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私は山梨県(ではない)でどう生きるか

前回のあらすじ

この国や家、魔石について図書館で調べたメルル。

結論この国は山梨県!

山梨県のようなこの国でまず何をするべきなのかメルルは考え始める。

「重っ……。」

体力がないメルルにはこの重さと歩きには耐えられないらしい。

なんとか家に着いて自分の部屋のベッドに倒れ込む。

ぼふんという柔らかい感触が心地良い。

さらに落ちかけの陽の光が入って暖かい。

このまま眠れたら……。

水晶見ながらほうとうが出てきて美味しくてデザートはぶどうで……。

…………はっ。

寝てたんやけど!てか国の形があまりにも山梨県すぎて山梨県の夢見ちゃった笑。

ふと外を見るといつの間にか真っ暗。

えずっと異世界転生の夢見てたわけじゃないよね?

あまりに現実世界の夢すぎてさぁっと顔から血の気が引きかけるが自分の腕の中にある本を見てまだ自分がメルルであることを悟る。

良かった……現実は地獄だからね……戻りたくないよ。

じゃあそろそろ考えなきゃ。

山梨県。違う違う!ペアーパイルで生きる方法!

コンコン

「お嬢様?起きましたか?」

そんなタイミングでリュシーが入ってくる。

手には温かいご飯がのったお盆を持っている。

「うん!いつの間にか寝ちゃったみたい。」

「そりゃあれだけ歩いたらそうなりますよ!私すごいヒヤヒヤしたんですからね!」

「ごめんごめん……。」

えへへと言うとリュシーは少し安心したような顔をした。

「でも元気そうで良かったです!ご飯も食べれそうですか?」

「お腹ぺこぺこ!」

「ふふ。ゆっくり食べてくださいね。」

部屋からリュシーは出ていきまた1人になる。

一刻も早く魔石図鑑を開きたい気分だけど今はお腹が空きすぎてる!

リゾットのようなものに手を伸ばす。

あむっ。んんっ!美味しい!

ミルク系の優しい味がする……。

疲れた体に染み渡るその味に感動すら覚えてしまう。

やばい!手が止まらない!

リュシーが見たら引くほどの勢いで平らげる。

満腹……。もう食べれない……。そんなに量はなかったように見えたのに食べてみるとすごいお腹いっぱいだ。

メルルはかなりの少食っぽい。

まだ開かれないドアを見てベッドに置きっぱなしだった魔石図鑑を開いてみる。

【アイオライト 効果:道を示す。】

【アレキサンドライト 効果:秘めた力を引き出す ⚠︎レアである】

【オニキス 効果:弱い魔を退ける】

【コーラル 効果:運を少し良くする】

【スイショウ 効果:魔やデバフの浄化】

【トパーズ 効果:リラックスさせる】

ざっと見ただけでもこんな感じ。

他にもアベンチュリンとかコハクとかまだまだある。

見た感じ宝石言葉とすごい似てる気がする……。

でも確かに微々たる効果すぎて人気は廃れるね。

うーん……。どうしたものか……。

アレキサンドライトみたいな強そうなものは今でも売れそうだけどレアらしいし難しそう。

子ども向けとか?それもありだけどさなんか宝石ってイメージからかけ離れちゃうよね。

「ぬわー!」

思いつかずベッドに仰向けに倒れる。

コンコン

「お嬢様〜食器下げますね!」

リュシーが取りに来てくれる。

「ありがとぉ。」

「当たり前のことですよ?あれお嬢様珍しいもの読まれてますね?」

ベッドの上に広げられた魔石図鑑を見てリュシーは言った。

「あっなんか興味でてさ……。」

「このお家の家業ですからね。もしかして継ぐおつもりですか?」

「えっいやそこまでは考えてないよ!」

継ぐという言葉が出てきて流石にビビる。

でも確かに没落から救おうと思ったら継ぐことになるのか……。

「全然プレッシャーをかけてる訳ではないのですがお父様やお母様も喜ばれると思いますよ。」

優しい笑みで彼女は言った。

「そうなの?」

「やっぱりこのまま他の人の手に家が渡るよりはお嬢様が継がれることをおふたりは望まれてますよ。」

「でも難しいなって思ったよ。やっぱり今の時代魔石って微々たる効果だからさ。」

「そうなんですよね。お父様もそれで頭を悩ませられてるんです。」

メイドさんの目から見てもやっぱりそうなのか……。

「「うーん」」

2人で唸る。

バサッ。

突然風もないのに図鑑がベッドから落ちた。

「なんで……?」

拾い上げようと手を伸ばすと背表紙に小さい文字が書いてあることに気づいた。

「なんか書いてある。」

手に持ち文字をなぞる。

だが古い文体なのか異国語なのかメルルの目を通しても分からない。

「ねぇリュシー?なんて書いてあるかわかる?」

「どれですか?あぁ!これ隣の国の言葉ですよ!」

隣の国の文字?なんで?

「この本元は隣の国の方が書いたものなんですね〜。ここだけ訳し忘れみたいです!私、そこの国の出身なのでわかりますよ!」

「え!そうだったの?!」

「ちょっと待ってくださいね〜。ふむふむ。うん?!」

突然驚いた声をあげた。

「どうしたの?!」

「こ、これに……。」

ごくっ。

彼女のただならぬ様子に思わず息を飲む。


「ここにあるのは魔石の偽りの姿。真の価値は正しい加工により現れる。強力で強力な。」


だそうです。と彼女は言った。

「つまり……。ここに書いてあった効果はめっちゃ弱い効果で本当はもっと強い効果があるって……コト?」

「ですよですよ!これ当主様も知らないやつですよ!」

「ほんとに?」

「そうですよ!いつもボヤいてらっしゃいますもん。はあーこの魔石たちがもっと強い効果あればなぁ。子どもだましくらいにしかならないじゃないかぁ。って!」

「でも正しい加工って?」

「それは……分かりません!けどそれを見つけられたらすごいことになるかもしれませんよ!」

「確かに見つけられれば……。」

「ラブラドール家にはそれを探す手段があります!お嬢様!やりましょう!」

私の手を握り目をキラキラさせながら言うリュシーを見ているとなんだか出来るような気がしてきた。

「じゃあやってみよう!ちゃんと道が見えたらお父様たちにも提案してみる!」

「その意気です!お嬢様!はっもうこんな時間!お風呂入られますよね?用意してきます!」

すごい勢いで出ていく彼女に笑みがこぼれる。

リュシーのような味方がいるというだけでやる気が湧いてくる。


とりあえず私が成り上がるためにこれからやるべきことは

・魔石や家のことについて学ぶ。

・魔石の正しい加工方法を調べる。

・体力をつける。

・経営などを学ぶ。

かな?手帳に書き留める。

まずは体力つけるとこからだ!

私は生きてみせる。この山梨県(ではない)で。












お会いできて光栄です。

3話目です。

山梨県行きたいですね。

ではまたお会い致しましょう。

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