023-サキュバスと妹
サキュバスのダンジョンの攻略
そしてヴァレリカちゃんが妹に。
久しぶりの遠征の仕事だ。
今回はワルキューレ中隊のみで行く。
というのも今回の相手はサキュバスなのだ。
西の地の獣人族の国との街道にサキュバスが出没するようになったそうだ。
サキュバスは男を幻惑する匂いを出す。
幻惑された男は色に狂いサキュバスの言いなりになりサキュバスに生気を吸われる。
そしてサキュバスと何出来ない余った男は周りの女性を襲いだすのだ。
だが女にとってはサキュバスの匂いはただの強烈な悪臭と感じるだけである。
男がいると危険ということで女のみのワルキューレ中隊に依頼が来たわけだ。
すでに被害が出ているらしい。
それ、中身おっさんの私、大丈夫だろうかね?
ってことでワルキューレ中隊は西の街道を行進する。
ちなみにサキュバスの匂いにやられた男は解毒魔術で元に戻るらしいが今回は男はいないので心配なし。
そしてサキュバスはコウモリやオオカミの魔獣を配下においていて女には先ずはそいつらをけしかけるらしい。
ということで街道をトコトコと行進していく。
なかなか出てこない。
普通の魔獣ばかりだ。
ユリナ「ひょっとして男がいないと出てこない?」
スイレン「囮の男を連れて来るべきだったかしら?」
カスミ「いやそれはそれで酷いと思う」
てところで目の前で三人の犬型獣人族男がサキュバル10匹に襲われているのを発見!
あああのあの獣人、幸せそうな顔して。
「抜刀!」
接近すると超強烈な匂いが襲って来た。
「うおおめっちゃ臭い。」
まぁ良かった自分はちゃんと女として認識されているようだ。
いやしかし臭い。
ワルキューレ中隊にの何人かは既に咳き込んだり吐いてたりする。
おまけにコウモリやオオカミが襲って来た。
このオオカミらは匂い平気なんかね?ああそうかきっとみなオスなんだな。
ちょっと不味いなってことで風魔術で匂いを吹飛ばすことにする。
「魔術部隊!風魔術展開!」
指示を飛ばす。
先ずはオオカミとコウモリを始末する。
飛べる自分がコウモリを優先的に始末する。
オオカミもそれほど強くはないので順調に数を減らしていく。
あとはサキュバスだ。
サキュバスの集団の中に滑り込む。
幻惑された男獣人族がこっちを襲ってきたらまずいので重力魔術で拘束しておく。
サキュバスは色っぽい顔してエロいボディスーツ姿だった。
胸でけー。網タイツまで履いてるわ。
背中にコウモリの翼まである。
普通の人間の女の顔をしていたが戦闘態勢になるとコウモリそっくりな顔に変身した。
「ああその顔ならやりやすくて助かる。」
人間の顔だとちょっとやりにくいかったから。
ムチをもってるもの、槍をもってるもの、剣をもってるもの、爪を伸ばして襲ってくるものなどがいた。
飛び道具がいないのは助かる。
カスミ、スイレン他数人が追随してきた。
なかなか強くてちょっと手間取った。
飛んだ個体は私が対応。
まぁ大体は鬼包丁でグシャっと潰れた。
最後の個体をスイレンが頭からかち割って終わった。
男獣人族には全員に解毒魔術を施す。
終わりだな。
獣人族の3人は目を覚ました。
解毒もできているようだ。
何でもこれから王都へ手紙を持っていく郵便の仕事の途中だったらしい。
礼を言われた。
私達はまだしばらく探索をするので獣人族だけで王都へ向かって貰う。
サキュバスってのは昔魔族と戦争している時に魔族が作って放った魔物だそうだ。
なんで今頃湧いてきたのか。
近くにサキュバスの巣か集落でもあるのか、それとも近くにダンジョンがあってそこから出てきたのか。
おそらくはダンジョンだろうな。
この辺に未発見のダンジョンがあるのだろう。
だったら放置するとダンジョンから魔獣が溢れてモンスターパニックが起こる可能性がある。
「ちょっと真剣にダンジョンを探す必要があるな。」
ワルキューレ中隊を3つに分けて捜索をさせることにした。
私とヴァレリカちゃんは空から探すことにした。
街道から北の方角に向かった3番目の部隊から合図の火の玉が空に上がった。
そっちへ向かうと小さなマヤのピラミッドみたいなものが森の中にあった。
怪しい。いかにも。
扉は閉まっていたが開けると中からムアっと魔力がふいて来た。
間違いないダンジョンだな。
そんなに古くは無いが新しいというわけでもない。
せいぜい20年ぐらいか?
