005-ブラジャーと料理
前世の知識を使って服や料理を作って会社を作って広げた。
最近胸の成長が著しい。
ところでこの世界にはブラジャーというものが存在しなかった。
キャミソール的な下着があるだけでホールドして下から支えるような機能を持った下着が存在しないのだ。
これは由々しき問題である。
私は将来たれたくはない。
「この成長、支えがなければ未来が危ういッッ!」
ということでブラジャーを考案した。
といっても私も前世でブラジャーなんてつけたことないし、形状もよくわからない。
たぶんこんな感じかなと適当に作ってみた。
伸縮性のある布を使い、肩紐とアンダーバンドで胸を支えるようにした。
ホックは作れなかった。
細かい金属の加工をしてなおかつそれを大量生産する技術がないのだ。
なのでフロントの谷間の部分で紐を絞って結ぶようにした。
ワイヤーなんてものも作れないのですべて布でできている。
メイドの協力を得ていろいろ試行錯誤しながら作った。
試作品を王女殿下に見せてみた。
王女殿下はいたく気に入り出入りの服飾職人に作らせ広く販売させることにした。
「これ、革命ですわ。全国の乙女に配備しましょう」
著作権料として売れるたびにわずかなお金が私に入るようにもしてくれた。
ブラジャーと収入源を手に入れた!
ブラジャーは大ヒットした。
胸の大きな女性はもちろん、胸の小さな女性も胸を盛るためにブラジャーを購入した。
胸の大きな女性はブラジャーで胸を支え、胸の小さな女性はブラジャーで胸を大きく見せるのだ。
ブラジャーは女性の必需品となった。
私はブラジャーの発明者として名を馳せた。
この世界の料理は不味い。
食えないことはないが舌の肥えた日本人からすると全然ダメだ。
第一食材が日本ほど良くない。
非常に米が食いたい。
米の上に生卵と醤油を垂らしてかき混ぜて食いたい。
ってことで米を探した。
あるにはあった。
だが日本米とは違いタイ米に近い。まぁ米は米だ!
次は生卵だ。
鶏の玉はある。
鶏というかほとんど魔獣だったけど!鶏って火吹いたっけ?
こっちの世界の養鶏は命がけだな!まぁ良い。
生で食うというと頭大丈夫かって顔された。
やっぱり生はやばいかも?
まぁ解毒魔術を使えばなんとか?
あとは醤油である。
これは見つからなかった。魚醤も無いらしい。
悩んだあげく昆布に似た海藻を見つけたのでこれを煮込んでみた。
濃いめにすればまぁ醤油の代用にはなるか
?思ったより美味しかった。いけるか?
昆布出汁は透明だったので野菜を焦がした上で長時間煮込んで作った黒いスープを足して黒くした。
いよいよ卵かけご飯である。
手を合わせていただきます。
かっ込む。
うんちょっと違う。
だが間違いなく卵かけご飯である!懐かしい。
涙があふれてきた。
王女殿下は生の卵を食べる私を見てげって顔をしている。
まぁ君らに無理に勧める気はないから安心してくれたまえ。
「……生……生で食べた……!?」
「ユリナ、あなたそんなに胃が強かったの……」
味噌発見!味噌を見つけた。
味噌があるなら醤油が作れるはずだ。
早速味噌を作っているところを訪れる。
家の名前を出して押し通る。
味噌が作られていた。
この味噌の上澄みを集めて塩を加えて小麦を加えれば醤油が出来る。
たまり醤油ってやつである。
それを説明して実際に作ってもらうことにした。
新しい調味料だと説明して。
王女殿下に出費してもらうようにわたりをつけた。
この醤油を魚や肉につけて食べてもらった。
評判は上々すぐに市場に出回るようになった。
「この味……なに!?」「魚の生臭さが……消えてる!?」「肉が……上品になってる!?」
結局ブラジャーで稼いだ金と王女殿下からの出資でこの味噌の工場から新しく調味料の店を作って運営してもらうことになった。
例の昆布だしも商品に加えてもらった。
また収入源が増えた。
醤油があるといろいろ出来る。
肉じゃが!みりんが無いけど砂糖で代用。
照焼!焼き魚!
刺身はちょっとまだ早かった。生魚は泣いて断られた。ワサビも無いし。
煮物、鍋!料理の革命だった。
調味料会社から子会社として料理屋がどんどん展開されていった。
これでこの世界の料理事情はよくなっていく!
近頃スパイスを集め出した。
色んなスパイスを混ぜたり炒めたりして出来たのがカレースパイスだ。
カレーをスパイスから作る男は敬遠されるというが……
今の私は“女の子”だからね! ノーカンです!!
出来たカレーと小麦粉を固めて焼いたナンと共に出して王女殿下や料理人に食べてもらった。
その色から最初は警戒されたがたっぷりの野菜と肉とスパイスで醸し出される匂いに誘われ食べだした。
評判は上々。
すぐにこれも市場に出るようになった。
スパイスのセットは売り上げの上位を占めるようになった。
カリーとして広まった。
懐かしい味を求めて作っただけだったが結果上々である。
「見た目が……毒々しく……? えっ、香りが凄く食欲そそられて……えっ、美味しい!?
