016-南と共和国の戦姫
南の地への遠征
そして共和国の戦姫との遭遇
しばらく校内で私は「ピンクの縞々模様」と呼ばれるようになってた。
なんて恥ずかしいんだ。
“ピンクの縞々模様”の異名はもう定着してしまったようで、
遠征部隊が空を行くたびに、見上げた村人が言う。
「あ、また空に……縞々が……飛んでる……!」
「あれが噂の“空の戦乙女”らしいよ。伝説らしいぞ。」
「おしり丸見えだったやつ……?」
「シーッ、それは言うなッ!」
それはともかく飛んだことの話が騎士団や王様のところにも届いて説明することに。
で、次の遠征にちょうどいい、と。
はぁ 次というと、南ですか?ということは鳳凰?
鳳凰はいるにはいるが討伐対象ではないと。
こちらも一体しか確認されていない上にひと様にとくに迷惑はかけてないとか。
むしろ逸った冒険者が挑んで返り討ちになってるんだとか。
まぁそれは自業自得でほうおっておくと。
で、空を飛ぶ魔獣がいくつかいてそれが対象なんだとか。
さて、南への遠征である。
今回は空を飛ぶ魔獣相手ということでそれなりに準備をする。
魔術部隊が主体になるのは当然。
弓矢、ボーガンもあるが飛距離がちょっと心配。
でも地上にいる相手に近寄って撃つ分には効果絶大。
で、ユリナちゃんは飛んで対処することが期待されているが
実はユリナちゃんの魔力総量は並みよりちょっと上程度。
ましてや重力操作しながらの他の魔術の使用はちょっと大変。
銃があればなぁと思う。
で、思いついたのが、鉄の玉、大きいベアリングのような球を大量に持つ。
それを指で怪力にものを言わせてはじいて飛ばす。
試してみると鎧兜がバラバラに吹っ飛んだ。
こえーー でもこれは使える!
コントロールがちょっと難しいが練習すればなんとか。
一応小型のボーガンも持つ。
あと投げナイフや手裏剣みたいのも用意した。
かぎ爪つきのワイヤーフックも。
これもなんかに使えるだろう。
飛行魔獣ならあまり硬いのはいないだろうし。
あまりたくさん持つと浮かびあがれなくなるのでそこそこに。
場合によっては鬼包丁を置いて飛ばないといけないかも。
とにかく飛行訓練を念入りに行う。
あ、ちゃんとスパッツは履いたよ。
今回は焼き鳥が食えるかな?と焼き鳥用のたれを大量に作った。
なにしてんだ私は。
どうでもいいが、私の服飾会社で縞々パンツがすごく売れているらしい生産が追い付かないとか。
なんでだよ!
カミラ殿下がお揃いです!見せにきた。
だからそういうのは止めなさい!
南にきた!
暑い。
でも湿気はそれほどない。
東寄りはジャングルになっていて西寄りは荒野だ。
今回は中央を目指す。
水資源も豊富で農作物の恵みも多い。
王国を支える一大農地でもある。
奥へ行くと高い山も多くなる。
このあたりが今回の遠征地だ。
実はこの南の地、ちょっときな臭い。
隣国と接していて、隣国はこの地を狙っている、らしい、という話がある。
実際、国境付近でときどきもめ事があるそうだ。
くれぐれもそっちを刺激しないようにというお達しもでている。
ラズセイル連邦共和国
こちらは帝国制を引いていたが、
数年前、労働者階級によるクーデタが発生して皇帝はお飾り状態になって議会制度が引かれている。
国が産業と国民資産を管理する体制になっている。
旧名はラズセイル帝国
現在は革命・議会主導→現代性と政治思想を示唆
国有化・中央集権的な管理国家→組織化された産業国家の気配
王国の人々から見た場合、どこか“無機質で不穏”に感じる存在
この国は王国と古くから交易があり一応は友好関係にある。
しかし近年、王国の南部国境付近で小競り合いが起きているらしい。
隣国の軍隊が国境を越えて王国領内に侵入し
農地を荒らしたり住民を脅かしたりしているとか。
王国軍が出動して追い返すのだが、また侵入してくるらしい。
この国の軍隊は近代的な装備を持っていて
王国軍は中世的な装備なので苦戦しているとか。
今回の遠征はこの国境付近も通るので
くれぐれも刺激しないようにとのお達しがある。
飛ぶ魔獣だけではない。
一応普通の魔獣もいる。
というか数や種類からいうとそっちのほうが多いし遭遇率もそっちのが多い。
だからそっちの方も対応して倒していく。
蛇などの爬虫類型、昆虫型、サソリ、でっかいミミズ、でっかいオケラ、カモノハシ、ナマケモノ、大アリクイ、ゴリラ、象、カバ、カンガルー、コアラ、パンダなどなど
でっかいコアラやパンダが襲ってきたのにはビビった。
前世とちがいすぎるわ。
倒すのにちょっと心が痛んだ。
スイレン「や、やっぱりパンダって…食肉目ですもんね…(涙目で剣構える)」
カスミ「だ、だめ…“もふっ”た後の後悔が深すぎる……!」
ニワトリとヘビが混じったような魔獣、あれはコカトリスだ!
