88/117
『1』選択した先の何か
「ちょっと、待てよ。俺が、ひーたんを見捨てるってのか?」
『なら、逆に。貴方を必要として自分を精一杯殺して、貴方と居たい彼女たちを全員、見捨てるという事、ですよね?』
モノから、今までに感じたことのない意志のような物が感じられる。それ程に俺に真っ直ぐとぶつけてきているかのようだった。
「俺がみんなを見捨てられる訳ないだろ!?
彼女たちが俺を必要としてるんじゃない、もう違う。俺が、みんなを必要としてるんだ。
今更、切れるかよ、俺にとっての生きる、希望や目的をっ!!」
『なら、答えは、一つでは?
選択して下さい。それで、貴方と攻略対象達のエンディングが決まります』
手紙をもう一回、読み返して溢れ出る涙を何回も何回も、枯れ果てるまで泣いてから前を見る。
ごめん、ひーたん。
俺はみんなを幸せにするよ。ひーたんに言われた通り。
君は、それで幸せ、なんだろう?
俺は、選んだ。
『ひーたんを忘れて生きて行く』事を。
ごめん、そしてありがとう。
俺は幸せになるね。




