駄目か」


魔法使い「無理だね」


勇者「無理だ」


ガンナー「勇者お前虫怖いとか女かよ」ケラケラ


勇者「あんなおぞましいものサワレナイ」


ガンナー「いや別に俺らも進んで不快害虫に触りはしねえけど」


剣士「ていうか、このナイフ誰のだ」


魔法使い「剣士のじゃないの?」


剣士「俺はナイフは持たない。持ってても短剣だ」


勇者「……」


勇者「俺のだ……」


魔法使い「ヤツの呪いがかかったナイフ……」


ガンナー「『ヤツ』て」


剣士「名前を出すことすらはばかられるのか……」


勇者「噂をすればやってくるかもしれないから……」


魔法使い「よし、やめよう。この話やめよう」


勇者「そうだな、それがいい」


ガンナー「虫の何が怖いんだよ」


勇者「なんか……こう、モゾモゾ動いてるところとか……噛まれたどうしようみたいな」


ガンナー「いざとなりゃ潰せよ」


魔法使い「潰れた時のプチッてなるのが……」


勇者「うわあああそれ考えただけで寒気する」


魔法使い「昔はまだね、セミとかカブトムシとか平気だったんだよ」


剣士「それが何でこうなった」


魔法使い「でっかいカブトムシ捕まえてね、ひっくり返した時にね……」


勇者「ああ……虫の裏側ってグロイよな……」


魔法使い「足がもそもそ動いてるのが気持ち悪かった……」


ガンナー「虫投げつけられたら死ぬんじゃねえのコイツら」


魔法使い「ハァ……なんかもう……雪国に住みたい」


勇者「わかる」


剣士「重症だな」


~・・・~


勇者「僧侶って虫平気?」


僧侶「え、虫……ですか?」


勇者「そう」


僧侶「はあ……別にどうとも思いませんが……」


勇者「いきなり顔面にでかい虫が留まったらどうする」


僧侶「普通に追い払いますが……」


勇者「その際に声は上げる?」


僧侶「さあ……吃驚するでしょうし『うわっ』ぐらいなら上げると思います」


勇者「『ギャー』は」


僧侶「ないですね」


勇者「騎士は?」


騎士「……」


勇者「あ絶対騒がないわ」


僧侶「実際虫がいた程度では騒ぎませんね」


ガンナー「虫関連でなくても騒いだところ見たことないわ」


勇者「ガンナーはなんか虫の方が逃げそう」


ガンナー「あ?」


勇者「なんでもないです」


僧侶「彼は睨むだけで虫を追い払えます」


勇者「なにそれすごい。なにそれ羨ましい」


ガンナー「いいだろ」


僧侶「そのへんのチンピラも追い払えます」


勇者「まあ怖いもんな」


ガンナー「絡まれなくていいぜ」


勇者「いいなあ。俺はどっちかというと絡まれやすい方だからなあ」


ガンナー「まあ弱そうだしな」


勇者「う、うるせえ」


ガンナー「僧侶もたまにつっかかられるよな」


僧侶「はい」


勇者「だ、大丈夫なのか……?」


ガンナー「ずっと無表情で敬語だからなコイツ」


僧侶「きちんとはなしあえばわかってもらえるのです」


ガンナー「胸ぐら掴まれたら手が滑ったとか言って相手の手首グリッてするぜ」


勇者「なんか……前から思ってたんだけど僧侶って結構バイオレンスだよな……」


僧侶「そんなことありませんよ?」


ガンナー「まあなあ、無表情ビンタされた知り合いいるしなあ。あれ三日くらい腫れがひかなかったそうだぞ」


勇者「ひい」


僧侶「そうだったのですか」


ガンナー「騎士がチャラいのに絡まれてた時もお得意の手首グリって捻るついでに親指の関節外してた」


僧侶「得意ではないですよ」


勇者「親指の関節外すって……小規模だけど怖いな。痛そう……」


ガンナー「ん? ためしに外すか?」


勇者「やめてまだ死にたくない」


僧侶「勇者さん、親指の関節が外れたくらいでは死にませんよ。回復魔法もいらないレベルです」


ガンナー「いや勇者だったら死ぬかも」


僧侶「……というかそう言うガンナーも、見ていましたよ。クリエントの路地裏で女性が男性数人に囲まれていたのを助けるために、そのうち何人かの肩の関節外してたじゃないですか。たしかリーダー格の男性は両肩外してましたよね」


ガンナー「肩の骨なんてな、ちょっとグイッてやりゃ簡単に外れらあ」


勇者「お前ら他人の骨外しすぎだろ怖いわ」


僧侶「私は一度だけでしかも偶然ですよ勇者さん」


勇者「僧侶……マトモな人だと思ってたのに……」


僧侶「少なくともガンナーよりはマトモですからご心配なさらずに」


勇者「いやいや脱臼に限らずバイオレンスだよ。ビンタとか……」


ガンナー「もう手がブレて目視出来ない速度だからな、コイツのビンタ。されたことないけど」


僧侶「適当なこと言わないでくださいよ」


ガンナー「ちなみに俺の秘技・関節外しは海賊が護身用にって教えてきたやつ」


勇者「お前ら五十歩百歩だよ、なあ騎士――」


騎士「Zzz」


勇者「……」




挿絵(By みてみん)

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