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029-収穫祭と夢魔

収穫祭、

そして悪夢


収穫祭の時期になった。

収穫祭は7日間の間行われる。

祭りといってもとくに特別な事はなくて縁日が開かれ、

あちこちで吟遊詩人が音楽を奏でて踊りや芝居が披露され教会に人々が参拝する、

といった具合だ。

ああ、一応パレードはある。

神を型どった神輿のようなものを台車にのせてひっぱり大通りを巡回する程度だが。

で、今回新たにサタナエル神の神輿も作成された。

過去の文献を探して見つけられた姿絵を参考にした銅像がメインだ。

まぁ似てない(笑)

ふくよかな顔で背も低い。

本人がそれを見て不満そうな顔してる。

豊穣神ってことでふくよかそうに職人がアレンジしたんだろうさきっと。


「てか女神本人が祭りに一般人として参加すんな!」

「女神が教会で自分の神像に向かって手をあわせんな!」

「後光が漏れてるぞ!」


慌てて裏道にひっぱりこんだ。


露店の食べ物をもしゃもしゃとサエル様、ベイル様といっしょになって食ってる。

両方とも町娘っぽい服装にしてもらってる。

カスミ、スイレンを護衛につけて絶対に離れないように言っておいた。

わたしも今回は巫女の仕事とかはない。


サエル様とベイル様がときどき見知らぬ女性や男性と顔を見合わせて停止したり、

軽く手をあげて挨拶みたいのをしたりしていた。


「・・・明らかに知合いの反応ですよね?いつのまにこの街に知合いできたんで?」


「いや、あれらは夏の豊穣神と秋の豊穣神、鍛冶の神に服飾の神、芸術の神、戦死者の魂を天界に運ぶ神だ。」


「ぶ!他の神々も気軽に地上にきてるんかい!最後、ぶっそうな神!」


「収穫祭はお盆みたいな性格ももってるからな」


「へぇ てか、そんな気軽に地上に降りてきてるもんなんですね。」


「ああ、さっき、かなり物騒な邪神も見たぞ」


「うげ!? そ、その物騒な邪神って?」


「うむ、悲しくて悲壮な物語を作って人間の運命に介入して実際にその物語を実演させるってことが好きな邪神でな、

大体は壮大な戦争を巻き起こす物語を作るのでやっかいなヤツなんじゃ、

まぁいまは本体のほうは封印されているのでなにもできんじゃろ。」


「ほっ。 なんとも趣味の悪い邪神だな。」


「いまは細々とライトノベル書いて暮らしておるわハハハ」


「天界にライトノベルって。。。」


「あまり売れてないんだが、唯一少し前にすこーしだけ売れたのが主人公の男が女に転生するって話だったな、

ちょっとエロかったので物議を醸しだしたのでだそれで覚えてる。」


ぶはああああっと飲んでいたブドウジュースを鼻から噴き出した。


「そ、その話って?」


「あああ、男が異世界へ転生して女になり大きな力を手に入れて活躍するって話だったかな、

うはははどっかで聞いたような設定じゃな?」


と私をみて笑う。 。。。


「ま、ま、ま、まさか。。。」


「いや、その話が出たのは数百年前だし、

奴も長く封印されていてそれこそなにもできん。

内容も今のお前の状況とはかなり違うし、ぜんぜん関係ないだろう、偶然だ、あはははは!」


と、


「そうならいいですけどね。まぁそこまでいうなら関係ないだろう。」


「第一、その話の通りだと今頃お主は三人ぐらい子供を産んでるな」


「それは違う!ぜったい関係ない!」


「その邪神の名は『シェイクスピアゾ』という。」


聞いたような名だな。

いかにも悲劇とか好きそうだ。

さっき見たのはその分体のようだと。

ぜひとっつかまえていろいろ聞きたいところだが、

まず捕まらんだろうということ。


「ただまぁ、ヤツは別の名前で演劇の神としても祭られているから単に遊びに来ただけだろう」


と。 うーーん、まぁそういうことならノータッチで。


赤ちゃんを抱いて乳を与えている。

旦那はこの王国の第二王子だ。

にっこり笑う第二王子。

ぶおおおおおおおお!とここで目が覚める!

