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1話 帰還

飛行機の中、一人の少女が写真を眺めていた。次に、少女は外を眺める。


「今、あなたはどうしてますか? みーくん・・・」


そう呟いて、彼女はシートに深く頭を預ける。彼と再会したときに、寝不足で、顔に隈が出来てしまってはいけない。きっと、彼は心配するだろうから。だから、今は・・・





「ふあ~~~、あああああ」


長い欠伸を終え、教科書に顔を向けると、誰かに頭を叩かれる。


「そんなに私の授業はつまらないか? 巽」


「いや、そういうわけじゃないんですけどね・・・」


たつみみこと。今、頭を叩かれた可愛そうな男子生徒・・・俺だ。井上いのうえなぎさ。今俺の頭を叩いた暴力教師だ。その美貌とさばさばした性格から生徒の人気は高い・・・らしいが、俺は苦手だ。ことあるごとに、こうなるからだ。


「お前、次のテストまでもう日がないんだぞ? ちゃんと家では勉強しているんだろうな」


「まあ、それなりには」


嘘。全くしてない。第一そんな余裕も無いっての。


「前の補修も出てこなかったよな、それでいいと思っているのか?」


「・・・・・・」


正直、学生としてはいけないと思っています。


「あ、チャイムが鳴るな。巽、次のテストで赤点取ったら・・・覚悟しとけよ」


そして、チャイムが鳴り。実は本日最後の授業だったので、HR後、速やかに掃除。掃除中、他の男子に羨ましがられた。なんでも、「井上先生に怒られるとは、うらやま・・・けしからん!」ということらしい。はあ、そうですか。としかいえない。そういう一部の嗜好は胸の奥に閉まっておけ。掃除が終わり、時計を見ると、もうギリギリの時間。鞄を手に取り、早歩きで廊下を歩く。目指すは校門。階段の手すりを持ちながら走らないギリギリの速さで下る。下り終わり、曲がり角を曲がろうとした。


どんっ


と、誰かとぶつかってしまう。


「あ、ごめんだいじょぶ?」


「うう・・・」


ぶつかった相手は女生徒だった。前髪が長くて、表情までは読み取れなかった。とりあえず、手を差し出してみる。


「・・・・・・」


なかなか手をとろうとしない。なんか・・・怯えられてる? 強引に手を取って女生徒を起こす。彼女は何かボーっとしていた。


「ああ、ほんっとーにごめん! 今急いでるから・・・ごめんね」


そんな彼女を置いて、校門へと急ぐ。走りながら時計を見れば、一刻の猶予も許されない時間帯。さて、間に合うか!?










「・・・・・・あれ?」


しばらく動けなかった。男の人に(状況はどうあれ)手を握られたことなんて無かったからびっくりしてしまって。やっと復活したら、足元に何かが落ちていた。


「これ、さっきの人の・・・?」


携帯電話。ストラップも何もついていない。中を見るわけには行かないので、彼の向かった方向にまだ彼はいるか確認してみた。 ・・・・・・いない、よね。急いでたみたいだったし。落し物として出すわけにも行かないし・・・とりあえず・・・帰ろう。明日また会えたら返そう。うん。そうしよう。



これ、読めるものじゃないよね・・・

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