とにかく一旦王都に帰って報告だ。
扉を厳重に閉めて魔術封印をしていく。
よし帰ろう。
発見したダンジョンは西方妖艶ダンジョンと名付けられあの地域を管理する辺境伯の管理とすることになった。
その辺境伯からの依頼という形でダンジョン探索を行うことになった。
サキュバスが出るかもしれないので男性を連れて行くのは危険だが
ワルキューレの人数だけでは困難が予想されるのでウォーハンマー部隊も行くことにして
ヴァレリカちゃんにサキュバス対策を考えてもらうことにした。
これは後で後悔することになるのだが。
準備を整えてダンジョンへ向かう。
さぁ久しぶりのダンジョン攻略だ。
ダンジョンに入り込む。
ワルキューレ中隊50人にウォーハンマー部隊から30人。
ダンジョンは地上にピラミッドみたいな建造物があるがダンジョン自体は地下に向かっていた。
一応地上部分も調査してみたが特に何もなかった。
封印した扉を開けて地下に向かう。
明かりは天井がほのかに光っており問題はなかった。
明らかに知的な存在が作ったダンジョンだと分かる。
時折休憩場があって水飲み場とトイレまであった。。。
明らかに知的な管理者が居るな。
3階層まで来たところでやっと魔獣が出てきた。
アラクネだ。
下半身が蜘蛛で女性の上半身が上についている。。。。
胸がむき出しだった。隠しなさい!男連中は見るな!
なんて言ったもんだから男連中の何人かが糸に捕まって吊り下げられた。
ごめんね。
あ、でもなんか気持ちよさそう。
糸にそういう毒でも含まれているのか?
ダンジョンの中で火はご法度だがまだ階層も浅いし、しょうがないってことで火の魔術で一斉に糸ごと焼き払う。
次はハーピーだった。コイツラもブラしてねーよ!しかもデカい。
フローズンランスで皆串刺しにした。
ここはそういうコンセプトのダンジョンなのか?
ワルキューレの女の子達が男連中を軽蔑した目で見始めていた。
これは良くないなぁ。
と思ったらえらくイケメンの男が現れた。
コウモリの羽根があって悪魔の尻尾みたいのがあるから魔物だな。
男どもがなんか臭うぞとか言い出した。
ワルキューレの女の子達が真っ赤な顔して武器を落としだした。
私もなんだか甘い花の匂いを感じる。
頭がのぼせてきてお腹がじんじんしてきた。
女の子達がフラフラと魔物の方に向かってる。
不味い!こいつはインキュバスだ!
サキュバスがいるならインキュバスもいるのではと想像するべきだった!
毒の効かないはずの私にも影響が出ているということは呪術的な作用か!
