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どんくさい同僚
第二企画室に移動してきた同僚がウザい。
空間を圧迫する存在感もさることながら、動きが愚鈍で機敏性に欠けているのだ。
スマートな見た目と動きを持つ者が多い企画部に突如現れた…どんくささの象徴。
従来の仕事の流れが滞り、苛立ちが募っている。
いい大人だし、嫌味を言うのも見苦しい。
極力笑顔を作って、トロくささをスルーする。
とはいえ…無駄に時間をとるのもばかばかしい。
てきぱきと動いてもらいたいので声をかけて俊敏な行動を促すと、小走りで動くようになった。
少々暑苦しいが…これで企画部も活気を取り戻すだろう。
「菅さんこっち来て!」
「ハイ!」
急に方向転換をした同僚が、俺のパソコンに刺さっているUSBを弾き飛ばした。