まずい、こっちから剣とか槍をあてると石化される。
魔術や弓矢で応戦!
あーーコカトリスにつつかれて石化した人がでたーワルキューレの女の子だ。
魔術で焼いて撃破。
石化された子は解毒魔術で、え?だめ?
そういえばリィ先生からもらった石化解除の薬があったんだなんで忘れてた。
薬をかける。
ピシっと表面の石がわれてなかからワルキューレが出てくる。
あれま、服とか装備が石となって全部はがれた。
あーみんな見るな!みないであげて!
「ううっ…恥ずかしいですぅ…(真っ赤になっている)」
「でも無事でよかった…(ホッとする)」
「誰かタオル!誰かタオル持ってきてーッ!」
ライオンの体に鷲の羽、グリフォンか!
やっと飛行型魔獣がでた。
飛ばずに普通にかかってきたのはスイレンたちが対応。
飛んでるのは魔術部隊が対応。
片付いた。え、私、要らなくない?
体の前が鷲、後ろが馬、ヒッポグリフか、グリフォンがでるなら出るかと思ったがやっぱり出た。
カスミに飛びますか?と聞かれた。
気を使われた!ごめんよー
飛ぶ、鬼包丁を抱えて突っ込んだ。突き刺す。
ちょっと数が多い。
鉄球指弾を試してみる。
バラバラに吹っ飛んだ。
血の霧になった。えぐい。
飛べてよかった。
谷にはいっていく。
ここらにワイバーンが出ると聞いたからだ。
ワイバーンは大型のと小型のがいて小型のは群れる。
今回は大型のが目標。
崖になっているところでワイバーンが休んでいるところを発見!
スイレンが槍を投げる。
あ、残念、ちょっとかすっただけ。
ワイバーンが怒って向かってきた。
カスミがスイレンを責める。
私はイヤリングに魔力を込めて飛ぶ。
神風特攻隊してどてっぱらに突っ込む。
かぎ爪ワイヤーをひっかけてぐるっと絡める。
落ちた。みんなで袋にする。
討伐完了!
大量のペンギンが飛んできた。
ユリナ「え?ちょっと、なんでペンギンが飛んでるの?」
カスミ「え、ペンギンなんだから飛ぶでしょう、そりゃ」
えーそうなんだ、この世界のペンギンは飛ぶんだ、へぇー
このペンギン、実は魔術を無効にする光線を出すらしい。
やばい、飛んでるところをやられたら落ちる!
案の定落ちた。
しょぼん。
魔術と弓矢と鉄球指弾で応戦する。
めちゃくちゃ数が多くて大変だった、なんとか討伐。
魚が飛んでいた。
おーあれがトビウオってやつか。。。。帰っていい?もう。
なんか大量に空を魚が飛んでいる。
別に襲ってこない。
魔獣ではないらしい。
この季節によくみられる渡り魚、だそうだ。 うーーん。うーーん。
空飛ぶ魚をぽけーーと眺めていると、突然魚の動きがあわただしくなった。
なんだ、まるで逃げてるような?アスラレーダを見る。
とてつもなくでかいものが迫ってる。
クジラだ!この世界ではクジラまで飛ぶのか!