でも他の女の子よりはかかりが浅い。
息を止めて鬼包丁を真直に構えて突っ込む。
かわされた。
空で軌道を無理矢理変えて回転しながら突っ込む。
男連中が鼻を押さえながら後ろに回ってくれた。
囲んだ!脳天からかち割る。片付いた。
危ない危ない。
そこからは普通の魔獣が続いた。
ケルベロス、ミノタウロス、大蛇、巨大な幼虫、途中で服を溶かすスライスにヴァレリカちゃんがやられたぐらいか。
ちょっとした罠もあった。
ミミックに引っ掛かる人が何人も出たにはちょっと呆れたが。
彫刻がいっぱい置いてある。
しかも全部裸婦像だ。
このダンジョンって。。。
通り過ぎようとしたらやっぱり予想通り裸婦像が動き出した。
男連中をベアハッグしてる。コラ嬉しそうな顔するな。
端から順に叩いて壊していく。
動きが遅いので簡単だった。
次は絵画が飾ってある部屋だった。
しかも裸婦の絵ばかり。 ここも予想通り絵画から人が出てきて襲ってきた。
服を着てから出てこい!
切ると絵に具になって潰れた。
なんだろうねこのダンジョン。
中ボスの部屋っぽいところの前まで来た。
うん、この扉の感じおそらく中ボスだね。
さて何が出るやら。
全員部屋に入ったところで扉が自動で閉まった。
これは倒すまで出れないタイプか。
部屋の中央に紫の煙が集まりサキュバスになった。
ここでサキュバスか!
弓矢を持ってる。
強烈な異臭がする。
男どもが一斉に興奮しだした。
このままではワルキューレの女の子達を襲う。不味い。
ヴァレリカちゃん「今じゃ!御主人!我の授けたサキュバス対策を」
えーあれやるの?超恥ずかしんですけど?
あーカエデちゃんが男に捕まれた。やばい。
やるしかないか。
覚悟を決める。
私は装備を全部外してビキニの水着姿になった。
真っ赤なビキニ水着だ。
そしてウッフンとポーズを取りこっちを見ろと叫ぶ。
この水着、ヴァレリカちゃん特製の魅惑の術が施されている。
男連中はこっちを見て真っ赤な顔をして動きが止まった。
正気に戻ったようだった。
こっちも真っ赤な顔してる。
恥ずかしすぎる。
これがヴァレリカちゃんが考えたサキュバス対策だった。
サキュバスよりも魅力的なものが洗脳を上書きすれば良いっと。
ヴァレリカちゃんに相談したのが間違いだった。
「さぁ男共よあの悪鬼を倒すが良い!」
あらかじめ決めていたセリフを言う。
男共はオー!我らが姫の為に!
と叫んでサキュバスに突っ込んでいく。
ワルキューレと共にサキュバスを部屋の隅に追い立てて弓をへし折り袋だたきにしている。
援護の巨大なコウモリやらオオカミが出たがそれは水着姿の私が潰していく。
終わった。。。
部屋の奥の扉が開いていく。
コラ男共、いつまでも私を観てるんじゃないよ金取るよ!
途中でやっと気がついた。
これは迷路になっているな。
壁天井床が全て同じ模様になっていて通路が微妙に湾曲している。
迷わせる構造になっているのだ。
マッピングと目印の設置を指示する。
アスラの魔獣レーダを頼りに進んでいく。
例によって私が先導して罠を踏み抜く。
天井が落ちてくる。まぁ平気。
床に穴が空いて落ちる。宙にウケるから平気。
壁が迫ってきて挟まれる。私だから平気。
前方から巨大な球が転がって来る。拳で粉砕。
後ろに下がってくれませんかという苦情が出た。
いい加減疲れたねカスミちゃん、というとえーそうですねそうですねと2回の返事があった。
返事は10回!とジョークを飛ばしながら振り返るとカスミちゃんが2人いた。
は?いつの間に双子に?
これは魔物の仕業か!
シェイプシフターか!
見れば私の偽物もヴァレリカちゃんの偽物もいた。他にも何人か。
大雑把だな普通はこっそり一人だけさらって入れ替わるものだろうに。
混乱が目的か?
