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転生したら小金持ちの禿げ親父だった  作者: あるかなそーと
第一章
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第五話

「一緒に寝ようか?」

「大丈夫です、」


「何かあったら直ぐに呼んでね、」

「はい、」


ノーブラ×Tシャツ姿の可愛らしいお姉さん(自分の娘)にドギマギしながら、僕はすごすご「自分の部屋」へと引き篭もる、まあ、自分の部屋と言われてもまるで心当たりが無いのだが


そこそこ綺麗に片付いた10畳位の洋間、キングサイズのベッド、大きな本棚には堅苦しそうな自己啓発の書籍が並び、仕事用の机には何故だかノートパソコンが2台置かれている


備え付けの広いクローゼットにはブランド物のコート、ジャケット、パンツが並び、ベッドの横のサイドボードの引き出しには、高級そうなダイバーウオッチとスマートウォッチ、それと最新式のスマートフォンと歴代旧型のスマホがずらりと並べられている、更に最高性能のタブレットがお酒の瓶の隣に立て掛けられてあった


幾ら僕が世間知らずな子供だったとしても分かる

どうやら「僕」は金持ちらしい


恐らく50坪以上はある庭付きの敷地に3階建ての4LDK、奥さんは既に亡くなっているらしかったが、優しくて可愛らしい娘さんが居て、冷蔵庫にはアイスとプリンが沢山詰まっている何不自由無い暮らし


なのにどうして自殺なんてしようと考えたんだ?


指紋認証で開いたタブレットのホーム画面の壁紙には、恐らく東郷忠良さんが書いたものと思われる遺書が、綴られてあった


自殺に至る動機や追い詰められた感情については一切書かれていないが、悠里への謝罪の気持ちと、財産をどう処理して欲しいかとか、銀行口座の暗証番号などが事細かに記載されている


これを、娘さんは見たのだろうか?

この事を、娘さんに確認した方が良いのだろうか?


今の自分には、東郷さんが何を想い、何に苦しんでいたのかの記憶が一切ない

今のままで良いとはこれっぽっちも考えていないが

自ら進んでこの身体を殺してまで魂を解放しようと言う勇気もない


まあ、暫くはこの状況を受け入れて、慣れるしかないのだろう


一刻も早くみどりと自分の身体が一体どうなってしまったのかを確かめたい気持ちはある、その為にも僕はこの身体を利用する必要があった


ふと、不意に?本棚が二重になっている事に気づいた


かなり重たいが、一段目の棚を左右にずらすと、奥から二段目の棚が現れる、そこにあったのは


大量の漫画と薄い同人誌、18禁のフィギュアと超高価な大人向けプラモデルの数々、そしてガスブローバック式のエアガンと付属品一式と、これは本物らしい刃渡り20cm以上はあろうかと思われるナイフ


以上の秘蔵品から察するにどうやら「東郷忠良」はガチのオタクだったらしい

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