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スタンプ・ラリー
俺には毎年楽しみにしている事がある。
年に一度開催される市民まつりのスタンプラリーだ。
広い会場内を巡りスタンプを8こ集めると記念品がもらえるのである。
初めて記念品をもらった小学4年から、コロナ禍で無開催となった年を除いてきっちり獲得してきた。
ずいぶん足腰が弱ったが、まだまだ会場内を移動する体力はある。
カードをもらいスタンプを押して回り、記念品と交換するために受付に行くと…いまだかつてないレベルで人が並んでいた。
二つ並んだテントの片方は、なぜか空いている。
…こっちに並ぶかな。
やけに細い男の後ろに並ぶと、声が聞こえてきた。
「やっと集まったよ」
「では身体と交換しましょう。ちょうどイイのが…そこにいる」