自分の偽物に思いっきりパンチを食らわせた。
相手もパンチを繰り出してきてクロスカウンターになったが私の力が遥かに強かったので偽物は爆散した。
ヴァレリカちゃんは自分の偽物に爆食地獄を発動した。
服がはじけて皮膚がはじける。
そしてイタチのような姿になってさらに骨だけになって消えた。
あれがシェイプシフターの正体か。
ヴァレリカちゃんの古代魔術にビビったのか他の偽物に獣の耳と尻尾が生えた。
尻尾の生えた偽物を順にみんなで倒していった。
戦闘力はたいしてなかったようだ。
シェイプシフターはどうやら囮だったようだ。
囲まれているしかもすごく大量に隙間もないほどに。
大量のトレントと蔦のようなテンタクルスだ。
トレントは枝を絡ませて拘束して重量でおし潰してくる。
テンタクルスは同じく蔦で拘束してきて毒の棘を持っている。
それらが通路いっぱいに隙間がないほどにおくまでいっぱい埋め尽くしている。
これはヤバいか?
トレントを前から順に切り刻んでいく。
でも後ろから次々と迫ってくるし切ったトレントの死骸で通路が埋め尽くされて動きが制限されていく。
動ける場所がどんどん狭くなっていく。
ヴァレリカちゃんや魔術部隊も頑張ってるが突破口がない。
ヴァレリカ「えーい面倒じゃ皆我の結界内に入れ死にたくなければ!」
「ほれそこのおなご、尻が結界からはみ出とるぞもっとよれい!」
皆ヴァレリカちゃんに抱きつくようにして集まった。
自分もヴァレリカちゃんに抱きつく。
「これを媒体にするか。」
と言って指輪を外す。
詠唱を開始する。
長い詠唱だった。
早く!
指輪がボロって崩れた。
瞬間に強烈な光と爆風が発生した。
トレントとテンタクルスが一斉に炭になって崩れた。
もう動くものは何もない。自分たち以外は。
何をしたと聞いたら
「古代魔術『死の侯爵』じゃ原子核から取り出した粒子にエネルギーを与え放つ術じゃこの粒子は物質は
すり抜けるが生物のみは消し炭になるというとてもエコでクリーンな魔術だ。すごかろうアハハハ!」
中性子爆弾かよ!
なんともおっそろしい。
ヴァレリカちゃんの極大魔術を見慣れていない人等がガタガタ震えてる。
大丈夫噛まないから、いやこの子噛みつくか吸血で。
まぁこの子が吸血鬼だって知らないひと多いから黙っておく。
ご褒美に乾燥血液とチーズケーキをあげておく。
乾燥血液はみんなが見てないところで飲むように。
ちなみに乾燥血液は水に溶かして飲む。
木が焦げた匂いでいっぱいなので風魔術で換気するように指示する。
炭の粉が舞ってる。
火は今は使わないように粉塵爆発が怖いから。
金属鎧で火花など出さないように厳命して移動の準備をさせる。
マッピングした地図を見ておそらく休憩場があると思われる場所まで移動することにする。
延々とトレントの焼き焦げたものが続いていた。
休憩場についた。
休憩の指示を出す。
念の為に換気をしてからあちこちで焚き火の火がつく。
トイレも水飲み場もあった。
風呂場っぽい設備もあったらしい。
なんだ!このダンジョンは!
女性陣が風呂に入っている間は男共は部屋の隅に固めて土魔術で作った壁の中に閉じ込めておいた。
男共が風呂に入っている間は風呂場の周りを厳重に囲っておいた。
休憩場の次の部屋に出た。
お店だった。
は?
