010-冬山と王女殿下
冬山での遭難と王女殿下について
冬山遠征訓練です。
雪です。
この世界はスキーはあった。スノーボードっぽいのも。
スキーは板が太くストックも1本しか使わない。スノーボードもでかい。
まぁ剣や杖を持って滑るのを前提にしてるんだろうな。
胸以外の脂肪が少ない自分の身体は寒さに弱い。
寒いのは苦手である。バーニングファイアー。熱を纏う魔術で温まりながら行動する。
カミラ王女殿下が顔色が悪い。調子が悪そうだ。寒いだけが原因ではないようだ。
あ、見てる傍からカミラ殿下が倒れた。斜面を転げ落ちていく。
やばい!と自分も飛び込んで追って自分も落ちる。
皆とはぐれてしまった。え?遭難?そうなんだ。
う~ん、ナチュラルに遭難してしまった。どんなアニメのシーンだよこれ。]
だいぶ下に落ちてしまった。
転がって落ちたのと吹雪いてホワイトアウトしてしまったので方角もわからなくなった。
斜面のあるほうが転げ落ちた方角だと思うが、左右と前とも斜面だ。
どうやらここはくぼんだ地形のようだ。ここから登るのは無理だな。
王女殿下は胸を打ち付けたのか苦しそうだ。
治療魔術をかけておく。骨折はしていないようだ。
うん?ちょっと熱が有るな。苦しそうだ。
転げ落ちたのは体調が悪かったせいかも。
雪に斜めに穴を掘り周りを固めて簡易シェルターを作る。
さてどうしたものか。 。。。
獣の気配がする。
外を覗くとウサギだった。
頭に小さいツノが生えている。
ヤバい!オーガラビットだ!
外見はウサギのくせに肉食で凶暴性がきわめて高い上に群れで襲って来る。
血の匂いに非常に敏感で血の匂いを嗅ぐとバーサク状態になって群れで襲って来る。
まるでピラニアみたいなウサギである。
外のウサギは目が血走ってよだれを垂らし明らかに既にバーサク状態になってる。
なんでだ?
自分もカミラ王女殿下も血が出るような怪我はしていない。。。
あーわかった王女殿下は女の子の日だったようだ体調不良はそのせいか。
たしかカミラ王女殿下、自分は重くて多いほうだ、と言っていたな。
まいったねこれは。
自分ならいくら噛みつかれようが平気だが王女殿下はそうも行かないだろう。
さーてどうしましょう?つんだ?これ
ちなみに女性騎士や女性冒険者などはこういう自体に備えてあの日のときはある種の薬草を包んだ布をパンツの中に入れて血の匂いを防ぐ。
王女殿下は騎士でも冒険者でも無いし授業では教わらないので知らなくて当然だ。
とりあえずウサギは王女殿下を狙うだろう。
王女殿下の周りを分厚い氷の箱で囲む。
冷たいだろうけど我慢してもらうだがオーガラビットならこんな氷の壁ぐらい時間をかければ突破するだろう。
穴の外に出る。
これはあまりやりたくないなかったのだが自己暗示をかけて自信を野生化させて獣の気配を放出する。
これでウサギをビビらせる。
そして手首を切り裂いて血をドボドボと出す。
これで自分が囮になる。
鬼包丁は置いてきてしまったので素手でなんとかしないといけない。
自分の気配におじげついて引いてたウサギが血の匂いには抗えなかったのか自分に向かって飛びかかって来た。
100匹はいるかもしれない。
いやもっとか?追加が来る可能性もある。
カミラ王女殿下の氷の壁が破られるまでにかたをつける!
「鬼包丁はない。素手だ。でも――護るって決めたから、今ここに立つ」
一応上空に火の玉を数発打ち上げておく。
救援隊に場所を知らせるためだ。
ウサギが自分にかじりついた。
フフフ私には効かんよ!
身体にかじりついたウサギをつかんで引き離し握力でつぶす。
それを淡々と繰り返す。
うん思ったより冷静だ。
中には共食いを始める個体も出てきた。
うーんスプラッター。
まぁいいや。とにかく数を減らす。
思ったよりウサギが減らない。
どうやら追加が来ているようだ。
あ、王女殿下の氷の箱に取り付くのも出てきた。
こらそっちはやめなさい!
引き離して潰す。
大量のウサギにのしかかれた。
ヤバい。氷の壁にヒビが入った。
とうとう壁が崩壊した。
慌てて王女殿下の上に覆いかぶさる。
これはヤバい!とてもヤバい!
危険だが極大魔術だ!
フラッシュインフェルノ!
あたり一面が光に包まれ一瞬で焼き尽くされた。
ウサギはすべて丸焦げ。
自分も炎に包まれた。
必死に王女殿下に覆いかぶさって守る!
炎が治まった瞬間にすぐ上級治療魔術を王女殿下にかける。
頼む!無事でいて!
