92/150
おきにいり
成人のお祝いに、伯父が着物を作ってくれることになった。
豪華すぎる贈り物…喜びと申し訳なさが交差する。
「お義兄さん良いの?こんな高いもの!」
「彩香にはもったいない!」
「うちには娘がいないし、もらってくれるだけでうれしいんだ」
伯父に笑顔を向けると…涙ぐんでいる。
パパのお姉さんは20年前に亡くなった。
私は若い頃の伯母によく似ているんだって…。
伯父は親せきの中で一番多くお年玉をくれた。
きっと私はお気に入りの子供なのだろう。
一人暮らしの伯父を訪ねる度、叔母の遺品のブランド品を差し出されるようになった。
有難く頂き、進んで着用するようになった。
「真紀子…やっと会えた」
突然ギュっと抱きしめられて、息が止まった。