台が並んでいてその上に商品が並んでいる。
奥には支払い場らしきものがある。
支払い場には細い人形が立ってるが動く気配はない。
商品は、、、 錆びた短剣やらボロボロな鎧兜や折れた槍とか折れた弓矢とかボロボロの服とか
いつのものかわからない変色した乾燥肉とか
そんなのばかりだった。
あ、新品なのもあった。女性用下着だ。
。。。
。。
まともなものもあった。
女性の姿の小さな銅像、というかこれはフィギュアだなどう見ても。
あと裸婦絵ばかりの本。
意味がわからない。
支払い場の人形の所に行く。
特に動かない。
悩むのもアホらしいので無視して通り過ぎることにした。
ゲートのようなところを通り過ぎようとしたところでピーーとけたたましい音がなった。
見るとヴァレリカちゃんが手にフィギュアを持っていた。
急に支払い場の人形の目が光って飛び跳ねて私らの前に飛んできた。
そしてしゃべった。
「お客様万引きですね!」
ヴァレリカちゃんはテヘって顔してる。
「お客様、未精算でゲートをくぐられるのはこまりますね。万引きと見なします。」
「万引きは犯罪です。警察を呼びますね」
「警察を呼ばないでくれ?あまったれたことをいうんじゃねーよ」
「うむ、おじょうちゃんいい体してるね、だまっていてほしければうふふふ」
あ、ダメなやつだ。
「その血肉で払ってもらおうか!」
手足から刃物が飛び出して襲ってきた。想像とちがった。
すこし安心。
鬼包丁でぶったたいて壊した。
もういいや、さっさと行こう。
洋風の館の中のようだった。
立札がたっていた。
「ここではきものをぬいでください」
どっかでみたような文言だな。
無視して奥に進む。
部屋に入る。
また立札だ。
「これを体中に塗ってください」
バターと小麦粉だった。
なんか先の展開読めたな。
無視して奥に進む。
また立札だ。
「お風呂に飛び込んでください」
油が煮えたぎった鍋だった。
鍋を蹴飛ばしてひっくり返す。
すると先のほうにタヌキみたいな二足歩行の魔獣が現れた。
三匹だ。
「兄貴、ほらーやっぱりばれた」
「やりかたが雑なんだよ兄貴は」
「う、うるさい、うまくいったことがあったんだよ、昔は」
「何百年ぐらい前の話だよ」
なんか漫才やってる。
「しょうがないこっちのが早いか」
って三匹とも両手に出刃包丁を持ち出した。
向かってきた。
あ、ちょっとこいつら剣技が上手い。
ちょっと強いかも。
かなり素早くて連携もうまい。
ちょっと楽しい。
もっと戦ってみたかったが先に行かないといけないので
重力で地面に縫い付けてトドめを刺した。
タヌキ鍋、と一瞬思ったが、しゃべったからな、食うのはやめとこう。
カンガルーだ。
手にボクシンググローブをはめている。
いつの間にかボクシングのリングの上に立っていた、しかも私もグローブをはめている。
他のみんなは?リングの周りの観客席に座っている。
カスミとスイレンがコーナーにいる。
カスミが手にタオルを持っている。
みんな頭の上にハテナマークを浮かべている。
いつのまに?なんで?どして?って顔だ。
たぶん私もそんな顔しているはずだ。
カーンと音がなった。
カンガルーが迫ってくる。
ジャブジャブストレートフックアッパー
こっちはわけも分からないがブロックしたりスウェーして避ける。
こっちもボクシングで対応する。
カーンと音がしてカンガルーはコーナーに戻っていく。
こっちも体が強制的にコーナーに戻される。
どうなってるの?とカスミちゃんに聞くが、さぁ気が付いたらこうなってました。
と 私と同じか。
またカーンと音がなる。
カンガルーが迫ってくる。
まぁこうなったら付き合いましょう。
ボクシングだけに、なんちゃって。
ジャブで牽制してストレート、からと見せかけてリバーブロー入った。
なんだかんだで4ラウンド目
なんとかダウンを奪った。
7,8,9!カンガルーは立った。
もう一押し!
なんとカンガルーは尻尾と足の蹴りをいれてきた。
ちょっとそれあり?
ありなんですか、そうですか、
いつの間にかキックボクシングになってた。
それでも頭部への打ち下ろしの一発でKO!
終わった。
いつの間にか普通のダンジョンに戻っていた。
カンガルーの死体が目の前にころがっていた。
なんだったんだ。今のは。
リングの横にいた。
またこのパターンか!