夢か!あんな話を聞いたせいだ。

悪夢認定!

収穫祭はもうとっくに終わったというのに。


横に2歳の男の子がいる。

私の子供だ。

そして1歳になる女の子を腕に抱えている。

第二王子がいる。

2歳の男の子の父親だ。

イケメン魔術師がいる。

この手の中の女の子の父親だ。

。。。。。

「ぎゃーーーーーーー!」

目が覚めた。

またこの夢か!しかも男と子供が増えてる!

汗をたっぷりかいてる。

朝風呂にでもいくか。。。

メイドに

「姫様!大丈夫ですか、顔色がわるいですよ」

と言われる。


・・・また夢のようだ。

しかも父親と子供が増えてる。

父親はシグレだ。。。

次の子供は男の子。

まぁ自分の男の知合いはすくないからな、

次にくるとしたらこのあたりかと思っていたが。。。


「ないわ!」

と叫んで夢から覚める。

メイドがびっくりして鏡をもってくる。

すごいやつれている。

目にクマもできてる。

さすがにこれは普通じゃないということで城内の治療魔術師とワルキューレ中隊の治療担当魔術師、

ヴァレリカちゃんとリィ先生をメイドが呼んできた。

悪夢を連日見ていることを告白する。

ワルキューレ中隊の治療術師が

「夢魔にやられているのでは?」

と言う。

ヴァレリカちゃんもその可能性がある!と。


ええ?そんないつの間に、そんな心覚えは・・・・

ああ、あれか?

収穫祭の直後に王都周りの村に神殿騎士団といっしょに行ったな。

そこでその村に隣接する森に入ってうっかり沼にはまったんだ。

そのあたりかな?


夢魔っといってもいろんなタイプがいる。

前にダンジョンであった眠り羊も広い意味で夢魔だ。

他にも虫みたいな姿で枕や布団に潜り込んでくるヤツ。

眠り羊やバクのような動物タイプ。

そしてサキュバスのような完全な人型をして意思と戦略をもって接してくるタイプ。

だいたいは夢をみせて生命力や精力を食う。

動物タイプはそのうえで肉のほうも食ってくる。

じゃ私がかかったのはどんなタイプか?

ベッドや部屋の中や服を探ったが虫のようなものはいない。

羊もバクもいない。

沼にはまってから、ということは細菌/粘菌タイプで口などから体内に侵入したか?


とりあえず、まず、解毒魔術をかたっぱしから試す。

だが、夢魔に対応する解毒魔術は無い。

下剤を飲む。

しばらくトイレにこもりっきりになった。

よけいにげっそりしてきた。

ヴァレリカちゃんに服をはぎ取られた。

なにするの!妹よ!・・・体内のスキャンをするのだと。

腸内と脳内に寄生の可能性があると!

まだ下剤でも排出できていないっぽい。

体内から燃やすか?とヴァレリカちゃんが黒い炎を出したがそれはやめて!怖い!

腸であれば一度お腹を切り開いて腸をとりだし、再生魔術で腸を再生すれば?

というとても怖い意見がリィ先生から出たが、脳はそうもいかんだろう、

ということで却下。

てか、おぼえとけよ、リィ先生。


細菌/粘菌タイプであれば知性は期待できないので夢魔と対話は出来ないだろうと。

ヴァレリカちゃんの案でその沼にいって菌を採取してそれを解析して解毒薬を作ることにした。

ということでヴァレリカちゃんとワルキューレ中隊で村に調査に行くことに。

いってらっしゃい。よろしくね。ケホケホ。


ヴァレリカちゃん視点。

姉上の薬を作る為に村へ。

辺鄙な村だ。

そんなに裕福でもなさそう。

ただ結構古い歴史がある村だそうだ。

姉上がはまった沼の位置を教えてもらうと村人に聞く。

なにがあったのか?と聞かれる。

沼にはまって病気になった人がいるので調査に来たっと。

ひょっとして変な夢にうなされる夢か?と

なぜ!?

