おしゃれだよ。ヤンデレ
出血多量で死んだことは多々あれど、あんなに情けない死に方はこれまでになかった。
思い出すだけでも恥ずかしい。……まぁ今また馬になっているのも中々恥ずかしいけれども。はぁ、大きかった。それでいて柔らかくて。
視線に気付き目を向けると、心が睨みを利かせていた。
「良くんなんか顔がエロいよ?まるで、きららさんのFカップおっぱいに顔を埋めてはすはすしたいぜぇ。みたいな感じ」
あながち間違ってもない不名誉な事な事を言わないでよね!!きららの表情が見えないことが唯一の救いだが。
もじもじと身をよじるのは感じられる。
なんだろう、すげぇ背徳感。
随分前にきららよりうららが大きいのかな、とか思ってたけど。着痩せするタイプなのね、ふむふむぐへへ。
「こ、心。変な事を言わないで」
「ですが、きららさん」
「この前、Gになったのです。そこを気を付けて下さいね……」
どうりででっかい訳だよなぁ!!!!
くぅー!!叫びてぇ!!この胸の迸りを叫びにしたい、が!!今したら全てがダメになる気がするぞ!!
……よく考えたら、金髪美少女に座られている時点で、ダメには、なっているだろうなぁ。
そんなことを気にしていたら、背中に当たるきららのお尻を意識してしまう。白のワンピースを着ているからなのか、薄手の生地がそれをまた意識させる材料になっていて。
「……はぁいっ」
「ど、どうしました良也くん?わたくし、その重いですか?」
「いや、重さは全然無いよ。ただ胸の獣の咆哮が漏れたといいますか」
「良かったぁ。重いわけでは、ないんですね」
今ちょっとその安堵した声が聞こえるだけで、めっちゃくちゃ可愛いんですけど。
俺の緩み切った表情を見て、心の顔が一瞬歪む。
「きらら、さん。そろそろその、えっと良くんの社会的地位が死んでしまうので。続きはまた後日にいたしましょう」
「そうですわね。うん、ありがとう良也くん」
「どういたしまして」
立ち上がる時に少しバランスを崩す俺を、心が支えてくれる。……ん?今日は、相変わらずのスーツだと、思っていたけれど。
髪を結んでいるのが、いつものヘアゴムではなくて、ピンクの花が付けられたものになっていた。
「髪飾り、可愛いな」
「……今、気付く?気付かないと思ってたよ」
「いつも通りのスーツだと思ってた。ごめんな、心」
「いいよ。気付いてくれて、嬉しい、し」
「むぅ……良也くん!!わたくしは!!どうですの!!」
「へ?」
服装とかのこと?
いつもの制服姿とは違った清楚で上品な白いワンピースがこれほど似合っている人を見たことがない。金髪との相性も抜群で、最初は見るのも照れるくらい似合っていた。この二人と一緒に歩いている俺が全然申し訳ないくらいに。
俺は、二人がとても可愛いと思っているよ。
「なんて言えねぇー!!」
「良也、くん。出てる出てる」
「口に出てるよ?あー恥ずかしいなぁ」
「へ?マジか。また無意識にぃー!!」
「わたくしだけ、褒めれば良かったんですがね」
「ボクの感想、少ないよね?」
ふわりと、一瞬宙に浮く。
後々聞くときららは合気道が得意らしく、立ち上がろうとした俺の勢いを殺して体勢を崩させたのだと言っていた。
そして心にも後々きいたのだが。
体勢を崩した俺に、正中線三連突き、延髄斬り、ローリングソバットを喰らわせて壁に叩きつけた、と言っていた。
そこで気絶してしまった俺は、一時間弱も並んでアトラクションには乗れず。
また、シャッター音に包まれていたと。楽しんできた二人から聞いたのだった。