でも私はリングの中にはいない、観客席っぽい。
リングの中は?
スイレンがいた。
ワンピースの水着にブーツ、肘当て、膝当て。 女子プロレスの恰好だ。
私の右手にはコーラ、左手にはポップコーンがあった。
なんじゃこりゃ。
相手は、、、やっぱり女性で女子プロレスのコスチュームをしていた。
でもあれって。。。よく見ればサキュバスの人間の顔のときじゃないか。
サキュバスの匂いは発していないようだ。
ゴングがなった。
相変わらずみんなも観客席で頭にハテナマークを浮かべているが
スイレンはさっきのので慣れたのか落ち着いている。
サキュバスとの殴り合いから始まって手のひらを合わせて力比べ。
力はスイレンに分がありそうだ。
そのままサキュバスをロープに飛ばす。
戻ってきたところをラリアット、としようとしたらサキュバスがドロップキックしてきた。
まともに食らった!
それから殴ったりキックしたりホールドしたりが続いた。
一進一退というところか。
スイレンがロープの反動を利用してジャンプ!
そのまま両ひざでサキュバスの頭をロックして重みでそのまま倒れこむ。
頭を足でロックしたままキャンバスの上をローリングして
サキュバスの背中をキャンバスにつけてホールド!
レフリーらしいインキュバスが1,2,3!
カンカンカンカン!
スイレンのかちー!
リングが消えてサキュバスの死体が残っていた。
なぜかコーラとポップコーンは残ったままだった。
突然洋風の部屋の中に居た。
またこのパターンか!こんどはなんだ?
暖炉のある洋風のリビングだ。広い。
足元を見ると死体が一つ転がっていた。
胸に刺されたような傷があり恐怖でこわばった顔をしていた。
若い女性だ。
床に血が流れている。
自分の隊のメンバーではない。
というか、どう見ても人形だな。
動く気配はない。
隊のメンバーは周りにいる。
今回もなんだこれはと騒めいているがいい加減みんなも慣れてきたようだ。
混乱している様子はない。
カスミもスイレンもヴァレリカちゃんも近くにいる。
死体のそばに男がいた。
てか、インキュバスだな。
和風の服をきて髪がぼさぼさだ。
インキュらしくもない。
魅惑の匂いはだしていない。
インキュバスは死体(人形)の様子を見てやがて立ち上がってこっちを見渡した。
「みなさん、こんにちわ、私は私立探偵のキンダー・イッチーと申します」
「今回はこの密室殺人事件の解決の為にきました」
膝から崩れた。
「さてまずは皆さんの名前とアリバイと犠牲者との関係を順に話してもらいます」
かってに話を進めていってる。
まずはあなたから!
自分が指さされた。
「えーとユリナと言います。王国の戦姫をやらせていただいてます。ついさっきまでダンジョンを歩いていて気が付いたらここにいました。
被害者は全然見覚えがありません。
てか、これ、人形ですよね?」
「そうですかありがとうございます。では、次の方」
人形の件は無視かよ!!
スイレン、カスミ、などなど次々と答えていく。
内容は私と一緒だ。
てかなんだこれは。
ちょっと考えて思いだした。
これはきっと劇場型呪術発生の術式だ。
カミラ殿下の護衛をするってことで呪いの専門家から呪いについて一通りレクチャーを受けたのだ。
その中にあった。
対象に決まった行動をさせ決まったセリフを言わせることで呪いを発動させるのだ。
そして殺された人の生命力と魔力と恨みの念を回収して呪いのエネルギーに変換する。
私らを全員レイスにするつもりだ。
いわば行動とセリフが呪いの詠唱みたいなものだ。
まずい、しかもこれは複数人対象の大規模じゃないか?
