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9.メール

いつも通り美波が机に座りデータの打ち込み作業を進めているとポンという通知と共にスマホが揺れる。

上司にはバレないように机の下でこっそりと美波はスマホを開けた。

由香からだ。



みーなみ♡

昨日、陽翔くんと帰ったんだって!?( ̄▽ ̄)ニヤニヤ



なんで知ってるの!と美波は高速で打ち込む。

送信した瞬間ん既読がついた。



陽翔くんがずっと浮かれててさぁ、問い詰めたらめっちゃ喋り出した。

超惚気てるよ今



聞くな!耳塞いどけ!!



おけおけ陽翔くんに言うさ



え?何言うつもり?



黙れって美波が怒ってるって



言うな!!!



さっきまでは送信した瞬間についていた既読がつかなくなり美波は焦る。

ぽろんと通知がまた鳴り、美波は急いでスマホを開けた。

すると写真も送られてきていた。

ごめんなさいという文字と共に送られてきた写真。

頬を赤く染め、少し涙目になりながら眉尻を下げ、泣きそうな顔を浮かべる陽翔。



何泣かせてんの由香!



揶揄い甲斐しかないわこの子



可哀想にと美波はため息をつく。

しかし少し可愛いとも想ってしまうし、揶揄い甲斐があることも共感できてしまうことが少し陽翔に申し訳なかった。


また通知がポロんと鳴る。

今度は陽翔からだった。



怒っちゃいましたか?

今日の夜はもうご飯ダメですか?



そういえばと美波は思い出す。

昨日電車で夜ご飯の約束をしたのを忘れてしまっていた。



大丈夫。一緒に夜ご飯行こう。



やった!という犬のスタンプが送られてくる。

なんとも陽翔らしい。



ただいま帰りましたーと営業へ行った由香が帰ってくる。


「ねえ、何してたのほんと。」


「陽翔くんと工場見に行ってたんだけど面白すぎてさぁ」


と言いながら荷物を整理し始める。


「あ、今日食堂行こうよ一緒に陽翔くんの話してあげるからさぁ」


にやにやと笑いながら由香が美波を誘う。

先に言っておく。決して。決して陽翔に釣られたわけではない。

ただ由香と食堂に行かない理由がなかっただけだ。


「まぁ行ってあげてもいいけど。」


隣では由香がにやにやと笑い続けている。

その笑顔にはどこか安堵も浮かんでいた。

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