すっごいでかい。
しかも白鯨だ!美しいとか思ってしまった。
クジラは魚を追いかけてる。
あんぐり口をあけて魚を食った!
クジラは自分たち騎士団に気が付いた。
赤い目がギロっと動いた。
ニタって笑ったきがした。
口をあんぐりあけてこっちに迫ってきた。
私らを食うつもりだ!
散開!逃げろ!
魔術で白い蒸気をあげて目くらましにする。
巨大な体を地面にたたきつけてきた。
みな吹っ飛ばされる。
阿鼻叫喚だ。
まずいまずいまずい!
飛ぶ!クジラに鼻っ面にパンチ!キック!
鬼包丁で頭に切りかかる。
つるっと滑った。効かない!
やばいやばいやばい。
どうする!自分はなんとかなってもみんなが危ない。
自分に引き寄せないと。
すっごいピンチだ。
このクジラ、資料にあった。
種族名:ネガヴァータ
個体名:ゼル=イラニア
異名:白い夢/虚空に笑うもの
この白鯨に食われたものはその場に居なかったことされてしまう。
死んだことを周りに認識されなくなるのだ。
後で、そういえばあいつ最近見ないな?どうしたんだ?、さぁ故郷にで帰ったんじゃたね?、と。
後で紙に書かれた記録や微妙な違和感と物的証拠で白鯨に食われたんだろう、と分かる次第である。
魔族の残した生体兵器とも大魔導を極めた魔女の遺物とも次元の裂け目を通って異世界から来たとも言われている。
遠征前に説明を受けていた。
鳳凰以上に会いたく無かった。
普段はもっと高い成層圏近くを回遊してるって話しだったが。
飛んでいると踏ん張りが効かないので怪力があまり活かせない。
「ゼル=イラニアよ!我はユリナ、首取り姫ユリナなり。お前を喰らうものなり!」
あ、ちょっと興味を持ってくれたようだ。
口を開けて迫ってきた。
さ~と跳びはねる。
インメルマンターン!
今持っている魔道具で魔力増加に使えるものはすべて起動する。
自己暗示術式「己こそ最強 己こそ最速 我こそは悪鬼羅刹 鈍邪鬼なり!」
心拍数上昇 体温上昇 脳内物質放出。
アスラ ハイパーモード。
弾丸にようにして白鯨にぶち当たる。
お、ちょっと痛がってる!
何処か刃の突き立てられるところは。。
唇の端に接岸。
唇の端に鬼包丁を引っ掛けて引力操作でクジラを地面にしてそのまま鬼包丁を引きずりながら目の方向へ走る。
口は弱かったのか切れてる!よしよし。
ちょっと叩いたり切っただけでは倒せないな。
やっぱり極大魔術だ。
大火力が必要だな。
地上の部隊から手信号を送って来た。
イ・カ・ヅ・チ。 オーケー。任せた!
みると騎士団の魔術師筆頭の男が詠唱を始めている。
あいつは確か全ての魔術を黄金級以上で使え魔力総量も常人の数十倍という大魔道士級の男。
名前:セラフィード・カイル
異名:雷光の王印
性格:無口でミステリアス(でも仲間に茶菓子くれる)
なんでこんな騎士団について来てるのかさっぱりわからん。
あ、今改めて見てみると割とイケメン。
イケメンはやっぱり全てを持っていくのか?!
詠唱終了の合図が来る。
私はクジラから離れる。
いつの間にか空に雷雲が立ち込め雨と嵐。
風も強く。
そして空が落ちた。
ドガーーーンと音が響き雷が落ちた。
白鯨に。
王級魔術ライトニング ノヴァ。
白鯨がしんげきする。
地上に落ちてヒクヒクしてブスブスと肉が焼ける匂いがする。
やったか?