たしか対処方法は、、、術者に先立って術者の想定外の行動をする。
そうだそうだった。
よし、と声を出そうとしたら声が出ない。
行動を制限する術式も組まれているのか。
あーこれはまずい。呪いが進んでいく。
インキュバスが
「わかりましたこの事件の真相が、真実は一つ!犯人はこの中にいる!」
「犯人は・・・・・」
ヴァレリカちゃんがとことこと私のソバにきてスカートの端を引っ張って
のう、みなどうしたんじゃ?
と聞いてきた。
ヴァレリカちゃんには行動制限の術が効いてない?!
ヴァレリカちゃんが動いたことにインキュバスが動揺したのか
すこし動くようになった。
ナイス!ヴァレリカちゃん!
手をあげてインキュバスを指さし
「犯人はお前だ!」
と叫んだ。
突然部屋は消えてインキュバスが先ほどの人形と同じ姿勢で死んで転がっていた。
ふう、あぶないところだった。
しかし、ヴァレリカちゃんには本当に助けられているな。
もう日光浴の刑とかしないでおこう。
歩く核弾頭なんて呼び方もやめよう。
かえったら王様にヴァレリカちゃんにちゃんとした褒美と地位を与えてもらうようにお願いしよう。
私の膝の上でクッキーを食べて私のスカートの上にクッキーのカスをぼろぼろ落しているのはまぁおお目に見よう。
部屋に入るとそこはステージだった。
今回は突然意味の分からない空間に転送された気配はない。
現実だ。
スポットライトが奥のステージにあたる。
サキュバスとインキュバスがギターを抱えているベースもいる。
ドラムもキーボードも。
誘惑の匂いはでていない。
ボーカルらしいサキュバスが「私たちの歌を聞いてください!」と言って歌いだした。
なんだ?呪いの歌か?
うーん、そうでもないっぽい。
とくに体にも精神にも影響はない。
前世のJ-POPっぽい曲だ。
なんとなく聞いてみた。
まぁまぁいい感じじゃない?
アニソンっぽくて私好みだ。
10曲ほど演奏したところで
「ありがとー!愛してるよーー!」
と言って消えていった。
なに?ほんとうに歌を歌っただけ?
攻撃なし?
歌っただけっぽい。
ボス部屋っぽい。
ここまで長かった。
あのステージからいろんなところに出た。
フードコートっぽいところ、
プール、サッカー場、
サキュバスの更衣室、インキュバスのジム、
サキュバスがエアロビしているところ。
頭の痛くなるところばかりだった。
だがとうとうボス部屋だ。
まともなところであることを祈ろう。
ボス部屋の中は、執務室だった。
真ん中の机といすに誰か座ってる。
なにやら書き物をしているっぽい。
こっちに気が付いたようだ。
立ち上がってこっちに歩いてくる。
というか宙に浮かんでるな。足がない。
ローブとフードで体を隠している。
顔が見えた。髑髏だ。目の部分に赤い点が輝いている。
杖をもっている。
リッチだ。
「よう来たな、こんなところまで」
「わしの名はリッチ・ロマニー・ヴァルマリオン」
ヴァルマリオン?その名はかつて王都でクーデタを計画しておとりつぶしになった家じゃないか?
