#7
昼の休み時間、購買の売店には猿達が群がっていた。彼らの狙いはバナナパン。それはコッペパンにむき身のバナナを丸ごと一本挟んだシンプルな物だが、猿達には一番人気のパンだ。これを巡ってオスメス関係なく激しい争奪戦が繰り広げられている。
そして校舎裏では、複数のオスのモンチー達が集まって、セクシーなメス猿が載った写真集を見ていた。
「ウッヒョー、この毛並みたまんねぇな!」
「この娘の尻エロいな。この赤みが良いっ!」
しゃがんだモンチー達が鼻の下を伸ばしてだらしない表情で、頭上で両手を叩きながら大盛り上がりしていた。
「コラー! お前らこんなとこで何しとんじゃ!」
モンチー達の頭上の窓がガラッと勢いよく開かれ、力が怒鳴りながら顔を窓から突き出す。
「やべっ! ゴリ先だ!」
「隠せ隠せっ!」
モンチー達が慌ててセクシー本を自分達の背後に隠しながら後退る。しかしそれを見逃さない力。力は指をさして怒鳴る。
「おい、ロン毛! 後ろに隠したヤツ出せ!」
「な、なんの事ッスか・・・・・・?」
ロン毛が口笛を吹きながら誤魔化すが、目が泳いでいる。他のモンチー達もロン毛を中心に密集して集まり、本の存在を隠そうとしていた。
「お前らバレバレなんだよ!」
そう言って力が窓枠に足を掛けて、ロン毛の前に直地した。
「あっ、ちょっ、センセー!」
「モミアゲ、どけオラ!」
ロン毛の真横にいたモミアゲをグイッと押しのけて、ロン毛の肩を掴んで彼が背後に隠したセクシー本を奪い取る。
「あっ・・・・・・」
「ロン毛、何だこの本は?」
「えっと~・・・・・・」
力に本を眼前に突き付けられて、オドオドし始めるロン毛。
「学校に関係無い物を持ってくるな! 罰として・・・・・・」
「ひえぇやあぁぁぁ!」