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照れヤンデレ

それからというもの、ぽかぽかと可愛く駄々っ子のように二人は叩き合っていた。

いつまでも見てる訳にはいかないんだけど。さっきから止めに入ったら包丁で動きを止められた後にジャンプしながらバールの一振りで絶命したからなぁ……黙っておこう。



「この、このっ!!」


「あたしだって負けないっ!!」



可愛いなぁ。お互いに決定打もなくやっている。

……弓月が本気になったら、瞬殺されてるだろうに。一応ずっと関わってきた妹だから優しくしているのだろうか。



「もう、止めよ」


「わかりました。わたしだって、死にたくはありませんからね」


「へへ。わかった?」


「あれほど、寸止めされてたら流石に諦めます」



握手交わしてるけど。

俺には見えない所で攻防が行われていたらしかった。俺にはまだ修行が足りないらしい。



「では、わたしが正妻で」


「そこは譲らないっての」


「「このあまっ!!」」



うーんスタートラインに戻ってしまった。

するとようやく二人の視線が俺に向く。……やっと、話出来るかな?



「お兄さんはどっちが好きですか!?」


「そうだよ、はっきりしてよね。まぁ!?あたしだろうけどねぇ!!!!」



こうゆう時の選択肢様頼り……と。

よし、出たな。『深鈴が好きだ』『弓月が好きだ』『女の子はみーんな大好きさ』『二人共好きだよ』……ときたら、みーんな大好きさ。とか言ったら惨殺されてしまう。血を見ない訳がないだろう。



「俺は二人共好きだよ」


「「へぁ?」」


「ん?うん、好きだよ?」



二人はこれまでに無いくらいに赤くなっていた。

そっか、そう言えばだが。俺からこうゆう感じで積極的に何かを言ったことなんて無かった。

完全攻略した深鈴の事は勿論好きだし。

弓月を嫌いか、と言われればそんなことはない。

やっぱり俺はクズ野郎なんだろう。



二人共、好きなんだ。



「なななな、何を言ってるのかわかってますかお兄さん!?それって、うへへ。わたしとお兄さんは、その両想いって、ことに」


「良也があたしを好き良也があたしを好き良也があたしを好き良也があたしを好き良也があた」



片方ばバグが発生してしまったか。

深鈴は顔を緩ませながらくねくねとしていた。

うんうん、二人共可愛いなぁ。



「「でも」」


「ん?」



深鈴と弓月が固く拳を握る。

え、え?いつそんな流れになった!?



「「二人共好きってなんだこのどすけべ!!!!!」」


「がはぅ!!」



見事に顎を捉えたダブルアッパーでうちあげられて、受け身も取れず背中を打つ。

全てを吐き出した肺にゆっくり空気を取り込んでいると、寝転がる俺の視界に。



「お兄さん、はぁ……はぁ……」


「良いって、事だよね。良也、はぁ……」



目がハートの二人が飛び込んで来て、俺はゆっくりと悟ったのだ。

あ、これ危ないイベントだ、と。

10月19日 12:00 次話 投稿予約済み

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