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虫の知らせ
バイトに向かう途中、なぜだかわからないけれど…いやな感じがした。
何となく、先に進みたくないような。
漠然と、いつもの道を行ってはいけないような。
気持ちが悪いので…少し遠回りになるけれど、別の道を行くことにした。
砂利の多い道を自転車で走行していると。
キィ―っ!
いつも通りかかっている交差点のあたりで、ド派手な車のブレーキ音がした。
あのまま進んでいたら…事故に遭っていたかもしれない。
もしかしたら、これが虫の知らせというやつなのだろうか。
店に到着した俺は、今し方の出来事を声高々に同僚に語った。
「偶然なんじゃないの」
冷めた返事に怒りを感じたその瞬間。
ゴドガァアアーン!!
凄まじい衝突音と共に、激しい 衝 撃 が …
 




