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30 ガンナー「謎すぎるわ」

ガンナー「僧侶」


僧侶「なんでしょう」


ガンナー「ここに勇者が寝ているな?」


勇者「Zzz」


僧侶「はい」


ガンナー「油性のマジックペン持ってないか?」


僧侶「私のポケットには何でも入っているわけではないのですよ」


ガンナー「油性ペンはないのか」


僧侶「ここに」スッ


ガンナー「あるんかい」


僧侶「それで何をなさるのです?」


ガンナー「無防備に眠っている勇者。手元にある油性ペン。する事は一つだろう」


僧侶「落書きですか?」


ガンナー「いえす」


僧侶「しかし油性ペンでは洗っても中々落ちませんよ。腕ならともかく顔に書くのであれば、セロハンテープを貼ってその上からの方がよいのでは?」


ガンナー「しかしセロハンテープは持っていない」


僧侶「ここに」スッ


ガンナー「あるんかい」


僧侶「はい」


ガンナー「でもテープの上からだと書きづらいだろう。ここは直にいくべきだ」


僧侶「しかしそれでは……」


ガンナー「消毒用エタノールは漂白剤としても扱えると知り合いの絵描きが言っていた」


僧侶「消毒用なのに消毒に使わないのですか」


ガンナー「まあな」


僧侶「油性ペンに有効ですか?」


ガンナー「まあな」


僧侶「それは良いことを聞きました」


ガンナー「しかしその消毒用エタノールは」


僧侶「ここに」スッ


ガンナー「僧侶なのに消毒液持ち歩いてんのな」


僧侶「薬草の変わりになると思いまして」


ガンナー「即効果は無い上に殺菌消毒しかしないから治るわけじゃないけどな」


僧侶「それもそうですね」


ガンナー「まあぶっちゃけアルコール消毒液でも良かったんだけどな」


僧侶「アルコールとエタノールの違いが分からない人もいるのでは」


ガンナー「ここには俺とお前しかいない」


僧侶「勇者さんがいます」


ガンナー「勇者は寝ています」


僧侶「そうでした」


僧侶「アルコールとエタノールの違い」


ガンナー「名前」


僧侶「言うと思いました」


ガンナー「エタノールはアルコールだけどアルコールはエタノールではありません」


僧侶「そういう事なのでしょうね」


ガンナー「僧いう事なんだろうな」


僧侶「ん?」


ガンナー「ん?」


僧侶「初めからそういえばよかった気がしないでもないです」


ガンナー「とりあえずこれで油性ペンのインクは落ちやすくなったわけだが、それだと意味ないな」


僧侶「なぜです?」


ガンナー「落ちない落ちない言いながら必死で顔を洗い続ける勇者を見てみたい」


僧侶「悪魔ですね」


ガンナー「違いますね」


僧侶「魔王ですか?」


ガンナー「魔王敵だろ」


僧侶「はい」


ガンナー「とりあえず起きたらまずは鏡を見せないといけないな」


僧侶「そうですね。落書き顔のまま外に行かれるのは困ります」


ガンナー「しかしこの宿屋には洗面所以外に鏡がない」


僧侶「洗面所は一階ですね」


ガンナー「この部屋には鏡はない」


僧侶「魔法使いさんたちなら持っているのではないでしょうか」


ガンナー「女性陣はいない。この部屋に鏡は無いし、俺もお前も鏡は」


僧侶「ここに」スッ


ガンナー「なんで持ってるんだよ」


僧侶「騎士の物を預からされているだけです」


ガンナー「知ってる」


僧侶「何故聞いたのです?」


ガンナー「聞かないといけない気がしたからだ」


僧侶「そうですか」


ガンナー「さてこれで準備は整ったな」


勇者「」肉


僧侶「王道ですね」


ガンナー「これはやらないといけないだろう」


ガンナー「ところで、エタノール使った時のためにティッシュを用意しておかないといけないな」


僧侶「消毒液が目に入って痛い痛いですね」


ガンナー「入らなくても空気感染で痛い痛いだ」


