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目
バイトが終わったあと仲間とアプリゲームをしていて、帰るのが遅くなった。
いつもなら自転車や通行人とすれ違うのに、深夜0時を回っているせいか人っ子一人いない。
普段賑やかな幹線道路も、たまにトラックやタクシーが通る程度で…少し不気味だ。
やけに暗いなと思ったら、ガソリンスタンドの横にあるパチンコ店の電気が落ちている。
一階部分が駐車場になっているので余計に暗く見えるんだな…そんな事を考えていると、物音がした。
暗闇の中でヤンキーに絡まれている兄ちゃんがいる。
縋るような目を向けられたが、関わりたくない俺は足早に駆け抜けた。
翌日、俺はパチンコ店が殺人事件現場になったことを知った。
あの目…、忘れられそうにない。