地面に叩きつけられ、全身から白煙と黒い焼痕が立ち昇る……!
カスミ「で、隊長……本当にあれって生き物なんですかね……!?」
スイレン「やった!……やったの!?……やったよね!?!?」
イケメン魔術師はトドメとばかりに極大魔術を連続して撃ってくる。
フラッシュファイアー! フラッシュファイアー! フラッシュファイアー!
うあ、えぐい。
いいぞもっとやれ。
イケメン魔術師は私の近くに寄ってきてお疲れ様ですと声をかけてきた。
「いやー久しぶりにでかいのをかましました。
こっちは反捕鯨派とか居ませんよね確か」
ですねーー。
ん?
かまかけてみる
「ハリハリ鍋とかいいですね」
「ああいいですね、でも水菜ってあったかな」
ぶ!
なんだこのイケメン魔術師「セラフィード・カイル」
ハリハリ鍋とか言ったな?もしや私と同じ転生者か?
魔力が尽きかけてフラっとした。
セラフィードがオットと言って背中を支えて手をとってくれた。
歯がキラっと光った気がした。
ぎゃーーー、あ?ありがとうございましたと言って離れる。
危ないもうすぐで全力でぶっ飛ばしてしまうところだった。
ん? クジラが光ったァァァ!
なんかキラキラしてる!復活してる!私らのほうを恨めしそうに睨んでお空に昇っていった。
途中でこっちに振り返って口をモゴモゴして何かぺっと吐いて落として来た。
うわばっちい!
見るとダチョウの卵位の大きさの魔石だった。
クジラはどのまま成層圏の彼方に消えていった。
カスミ:「あれ……隊長、白鯨から認められたってこと……?つまり……仲間入り!?」
スイレン:「違います違います絶対違います食べられそうだっただけです!」
ユリナ:「はあ……はあ……まさかあんな化け物が空を飛んでいるなんて……。でも、みんな無事でよかった……。」
被害状況確認!負傷者治療!散らばった装備回収!逃げた馬追いかけて!
紙に書かれた名簿と照らし合わせて点呼確認する。
よし誰も忘れられていない消えていない。
大怪我している人がいるので落ち着いたら本国へ送還。
って指示を大隊長や副官がやってる。
私は料理している。
クジラは残念ながら逃したが色々食材はある。
野菜系が少ないな。
まぁ野菜の魔獣なんていないし。
え、居るの?野菜魔獣。
あのセラフィードの正体はそのうち白状させよう。
ん。 遠くから砂煙が上がってる。
騎馬や馬車、歩兵の隊列の足音だ。
あーしまったな。帝国さんかな
ラズセイル連邦さんだね。
500人ぐらいいるか?敵意は無いみたいな。
でもここ領地的には王国だぞ。
大隊隊長が対応する。
白鯨が出たってことで人数を集めて出張ってきたそうな。
うんちょっと遅かったね。
で色々説明する。
説明の場には私も出る。
向こうの大隊長さんと挨拶する。
百戦錬磨のおっさんって感じだった。
敵意剥き出しって感じはしないでもなんかしたたかさみたいなもには感じた。
でも下っ端兵たちはおう!いつでもやってやんぜ!って感じ剥き出し。
向こうの大隊長おっさん、間に合わなかったことをめっちゃクチャ悔しがってた。
あーあれは昔に身内でもやられた口かな。
魔石のことや私が空を飛べることは言わない。
でも白鯨撃破のためとはいえ王国側にこんな人数で入って来てしまったことに関してはえらく低姿勢で謝罪された。
一応外交ルートで進入願は出してはいるそうだ。
事後申請ではあるけど。
なんか良い人やん?