僧侶「空気感染ってなんですか」


ガンナー「知らないよ」


僧侶「痛い痛いってなんですか」


ガンナー「お前が言い出したんだろう」


僧侶「そうでしたね」


ガンナー「ティッシュがないとエタノールを使った時に困る」


ガンナー「しかしこの部屋にはティッシュがない」


僧侶「一階のロビーにもありません」


ガンナー「この宿屋にはティッシュがありません」


僧侶「剣士さんなら持っているのではないでしょうか」


ガンナー「なんかアイツ、遠出する時『忘れ物ない? ハンカチ持った? ティッシュ持った?』とか聞いてきそう」


僧侶「なんとなく分かります」


ガンナー「そんで本人もきっちり両方持ってそう」


僧侶「なんとなく分かります」


ガンナー「しかしその剣士は今宿にはいない。剣士以外ティッシュは」


僧侶「ここに」スッ


ガンナー「消毒液使うもんな」


僧侶「はい」


勇者「」まぶたに目


ガンナー「瞼に目を書くのって時々学園物のドラマとかアニメとかでもやってるけどさ」


僧侶「はい」


ガンナー「あれぶっちゃけ白目の部分がないからすぐバレるよな」


僧侶「白目部分がない以前にそのペンは黒で勇者さんの目は赤ですよね」


ガンナー「白のポスカとか持ってないか」


僧侶「なんでポスカですか」


ガンナー「ポスカデスカ」


ガンナー「じゃあ修正ペンとか、なんか白いペンはないか。絵の具でもいい」


僧侶「どうしてそんなものを持っているのですか」


ガンナー「ないか」


僧侶「ここに」スッ


ガンナー「なんで三つ全部あるんだよ」


僧侶「偶々です」


ガンナー「凄いな」


勇者「」まぶたに目(+白目)


僧侶「リアルです」


ガンナー「傑作だな」


僧侶「動き出しそうですね」


ガンナー「オレンジかピンクのマジックないか」


僧侶「ナルトほっぺですか?」


ガンナー「ナルトほっぺです」


僧侶「オレンジとピンクとはまた微妙なチョイスですね」


ガンナー「赤だと赤すぎる」


僧侶「……」


僧侶「あ、はい」


僧侶「なんとなく言いたいことは分かりました」


ガンナー「分かったか」


僧侶「ええ」


ガンナー「その微妙な色のペンはないか」


僧侶「ここに」スッ


ガンナー「あるんかい」


僧侶「偶々ありました」


ガンナー「そうか」


勇者「」なるとほっぺ(右オレンジ左ピンク)


僧侶「…………可愛らしいですね」


ガンナー「超言葉選んだな」


僧侶「はい」


ガンナー「赤ペンないか」


僧侶「鼻血ですか?」


ガンナー「両穴から」


僧侶「悪魔ですね」


ガンナー「違います」


僧侶「魔王ですか?」


ガンナー「それラスボス」


僧侶「死神ですか?」


ガンナー「新世界の神となる」


僧侶「鼻血はあまり出した事ないですね」


ガンナー「俺もないな」


僧侶「貴方に鼻血が出るような暴力をふるわれたことはありませんし」


ガンナー「うまい事本物の血を表現できそうな赤いペンは」


僧侶「ここに」スッ


ガンナー「それで目書けばよかったな。こいつ赤目だし」


僧侶「そうですね」


勇者「」偽鼻血


ガンナー「面白いな」


僧侶「悪魔ですね」


ガンナー「違います」


僧侶「魔王ですか?」


ガンナー「世界いりません」


僧侶「顔に落書きで世界征服ですか?」


ガンナー「わけわからん」


僧侶「鬼畜ですか?」


ガンナー「違います」


勇者「Zzz」


ガンナー「面白いな」


僧侶「そうですね」


ガンナー「デジカメないか」


僧侶「ここに」スッ


ガンナー「ずっと思ってたこと言っていいか?」


僧侶「なんでしょう」


カシャッ


ガンナー「あのな」



ガンナー「四次元ポケットか」



挿絵(By みてみん)

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