第七話
「僕」が相当の金持ちである事は薄々気付いてはいたが、ソシャゲに何百万円も注ぎ込むのだとしたらもしかすると想定の範囲を超えた金持ちなのかも知れない
僕は興味本位でビジネス鞄の中から黒い革製の財布を取り出して中を見てみる、が、意外に少ない、一万円札が一枚と千円札が三枚、あとはクレジットカードと銀行のキャッシュカードが四枚、小銭は、
小銭は別の小さな馬蹄型コインケースに入っていたが、全部合わせて670円、それ程驚く程の金額ではない
机のサイドボードの引き出しには他にも財布が幾つかしまわれていたが、中に入っていたのはユーロ、別の財布にはドル、あともう一つの財布にはポンド? どうやら外国のお金は別の財布で使い分けているらしい
僕は何だか秘密を暴いている様な気分で何だか楽しくなってきて他にも色々と部屋の中の物色を始める、まず昨日の夜から気になっていたのは何と言っても三体の18禁のフィギュア、それぞれ本棚の奥の本棚にガラスドームの人形ショーケースに入れられているのを、コソコソと(自分の物なのに)取り出してきて
辺りに人の気配の無いのを確認しながら、そっと、
ひっくり返してみてスカートの中身を確認する、ってちゃんとパンツ穿いてるんだ
まあ、そりゃそうだろ、と思いながらも何だか服が、人形本体から少し浮き上がっていて、どうやら外せるらしい! それで、壊さない様に慎重にパーツを外せないか調べてみると、何と!
パンツが、取れた
いや、初めてマジマジと見たが、どうやら女の子のアソコはこう言う形になっているのかと感心しつつも、さっきから心臓が痛い位にドキドキして、、
って! いやこんな事してる場合じゃ無いだろう僕は!
僕は高校2年生の「轟木哲也」で、不良に線路に落とされて電車に轢かれて気が付いたらこの「東郷忠良」さんの身体に転生していたと言う、パニックサスペンスの真っ只中にいる境遇なのだ!
一刻も早く一体何が起こったのかを解明して然るべく対処しなければならないのだ! 18禁フィギュアのアソコを観察して興奮している場合ではない!
僕は、もう一度じっくりと観察してから元通りに人形をケースの中に戻す