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突き指
不注意で突き指をしてしまった。
小指が痛くて思うように手を握ることができない。
文字を書くのも一苦労だし、物を持つたびに鈍い痛みを感じる。
何らかの動作をするたびに痛みが主張するので、地味にストレスが溜まる。
小指が痛むという事は、それだけ負担がかかる事をしているという事だ。
極力小指を動かさないよう心がけ、なるべく無傷の左手を動かすようにし、不便な生活を送る。
安静にするよう努めていたある日、階段を降りていた俺は…足を滑らせた。
左手にはお客様のお買い上げ商品、右手はフリー。
手すりは、俺の右側。
大切な商品と痛む小指をかばって手すりを握らなかった俺は、盛大に階段下へとダイブし。
全治三か月の大怪我を負った。




