表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
炸裂☆モンティー学園  作者: Tsuyoshi&松山亮太
第一話『虎寅虎』
1/10

#1

読者様へ。ご訪問ありがとうございます。

よろしければご意見やコメントなどお待ちしております。フォロー、レビュー、応援は非常に励みになります。

それではお楽しみ下さい。

 暗く無限に広がる宇宙の闇。その暗闇の中に一つ、青く輝く星があった。地球だ。


「ウホホホー・・・・・・」


 その美しい星を小型の衛星機の窓から、うっとりと眺める一頭のオランウータン。夜空の下で光り輝く幻想的で広大な海、ロマンチックな光景にオランウータンは心奪われていた。

 しかし、突如地表に小爆発が起きた。一つ、二つ、次第に戦火が広がっていく。灰色の雲、赤い炎、それらがオランウータンの純粋で(けが)れの無いつぶらな瞳に映る。

 絶望を目の当たりにするオランウータンに更に追い打ちをかけるように、衛星機内に警報アラームが突然鳴り始めた。それと同時に激しい揺れが襲い掛かる。衛星機の軌道が変わり、地球の重力に引き寄せられ始めたのだ。

 火の海が間近に迫り来る光景に、オランウータンの表情が引き()る。恐怖でパニック状態に陥り涙と鼻水が宙を漂う。

 そして、衛星機は大気圏に突入し赤熱した。


「ウキィーーーーーーーー‼」


 窓に映るは赤い炎。オランウータンの絶叫は衛星機と共に炎の中に飲み込まれていった。



 それから数日、数週間、数か月。いや、正確にはどれだけの時間が流れたのかは分からない。


「・・・・・・キキィ」


 オランウータンが目を覚ました。自分が今どんな状況なのか、一瞬飲み込めなかったが、意識が途切れる前の記憶がフラッシュバックされて思い出した。オランウータンは自分の体を触ったり、匂いを嗅いだりして、精神を落ち着かせる。

 生きている事を実感し、安堵したオランウータンだったが、外がどうなっているのか気になり始めた。恐る恐る窓の外を覗き込む。そこには灰色の世界が広がっていた。

 自分が宇宙に打ち上げられる際、人間から教え込まれていた知識を思い出し、オランウータンはポッド搭乗口のロックを解除する。ボタンを押してレバーを引くと、プシューと音を立てハッチが開いた。

 オランウータンが震えながら搭乗口に手を掛け、地面に足を踏み出す。コンクリートに細かい塵が積もる感触が、足の裏に伝わる。辺りを見渡すと、そこには荒廃しきった世界が広がっていた。崩れた建物の残骸、かつて道路だった痕跡、風に舞う砂埃、とても人間がいるとは思えない光景だった。

 人間の姿は見えないが、全ての生物が根絶したわけではないようだった。地を這う虫の姿に、どこからともなく聴こえてくる鳥の声。オランウータンは自分以外の生物を探しに、この荒廃した街だった痕跡を歩いてく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