ってことでワイバーンを焼いたのを出してあげた。
タレというか醤油の味にえらく感動してくれた。
私が首取り姫だとばれるとえらく関心を寄せられた。
やっぱりある程度情報出回ってるのね。
首取り姫の名前が出されたとき、相手が対抗意識を燃やすのを感じた。
ほう王国の戦姫様に会えるとは光栄。
では我が共和国の戦姫もお見せせぬばなるまい。
おい。こっちへ来なさい。
と、奥から女性が出てきた。
長い黒髪黒い目白い裸。
着物を洋服風に絞ったような服を着てる。
腰に1本の刀を差していた。
「彼女は《楓・常寂光》と申します。
共和国の誇る戦姫でございます。」
「そちらの“首取り姫”と並び立つならば、我らが‘静謐の剣’を出すべきと思いまして。」
「楓、挨拶を」
「カエデちゃんでーす。
よろしくー!ユリナちゃんって言うんですかー。
わぁ報告書にあった通りとーってもかわいい顔にツヤツヤの金髪!
身体ほっそいのに胸デカーー。
ねーねーあの醤油とかカレー、唐揚げ、マヨネーズを作ったの貴方なんですって?
本当ですかー?
あってみたかったんですーー!!」
腰から砕け落ちた。
「ラズセイル共和国の戦姫です!」って出てきた瞬間のカエデちゃん、
完全にフレンドリー爆弾魔だった……!
カエデ「あれだけの料理や調味料のアイデア、いったいどこから来るんですかーーー?」
ってここで突然トーンが変わって
日本語で「貴方、日本人ですよね」
ぶおお
アウアウと口をパクパクしてるとさらに日本語で
「ここじゃなんですからぁー1時間後にこの先の岩が切り立ったところ有りましたよねーそこでどうですーうぅぅ 」
こくこくと頷く。
「あ?やっぱり通じてんだぁ~アハっ!」
こちらの言葉に切り替えて同じ戦姫ってことでよろしくでーす!
と言って椅子に座ってワイバーンをつまみ始めた。
私は歓談が終わるまでずっと震えていた。
岩場で2人。
カエデ「あたしは前世は日本人でね、
病弱でね13歳で死んじゃったの、
で、気がついたらここで赤ん坊。
普通の家に生まれてね。
色々あってさ、特殊な体質が分かってトントンと出世。
共和国の戦姫ってわけ。
あんたは?」
「自分も日本人。トラックにひかれて気がついたら下級貴族の家で赤ん坊。
特殊な体質でそれでここまでこれた。」
「前世の知識使ったり?醤油とか。」
「うん。」
「凄いね私は13歳で死んだんで経験も知識も技術も無かったから前世の知識を使って無双みたいなそういうのぜんぜん出来なかった。
凄いねユリナちゃんは。
で向こうでは何歳まで生きてたの?」
「45歳で。」
「そうおばちゃんだったんだー。」
うん前世の性別は内緒にしておこう。
「そうかーいいなぁー」ゾク。
「下級とはいえ貴族の家にうまれてさー、そんな可愛い顔にうまれてー、
王女殿下と親しくなってーぇ、
前世の知識でいろいろやってさー いいないいないいなーーーうらやましぃーーーー」
カエデは刀に手を触れた。
あ、やばい?これ?
「いいいいいなぁあああああ」と刀を抜いた!
「ちょうだいよーーーーーそれーーーー!」
切りかかってきた!ヤミ系かよ!この子!
病気で死んだだけに!
鬼包丁で防御!
カンと刀と剣が触れる音が、、、しなかった。
ヌルっという感触。
え?見ると鬼包丁の先三分の壱が切れて落ちていた!
え、マジ?鬼包丁ってかなりの耐久増強の付与されているんだよ?
びっくりして後ろにバックして距離を取る。
カエデ「神技、次元斬!」
「私は空間ごと切るの、その空間にある限りその空間のものはすべて空間ごと切られる、
この世に切れないものはないわ、火や幽霊だって切れるのよ、うふ」
やばい!めちゃくちゃヤバイスキルだ!
同じ物理特化だけど私とは全然方向性が違う!相性も最悪だ!
あれ、私の特殊な体でも真っ二つだ!!!