これ、魔法の料理ですの!? いえ、魔術料理ですわ!!」
唐揚げを作ってみた。
すごい勢いで人気になった。
うーん自炊を色々頑張ってた甲斐があるな。
料理は好きだったし。
学生時代に居酒屋でバイトしていた経験がこれほど役に立つとは。
鶏肉は例の火を吹く鶏である。
普通にニワトリと呼ばれているらしい。へぇー。
オスや卵を産まなくなった個体を肉にする。
でも火を吹くのがやっかいである。
で、あまり火を吹かないおとなしい個体同士を掛け合わせていくことを提案した。
品種改良である。
これも個人的に出資することになった。
肉と卵の確保だ。先が楽しみである。
「なんですかこの肉の暴力は……! でも美味しい……もっと……ッ!」
「これが出るなら出動後の疲労度10%削減できます」
「“からあげの日”を制定しませんか?」
この世界ではひき肉は貧乏人の食べ物と言う認識があるらしかった。
余った肉の切れ端の処理方法という認識なのだ。
というわけでハンバーグを作ってみた。
細かく刻んだ玉ねぎの様な野菜を練り込み赤身と脂肪を適度に配合する。
鉄板で一気に焼き上げ醤油と砂糖を使った照り焼きソースで頂く。
これも爆発的に人気が出た。
最初こそひき肉なんて。。。と怪訝な顔をされたが照り焼きソースの魅力には抗えまい。
応用でミートボールなんかも提案した。
ハンバーガーも展開した。
パンがいまいちなんだけどそれは追々と。
気がつけば一大食品チェーンのオーナーだった。
さすがに食品会社の社長をガチでやるのは学生だし無理ってことで王女殿下つてで
優秀で忠実な人材を紹介してもらい任せることにちなみに妙齢のやり手の女性だった。
自分は会長ってことで。
正式に商会ギルドにも登録した。
食品会社がデカく成りすぎてちょっとビビってる。
文明を加速させてしまったろうか?
心配なのはSF何かである「世界の抑止力」が働いて世界から排除される運命になること。
まぁブラジャーや料理でそこまでは行かないだろう。
だが例えば火薬とか蒸気機関や内燃機関、電気にまで手をだすと分からない。
うん気をつけよう。やり過ぎは良くない。
というわけで会社は人に任せてちょっと引き気味にする。
まぁそれでもブラジャーと料理でこの世界に貢献できたのは良かった。
さて次は何をしようか?
下着姿になって鏡の前に立つ。
ああ凄い可愛い。自画自賛。
ポーズをつけたりする。
スマホがあったら自撮りしてたかも?いや下着姿の自撮りはまずいかもし流出したら大変なことになる。
まぁこの世界にはスマホもインターネットもないけどね!
元ITエンジニアの自分には寂しいことだ。
さて胸の成長を確認する。
でかいなこの年齢ですでにCカップあるぞ。
不思議なのはこれだけ柔らかいのに剣を受けても魔獣の爪を受けても傷一つつかないことだ。
どんな仕組みになってるんだ?
女の子として生きて行くとは決心したものの、男との恋愛?無理!
男とキスしたり抱き合ったり?ぜーーーたい無理。
私はホモじゃない!いや女だけど!
パーティーのときイケメンが踊ってくれませんか?と手をとって手の甲にキスをしようとした。
びっくりしてぎゃーーーと大声出して吹っ飛ばしてしまった。
イケメンは手足が逆の方向に曲がっていた。
あの場に高名な治療術師がいなければ危なかった。
そんなこともあって私は男嫌いってことで有名になった。
王女殿下は「カミラ・フェルステリア」という。
王族の中でも特に美しいと評判の王女である。
第一王女殿下で王国の光と希望。
王位継承権3位である。
王位継承権1位が第一王子で上の兄(長男)で王と王妃の正式な嫡男。
王位継承権2位が下の兄(次男)で王と側室の子(王位継承権アリ)
王位継承権3位がカミラ王女殿下で王と王妃の正式な嫡女。
男嫌いで有名になってしまったのとよくカミラ王女殿下と一緒にいるところから、そういう仲では?という噂が出回っているらしい。
不敬だぞ!
全力で否定して回ろうとしたらカミラ王女殿下は恥ずかしそうに顔を赤らめてそれもいいですわねとか言った。
え?マジ?
聞けば王族では特に継承権のないもの同士で稀に同性婚ってのがあるらしい。
へぇー。いやでも王女殿下貴方継承権3位ですよね?ダメダメ。
王族の同性婚の話が面白かったのでもうちょっと聞いてみた。
王族や貴族っては変態が多いらしい。うーん。
いや具体例は言わなくて結構です。わかりました。
そんな変態がまともな婚姻ができるわけもなく趣味の合うもの同士で好きにさせようってことらしい。
同性婚の場合は異性の妾をとって子供を作ったり親類の子供や孤児を養子にしたりとかするそうだ。
それで孤児から大臣になった人もいるらしい。
今の宮廷魔術師のトップも実は変態夫婦に養子に迎えられた戦災孤児だったとか。へぇー。
まぁそれはともかくカミラ王女殿下と同性婚するのは無しだな。
どんな変態がいるのか?
聞きたく無かったが面白がったカミラ王女殿下が喋りまくる。
レズやホモが一番一般的らしい。一般的なんかよ!
エスやエムってのも居る。
ただこっちは時々人命沙汰になることも多く粛清されることもあるとか。
ロリもよく問題になって闇に葬られることがあるとか。
近親が稀にあるそうだ。兄妹とか。。。
まぁ大体はコスプレとか罵声を浴びるのが好きとかそういうのらしい。
あー世界って広いな。
ちなみに危ない趣味に走って犯罪に走った貴族をこっそり粛清する組織とかあるらしい。
怖い怖い。
次は学園での生活だ。