あの沼にはまってそういう目にあう人が数年に一人はいるということらしい。

で、薬があると!!!

村に昔から伝わる薬らしい。

それを分けてもらった。

お礼に大金貨を10枚ほど渡す。

いそいで帰る!

あ、でも、いちおう沼にいってサンプルは採取しておいたし薬の原料とレシピももらった。


また夢を見るのが嫌なので寝たくなかったが、疲れていたので寝てしまった。

いちおう、すごく深く寝れば夢はみないのでは?

と思い、強烈な睡眠剤をリィ先生に調合してもらい飲んだが

効果はなかったようだ。

ベッドにねていた。

となりにはカミラ殿下だ。

そうだ、カミラ殿下とも結婚したんだ。

うれしそうなカミラ殿下。

近づく唇。。。。

っとそこで目が覚めた。

ううううう頭痛い。

どんな節操ないんだ、夢の中の私は!!

ちょっと自己嫌悪に陥る。


ヴァレリカちゃんが帰ってきた!

なんと既に薬があったらしい!

緑の丸薬だった。

白湯をよういしてもらい飲む。ごっくん。

しばらくして吐きけをもよおして盛大にはく。

水色の液体がどばどば出てくる。

つづいてトイレにいきたくなり籠る。

おなじく水色の便がどかどか出た。

げっそりユリナちゃんだ。

でもなんだかお腹も頭もすっきりした気がする。

ヴァレリカちゃんが再び私を剥いて体内スキャンをする。

大丈夫だそうだ!

やった!

でもだいぶ体力を削られているので栄養をとって十分に休むようにと。


こんどは夢は見なかった。


しかし、私は毒は効かない体質のハズで歩きキノコの胞子も効かなかったのに

あんな粘菌にはやられるんだなぁ

あまり自分の頑丈さを過信するのはよそう。

ヴァレリカちゃんがいうには普通の人ならもっと早い時点で死んでいたはずだと。

で、詳細は城の他の人には話していなかったので私は病気で寝込んでいた、ということになっていた。

姫さまが病気とはめずらしい、と。

あ、ちなみに私はこの城ではご主人様とか、当主さま、子爵さま、姫さま、

などと呼ばれている。

姫さまはこっぱづかしい。

で、全快祝いってことで豪華な食事会が催された。

城の住人全員参加だ。

私の為にすまんねぇ、と思ったが、城の住人が飲み食いする理由が欲しかったっぽいな(笑)

そうか、定期的になんか理由つけて城の住人で飲み食いする機会を設けようか。

メイドたちが全快祝いにと綺麗に刺しゅうされたハンカチとかくれた。

料理人がでっかい鳥の丸焼きを作ってくれた。

なんの鳥だ?えらくでっかいな。

うん、いい住人たちだ。


そもそも、なんで王都の外にある村を訪れていたかと。

王都の外には農地や村が点在する。

それらはその辺を統治する貴族の直轄になっている。

村の住人も戸籍登録されており税金をその貴族にはらっている。

そして貴族からの依頼をうけて騎士団や教会騎士団が見回りをしたり魔獣討伐をしたり盗賊対策をしたり

防波堤などの公共設備の点検をしたり、

教会騎士団が司祭としてなにか行事をしたり法話を聞かせにいったり懺悔を聞いたりとかする。

私が行ったときも教会騎士団が収穫祭の行事の一環として村を訪れていて

そのついでに魔獣の調査を行うってことで私もついていってたのだ。

魔獣はいなかったがちょっと危険な獣がいたのでそのへんを間引いていた。

その過程で沼にはまってしまったのだ。


次は遠征のお仕事


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