カエデ「ちなみにこの刀にはなんの仕掛けもないわ、そこらで売ってる中ぐらいの値段のもの。
耐久力増加と軽量化の付与はされてるけどね、次元斬は手刀でも可能よ?」
ユリナ「いろいろ教えてくれてサービスいいね」
カエデ「そっちの情報いろいろこっちは知ってるからね、サービスよぉ、うふふふふ」
あああこの子、人を斬るのを楽しむタイプかよ、スキルも性格も最悪じゃないか。
カエデ「そして剣技は黄金級よっ」
ひいそれはますます勝ち目ない!おとーさーん!
左側にカエデが飛び込んできた。
欠けた鬼包丁を刀に合わせる。
打ちあっちゃだめだ、刀の腹に剣をあててすべらせる。
機動をそらすんだ。
刀をかえされた。
刀がすべって左腕にせまる。まずい!
左腕の肘から先が切られて吹っ飛ぶ!左腕の肘が切られた、腕を斬られた!
ぎゃーーーーー!痛い痛い痛い!
脳内麻薬展開、痛みを抑える。
血液流出の停止をアスラがやってくれる。
腕を!いまなら切断面をひっつけて治療魔術を使えばくっつくかも!
カエデは落ちた左腕をにらみつけてさらに刀で私の落ちた左腕をみじん切りにした!
私の腕が血の霧になって消える!
ああああ私の腕がぁあああああああ!
顔が涙と鼻水でぐしゃぐしゃになる。
会話して時間を稼ぐんだ。
ユリナ「いいなって、あんたも家こそは普通だったけどそれなりに幸せだったんじゃないのか?」
カエデ「うーん、娘を暗殺者ギルドに売る家が普通って言えるならねぇ」
ユリナ「。。。」
カエデ「でもまぁ、そうするしかない状況だったのは理解してるし、売り先は選ばせてくれたし、色街にうられるよりはましだったかもねぇ」
いろいろ歪んでる理由は分かった気がする。
いや、貴族に生まれてぬくぬくしてきた私にはきっとわからないんだろう。
カエデ「さぁ、そろそろ、そのとてもかわいい顔を体とわかれさせましょうかぁ?」
刀をもったカエデがちかよってくる。
逃げるしかない、どこへ?
そうだ私には空があった!
イヤリングに魔力を込めて空に逃げる。
カエデ「え?なにそれ!空を飛べるって聞いてないわよ!!」
まだそこまで情報は浸透してないんだな。
カエデ「降りてきなさいよ!このイチゴパンツ!」
おおおおう、また下を履いてくるのを忘れていた。
見るな!
逃げるだけじゃダメだろうな、カエデちゃんは止まらないだろう。
左腕の仇もとりたい。
急降下して頭をつかむ、ここで重力操作。
カエデの重さを増やす。
カエデがズドっと地面に倒れる。
地面に縫い付け。
カエデの両肩を自分の膝で抑えてロック、マウントポジションになり自分の右腕で顔を殴る!殴る!
カエデの顔は晴れ上がりぐちゃぐちゃになる。
鼻血ぶー、歯もおれた。
口の中を切ったようだ。
それでも殴る。
ふう、完全に戦意喪失したようだ。
ようやく止まった。
マウントポジションを解除してカエデの横に倒れる。
おわったーー
なにやらワイワイ叫ぶ声が聞こえてきた。
共和国側の大隊長さんとこっちの大隊長、
それとイケメン魔術師セラフィードだ。
来るの遅いよ。
ふう。
共和国側の大隊長さんが土下座してた。
腹を斬りそうになったのでみんなで止めた。
なんでもカエデちゃんは精神的に不安定なところがあるらしく今回のようなことを時々起こすそうだ。
ちゃんと首輪付けとくように!!
イケメン魔術師セラフィードに王級の治療魔術をかけてもらって左腕を生やしてもらった。
腕がにょきにょき生えてくる感触はとても気持ち悪かった。
カエデちゃんの顔の傷もイケメンが治してあげた。
カエデちゃんは「イチゴパンツに負けたイチゴパンツに負けた」とずっと呟いてる。
ああこれで私が空を飛べる情報は共和国に知れ渡ったな。
まぁ遅かれ早かれダ。
今回の件は王国から共和国側に正式に抗議を入れることと何らかの保証をあとで要求することで手打ちに。
カスミに下着の趣味に対して苦言を言われた。
乙女すぎると。
ほっとけ!
