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一人暮らし
田舎に住むおじいちゃんの家を訪ねた。
今年80になるので同居をすすめているのだが『わしは大丈夫』と言って聞く耳を持たないため、私が説得に当たる事になったのだ。
久々に訪ねた家は、高齢者の一人暮らしとは思えないほど清潔だった。
これならまだまだ同居しなくても大丈夫そうだなと思いながら、おじいちゃんが出してくれたお茶をいただく。
ホットケーキまで出されて、びっくりだ。
料理なんかしない人だったのに…一人暮らしをすると変わるものなんだな。
トイレに立った時、背後で大きな音がしたので驚いて戻ると、おじいちゃんが倒れていた。
慌てて駆け寄り、しゃがみこんだその瞬間。
「やっと若い身体が手に入る」
私の世界が、暗転した。