フラッシュインフェルノ
光と共に炎を発生させて広範囲を一瞬で焼き尽くす極大魔術。
普通は遠距離のポイントに放つが今回は自分を起点にするという自殺ものの使い方をした。
王女殿下は無事だった。
呑気に寝息を立てている。
フラッシュインフェルノで雪も全部蒸発している。
木もまるでミサイルでも落ちたようになぎ倒されている。
極大魔術と治療魔術で魔力がほぼ尽きた。
魔力切れの時に発生する強烈な脱力感と鬱状態が襲ってくる。
なんでこんな状態になってるのなんでこんな目に。
と精神がどんどんネガティブになっていく。
あ。涙出てきた。ボロボロと泣く。
ちっとも救援隊来ないんですけど?
きっと私嫌われてるんだわだから救助が来ないのよしょせん自分なんて!
いかんどんどん堕ちてる。
王女殿下の身体を触って温もりを感じてなんとか持ちこたえる。
実は魔力切れっていうのは非常にヤバい。
まず強烈な脱力感でまともに動けなくなる。
そして精神状態が非常にネガティブになる。
そのまま自殺してしまう人もいる。
実際に同級生で2人ほど魔力切れによる自殺者が出た。
魔力の回復は通常では悟飯を食べて寝れば回復するが魔力切れの時ではそれでは間に合わない。
よって魔力剤を飲んで補充するか上級の治療魔術でほかの人から魔力を分けてもらう必要がある。
今は魔力剤を持っていない。
そもそも魔力剤は割と高価なのだ。
うんそうこうしている間にますます泣けて来た。
カミラ王女殿下は目を覚ましおおよその状況を把握した。
私が魔力切れでヤバいことも把握した。
カミラ王女殿下は何故か顔を赤らめてやがて決心をした顔になり
「我が内に満ちる星の奔流よ、今ここに新たな器を満たせ。エル・アウリス!」
と詠唱をしながら私にキスをした。
え?え?え?
魔力が回復していく。
魔力を分け与える魔術「エル・アウリス」だった。
キスが必要なんて知らなかった。
初めてだったのに!
魔力は少し回復して危険な状態からは逃れたが別の意味で落ち込んだ。
あ、でも恥ずかしそうなカミラ王女殿下の真っ赤な顔を見てかわいいと思った。
救援隊と合流出来た。
山のふもとのキャンプに帰ってきた。
これで一安心だ。
何があったのかを説明した。
キスの件は内緒にした。恥ずかしい。
とても重い鬼包丁を持って帰ってきてくれた同級生に感謝する。
おお鬼包丁、相棒よ私はお前がいなければダメだ。
愛してるよ。
そういえばお前は男か女か?まぁどうでもいいか。
カミラ王女殿下からは王族の口づけを受けたということの意味を理解してますか?とか怖いこと言われた。
え?何かあるの?怖い怖い。
戦慄していると冗談ですよwとか言われた。
本当に冗談ですよね?ブルブル。
学校。
最近カミラ王女殿下との距離感がバグってる。
やたらとくっついてくる。
腕を組んできたり抱きついてきたり。
そうかと思えば手が触れただけで真っ赤な顔したり。
こっちも疑問に思っていたことがあったので聞いてみる。
「あの魔力を分け与える魔術のキスの時、舌を入れてくる必要あったんですか!?」
真っ赤な顔して顔を伏せられた。
なかったんだね。
っていうかあれはキスじゃなくてディープキスって言うんだよ!
なんかもう色々と恥ずかしい。
あーあ、なんかもう色々と恥ずかしい。
カミラ・フェルステリア王女殿下
現在のフェルステリア王と王女の実の娘。
王位継承権3位。
兄が2人いる。
上の兄は王と王女の正式の子、下の兄は王と側室の子。
実はカミラ王女殿下には悪いクセがあった。
六歳の頃学校に入学する直前の時だった。
カミラ王女殿下は下男下女を部屋に連れ込み下着姿に剥いていじめて楽しんでいた。
そういうことを定期的にやっていたらしい。
ある日、私がその現場に遭遇してしまった。
私は部屋を守っていた家臣達をペシっと叩きのめして捕らえられた人を解放して
カミラ王女殿下をお尻ペンペンした後に正座させて
家臣に向かって説教した。
こういう時に主人をいさめなくて何が家臣だ!と
それ以来その悪いクセは影を潜めている。
王と王女に私が信頼されているのはこういう事件があったのもある。
カミラ王女殿下、その名が生前の知識カーミラ、女吸血鬼を連想する上昔の悪いクセもあって時々ゾクッとすることがある。
顔はかわいいというよりも美人タイプ。
さすが王族の血。
だが最近よくくっついてくる上に度々真っ赤な顔してくるのでなにこのかわいい小動物って感じになってる。
戦闘能力は特に無し。
防御魔術と治療魔術はちょっと得意かな。
家事一般はダメ。
歴史とか文学、音楽は割と好成績。
高等部に進むと政治関係の学部に進むことになっている。
継承権は3位だが実は一部人気があってぜひ王位継承をという声も一部あってそれで時々暗殺者に狙われることになってる。
本人は今のところ王になるつもりはないらしい。
次回はユリナ商会の活動




