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ノート見せて
「ねえねえ、ノート見せて!」
大学に入学して…三か月。
人見知りという事もあり、いつも孤独に講義を受けていた私に…声をかけてきた、女子。
いつも友達に囲まれて楽しそうにしている子だ。
毎日学食で騒いでいる、いわゆる…陽キャ。
ノートを見せたら、友達になってくれるかもしれない。
「…イイよ」
テスト前だからか、必死になって書き写している。
もっと丁寧に書いておけばよかった。
「ありがと!また見せてね!」
「うん」
毎日挨拶をかわす友達ができてうれしい…そう、思っていた。
「ノートは自分で取るように。写し合いをしている学生は全員、成績を【可】にしました」
ねえ…なんで、私の成績が【可】で、あの子の成績が【特優】なの…?