私の家の城の前の持ち主。
そう、われはヴァルマリオン家の最後の生き残りだった。
クーデタ未遂でおとりつぶしになったときはまだ幼かった自分は教会に預けられ 人知れず育った。
そこで趣味の魔術の研究が沼って、いや興じて
ビカム・アンデッドの魔術で自らリッチとなったのだ。
ああ王に恨みなどないぞ。
ただ自分の好きな研究をしたいだけだ。
それでここにダンジョンを築いた。
ちょっと管理が行き届かなくて地上に出てしまったようだがね。
迷惑かけた?それはすまんね。
サキュバス達を繁殖・飼育して召使として使っておってな。
ほれ、
メイド服きたサキュバスが私とカスミ、スイレン、ヴァレリカちゃんにお茶をいれてくれた。
「なんでわざわざサキュバスを?」
「わしの趣味じゃ!」
「あーそうですか。
でも野に放つと危険な魔物ですので気を付けていただきたいのですがね。」
「うむ、それは迷惑をかけた」
今後は外にださないように管理してくれることになった。
で、ダンジョンってことで冒険者を受け入れてくれるそうだ。
もちろん命の補償はないが。
だが宝箱やドロップアイテムを用意してやろうと。
増えすぎた魔獣を間引いてくれるのなら安いもんだと。
なんか道徳の線引きが微妙だな。
まぁ自己責任ってことで。
帰るならこっちじゃ、とエレベータのようなところに案内された。
乗ると数秒で地上のピラミッドの上の部屋に出た。
なんか魔術や魔物のことで聞きたいことがあれば相談に乗るぞ、
という言葉を残して。
うーーーん、帰ろう。
王様に報告に行った。
リッチがいたこと。
そのリッチがクーデタを企てた王族の生き残りであることは関係者のみで秘匿することを決定。
ダンジョンは辺境伯の管理になり冒険者に開放することになった。
で、ヴァレリカちゃんに褒美をってことで
ヴァレリカちゃんに魔石やらなんやら与えたうえで
男爵相当の階級を与えることになった。
男爵ではないが男爵相当ってことで。
領地はないが
王国からの給料や特権が与えられる。
これもヴァレリカちゃんの子孫には引き継げない。
シュバリエみたいなもの。
それと共和国との戦争のときの褒美としていくつか勲章ももらえ、準戦姫として認めらることに。
「鮮血の古代戦姫」の称号を得た。
また正式に大学での教授の役職を得た。
本人曰く、面倒じゃのう、だそうだ。
王の提案でヴァレリカちゃんを私の家に養子に迎えることになった。
つまり正式に私の妹になるのだ。
実際には550歳で私よりはるかに年上だけどね!
名前の変更は無し。
家督は継げない。
だが私の実家が全力でサポートすることになる。
母上、父上とも挨拶をした。
ふつつかものですがよろしく、と。
二人とも歓迎してくれた。
既に母上とは毒談義で盛り上がっている、
うん、なんか混ぜるな危険を地でいく組み合わせだ。
大丈夫かな。
ヴァレリカちゃんが私を呼ぶときの呼び方が「ご主人」から「姉上」になった。
うん、なんかこそばゆい。 妹、いいな、これ。
ヴァレリカちゃんの古代文字の講義を覗いてみた。
ちゃんと先生してた。
生徒の名前もちゃんと覚えていて親身になって教えている。
すげー
古代魔術はヴァレリカちゃんが生まれる前に既に滅んでいた。
だがヴァレリカちゃんが古代遺跡を単独で制覇し古代文字を解析して甦らせたのだ。
古代魔術はまず古代文字の理解が必要になる。
それに加えて古代神への理解も必要だ。
古代神はすごく数が多い、それらをすべて把握しなければならない。
それぞれの神の名前、階級、好きなもの嫌いなもの、どんな性格でどんか役割があるのか
どの神とどの神が仲がいいのかわるいのか。
それを理解することで色々な魔術にアクセスできるようになる。
そうすれば直接契約していない神でもその上の階級の神からアクセスすることでその神の力を使うこともできる。
すべて遺跡を解析することでそれを可能にしてきた。
すごいなヴァレリカちゃん。
まぁある程度は交渉した神から教えてもらうことで省力化したらしいが。
古代神は戦争に関与していた神が多いので多くはいわゆる破壊神や邪神にカテゴライズされる神が多い。
ヴァレリカちゃんの古代魔術がえぐいのが多いのはそのせいかな。
また古代神も実は名前を変えて現代の神になっているものも実は多い。
現代の四大精霊も実は古代神の6柱だったらしい。
4と6で数が合わない?光と闇が分裂して4つに吸収されたという解釈らしい。
でも古代魔術は光と闇の神にもアクセスする。
サキュバスも昔は豊穣の神の眷属だったという説もあるのだ。
古代神ベルゼブブとの戦いへ。




