表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/117

貞操を守れ、ヤンデレから

これは、本当にヤバいぞ。

狩人の目をしている。逃さないぞ、ここで喰われろと言わんばかりの視線に身体が硬直する。

赤ずきんの気持ちがわかる時が来るとは思いませんでした。



「な、なんで深鈴はよだれを垂らしているの?」


「お兄さんを食べるためです」


「なんで、弓月は服を脱ごうとしてるの!?」


「良也を襲うためだよ」


「どうして手を結束バンドで縛るの!?てか何で持ってるの!?」


「お兄さんを」


「良也を」


「「襲うため」」



いや、逃げ場ないやん!!

逃げろ俺!!これじゃあ、ギャルゲーじゃないエロゲーじゃないか!!いや、画面暗転の朝チュンでどうにか誤魔化すのは、無理か。俺、当の本人だし!!



「ちょっ、待ってくれ。な?雰囲気とかムードとかあるでしょ?」


「えぇ?いらないよ、面倒くさい」


「面倒くさい!?」


「いいから、抱けよ。ああ?」



女の子の台詞じゃあないよぉ!!

えっとここで、卒業式を上げるわけにはいかないんだ。まだ、その雰囲気とか良いところで幸せに卒業したいのだ!!



「選択肢キター!!」



しかも、カウント版かよ!!

えっと『抱かれる』『キスする』『接吻する』ってキスじゃねぇかよ!!



「深鈴っ!!」


「ふぇ?」



突撃するようにして唇を重ねる。仕方ない、優しくしたいが手が使えないものでな。

柔らかく、いつまでもしていたかったが。目の前にはメリケンサックを付けた弓月。



「弓月!!」


「んにゃ?」



深鈴とはまた違った感触に、心臓が大きく鼓動を始める。少しして離すと。

二人揃って鼻血を出して倒れていた。



「っておぃぃ!?」


「お兄さん、から。キスだなんて、もう、お兄さん、たら。わたしが好きなのは、わかりましたからぁ」


「ぐふぇふふへへ……」



結果、オーライ?

こうしてなんとか貞操は守ることが出来たけれど、これ以来二人が軽ーいノリでキスをせがんでくるようになったのは、中々の副産物で。



「まだ、慣れませんが。たまりませんねぇ、弓月さん」


「ですなぁー深鈴氏ー」



何故か異常に仲良くなった、二人だった。

10月20日 12:00 次話投稿予約済み

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