ヤンデレの思いに
考えろ考えろよ俺!!
せめて、ここにいるヤンデレの二人をもう攻略出来ているのが幸いだ。殺されても残機は減ることはない、から。
でも嫌われるのは避けたい。俺が目指しているのはヤンデレハーレムだ。誰一人欠ける訳にはいかない。
「うらら、きららに心……偶然だなぁ!!」
「違いますよ?この前のデートできららが良也さんの口の中にえーと?発電機を入れたのです」
「お姉様、発信機ですわ」
「それです。それ」
「っておい、きらら何してんだ!?」
「貴方はわたくし達の婚約者です。変な虫がつかない様に、しないといけませんからね?」
弓月を見て、きららは冷たく言い放つ。
ちょっと待ってくれ今の弓月はメンタル最弱で……と、横を見るとどこからか取り出した金槌を振りかぶっていた。
「良也の何なのさあんた」
「弓月っ!?さっきの豆腐メンタルどうした!!」
「良也は、あたしの旦那さんだ。守る為なら傷付けるよ?当たり前じゃん。大好きなんだもん」
「はぁ?何を言ってますのこの虫が。
彼はお姉様とわたくし、心の物ですわよ?貴女のようなただ側に居ただけの女とは違うのですわ」
「そっちこそ何言ってんの?あたしと、ついでに深鈴ちゃんもだけどさ。良也にちゃんと、許可して貰ったんだよ。ちゃんと婚約者なんだよ」
「なっ……良也くん!?」
「どうゆうことかな、良くん?」
「良也さん……?」
カオスだ!!
ヤンデレの衝突が絶えねぇ!!!!
しかも一触即発どころじゃないよね、もうほとんど爆発してるよね!!選択肢は出ないし、こうゆう時は考えてどうにかするしかないのか!?
「というか、良也さんはわたくしをどう思ってますの?」
「え?」
「そうですわね、良也くんはわたくし達をどう思っているのかしら?」
「そうだよ、良くん答えて」
「好きだよ?」
あ。反射というのは怖いな。
頭を回せとか言ってこれだよ。思考のフィルターを通さずに話してしまった。
好きか嫌いかと言われればそりゃあ好きだよ。俺は、気が多いクソ野郎だから余計に。
歪んでいても、好意には好意で返したい。
そんな勝手なもので、俺は今動いている。
「そうですか。ならば、結婚を」
「あたしの、だっての」
「二人とも、ちょっとストップ」
「良くんはボクの、こと好きだよね」
「うん」
「じゃあボクはいいけどさ。お嬢様方はどうなの?」
結婚ときたら、俺も愛情を持って受けないといけないことだ。だから中途半端に答えるわけにはいかないわけで。
「俺は」
言葉が、途切れる。
頭が、意識が揺らいで消えて行く。
「良也!!」
最後に聞いたのは弓月の叫び声で。
俺は急に、意識を失ったのだった。