スイレンはこれなんかいかがですか、隊長なら似合いますよと自分のTバックを見せてきた。
ダメ!それは危険があぶない!
カエデちゃんがユリナおねーさまー!と抱き着いてきた。
え、なにこれ。
「おねーさまってこっちでは同い年でしょうたしか。」
「あっちでの年齢を合わせればおねー様のほうが上ですわぁ。」
ああまぁ確かにそうね。
というかデレた!ヤンの次にデレた!ヤンデレか!
首に手を回し顔を近づけてくる。
「うふ、あたし、手刀でも切れるっていいましたよね?」
カエデの背中に手を触れて重力を増やす。
カエデちゃんは地面にベチャっとつぶれた。
なんだこの命の駆け引き混じる日常会話。
「いやーいたーい、冗談ですよー、おねーさまのいけずーーー」
どうだか・・・・
「でもそれすごい、重力コントロールですかぁ?」
「それで空に浮かべるんですねーすごい力ぁ」
カエデちゃんの首にはチョーカーがついていた。
いざというとき行動を制限する魔道具らしい。
「ねーねーもっとお話ししましょう!」
なんか懐かれた。
7歳で暗殺者ギルドに引き取られ、そこで斬撃の神子であることが判明。
暗殺ギルドのマスターの意向で剣士に引き取とられ剣の修行をして騎士団に入って学校にもいき、
出世してここまできたということだった。
べたべたくっついてくる。
醤油を作ったときのいきさつやらなんやらを話した。
関心された。
共和国側が帰ることになった。
カエデちゃんは分かれるのが嫌ですとダダをこねたがどうにか帰ってくれることに。
最後に「また近いうちに戦えることになると思います。楽しみにしてますね」
と、え?どういうこと?
さぁ、帰ろう。ということに。
魔獣もかなり倒したしもういいだろうと。
鳳凰には会えなかったけどまぁいい、また変なのにでてこられても困る。
スサノオとかね。でるなよ?
帰りもちょくちょく魔獣は出る。
巨大なハト、カラス、スズメなどなど
スズメは食えるかな?昔京都の伏見稲荷神社でスズメの丸焼きを食べたのを思い出した。
巨大な飛ぶチャバネGが出た。
大パニックになった。
阿鼻叫喚。
もうやめてユリナちゃんの精神HPは0よ。
そして王都に帰ってきた!
王様を交えて報告会。
共和国とあれこれあったことも報告。
すでに共和国から書簡が届いていていろいろ言い訳が書かれていたらしい。
ちなみ伝書鳩みたいな飼いならした魔獣を使って手紙のやり取りをしているらしい、だから私らが帰るよりも早く書簡が届いていたようだ。
わたしにもいろいろ褒章がもらえることに。
そろそろいいだろうということで、わたしに中級貴族の称号を与える、という話になった。
子爵の称号を得た。
ただし領地は無し。
そのかわり数々の特権を得た。
配下の会社も王公認になり商業ギルドで上位にランク付けされる。
王主導で就任パーティーも開催された。
真っ赤なドレスでおめかししてカミラ殿下とダンスして
いろんなお偉いさんとあいさつしてワルキューレ中隊は行進パレードして。
第一王子と第二王子とも謁見した。
第一王子にはちょっと嫌われているようだった。
第二王子からはナンパされたがカミラ殿下が睨んで追い払った。
登場人物:
名前:セラフィード・カイル
異名:雷光の王印
性格:無口でミステリアス(でも仲間に茶菓子くれる)
ウォーハンマー大隊魔術師筆頭
全ての魔術を黄金級以上で使え魔力総量も常人の数十倍という大魔道士級の男。
名前:楓・常寂光
ラズセイル連邦共和国の戦姫
異名:静謐の剣
精神的に不安定なところがあり、時々暴走する。
特殊スキル:神技、次元斬
この世に切れないものはない。火や幽霊だって切れる
剣技は黄金級




