7話
負けられない勝負が始まった。けど、負けるつもりなんて微塵もないし、勝って光ちゃんに罰ゲームをしてやる……!
闘志をメラメラと燃やして、罰ゲームありの対戦ゲームを開始する。
「……あれ?」
さっきまでの圧勝が嘘のように惨敗してしまった。
バ、バグ? それとも夢?
現実を受け入れ切れず、首を傾げる。
「文香先輩」
「っ……」
名前を呼ばれ、モニターから光ちゃんに視線を向ける。光ちゃんはニッコリと笑っていた。
「罰ゲームですね」
「……」
あ……もしかして嵌められた……!
光ちゃんはわざと手を抜き、罰ゲームありの勝負になったら本気を出してきた。全ては私で遊ぶために……!
「そうですね……あ、そうだ。ラブホテルから出るまでで良いので、私の妹になってください」
「い、妹……?」
「ほら、文香先輩て小さくて可愛らしいから、妹にしてみたかったので」
「……」
私が光ちゃんの妹……?
あんまり、想像ができない。
「まずは私のことを『光お姉ちゃん』と呼んでください」
「……その……光、お姉ちゃん……」
私の顔が熱くなる。年下の女の子をお姉ちゃんて呼ぶなんて……!
「ふふ、可愛いです」
光ちゃんは私の頭を撫でた。
「私も文香先輩のこと……文香ちゃんて呼びますね。後、敬語も妹に使ったら変なのでやめます」
「う、うん」
光ちゃんがお姉ちゃん。なんか変なことになった。そもそも、蒼ちゃんの彼女とラブホテルにいる時点で変だけど。
「文香ちゃん、ここに座って」
光ちゃんがポンポンと自分の膝を叩いた。
「は、恥ずかしい……」
「文香ちゃん、妹はお姉ちゃんに甘えるものだよ。ほら」
「……」
光ちゃんに言われて、膝の上に乗ると、後ろから抱きしめられた。
「文香ちゃん、温かい」
「っ……」
顔が熱くなる。
背中に柔らかな感触がある。たぶん、光ちゃんのおっぱいだ。
「光ちゃん」
「光お姉ちゃん、でしょ」
「ひ、光お姉ちゃん……」
「なーに?」
「その……胸が……」
「ああ、えい」
「っ……」
背中に当たる感触が強くなった。ドクンと私の心臓が高鳴る。
「あ、ごめんね。もっと当てて欲しいのかなて思って」
「……いじわる」
「お姉ちゃんはいじわるだよ」
光ちゃんは私の頭を撫でる。恥ずかしさと気持ち良さを感じた。いけない、気持ち良さを感じてどうする。
「……光お姉ちゃんっ」
「うん?」
「対戦の……続き、しよ」
「良いよ」
対戦で勝って、姉妹ごっこを辞めさせてみせる。
私はコントローラーを握りしめて、誓った。
ゲームを再開する。
「……ん?」
さっきは惨敗だったのに、今は良い勝負が出来ている。
どうして……あ、そうか!
光ちゃんは私を抱きしめたまま、プレイをしている。私のせいで、モニターが見え難い分、私が有利なんだ……!
卑怯な気がするけど、光ちゃんが望んだ状況。悪く思わないことだ。
私は内心笑いながら、勝負に向き合っていると、
「っ……」
耳にヌメリとした感触が走った。
「はむ……ん」
艶やかな声が耳元から聞こえる。
「ひ、光お姉ちゃん……」
「ん?」
「な、何して……?」
「可愛い妹の耳を食べてるの」
「ふぇっ……」
コントローラーを落として、振り返る。光ちゃんの顔が息遣いを感じるほど近くにあった。
「っ……」
のけぞり膝の上から落ちそうになる。けど、光ちゃんが私の腰に手を回して、抱き寄せた。
「大丈夫?」
「だ、大丈夫……」
恐る恐る自分の耳に手を伸ばすと、濡れていた。
「……」
光ちゃんに耳を舐められた。
そんな事実を前に脳内がぐるぐると回る。
思考が定まらないまま、固まっていると、モニターから音が聞こえてきた。
「あ……」
振り返ると、対戦は終わっていた。
勝敗は私の負け。
どうやら、私が動揺している間に、光ちゃんは決着をつけたみたい。
「ず、ずるい……」
私が睨み付けると、光ちゃんは唇を舐め、ニコリと笑った。
「妹に悪戯するのはお姉ちゃんの特権だよ」
「……」
「もちろん、文香ちゃんもお姉ちゃんに悪戯して良いよ」
光ちゃんに悪戯なんて……む、無理……!
「ふふ……あ、罰ゲーム考えないと」
「罰ゲーム……」
しまった……すっかり忘れてた!
「うーん……」
光ちゃんは腕を組んだ後、私の顔を見てニコリと笑った。その笑顔を浮かべた時は大抵ロクでもない時だ。
「文香ちゃん……お姉ちゃんに悪戯して」
「……え?」
光ちゃんに……悪戯?
光ちゃんは私の両脇を掴んで、私を膝の上からベッドの上に移動させる。光ちゃんはベッドに仰向けに寝転がった。
長い髪がベッドに広がる。
白いバスローブがはだけ、谷間と柔らかそうな太ももが露出する。
「……」
私はゴクリと唾を飲んだ。




