美少女はヤンデレ
そして来ました。
ここら辺では一番大きい遊園地通称『TDY《とてもデカイ遊園地》』。少しアウトな気がするけど恐らく気のせいだろう。
「……入場チケットがまず凄い並んでますわ」
「庶民はこんなもんさ」
「きららさん、どうします?ボクが突っ込んで全員に関節技極めてどかしますか?」
「大丈夫ですわ、どうせなら味わいます。その、良也くんと同じ目線で」
物騒な付き人に賛同するお嬢様でなくて良かった。まぁ、やりそうになったら止めるとしてさぁ並ぶとするか。
「良也くん。その、人が多いですね」
「そうだなぁ、休日だから余計になー」
「こほん。ですから、人が多いですね」
「うん?休日だからな」
「この、クソ鈍感野郎。きららさんは遠回しに手を繋いで「これで離れないぜ。きりっ」とか言って欲しいのがわからないのかな。ボクが好きになったのはこんなきららさんも幸せに出来ないようなアホだったんだ?へぇー」
長文で責めてくれてありがとう。
いくら俺でも「きりっ」とは口で言わないよ。でも、まぁ言う通りにしておくか。
「きらら、こ、これで離れないぜっ」
「言った後にやっても、ときめきも何もないんですが」
「うーん、難しいっ」
「全く、良くんは……ほら、ボクも繋いで」
「え?心、俺より強いから大丈夫だろ」
「もうー照れ屋さん」
手首を極めないでくれっ!!
心とも手を繋いで、二人を見る。……満更でもなさそうじゃないか。めっちゃくちゃ周りからの視線は痛いけど。そりゃあそうだ。二人の美少女を侍らせる野郎だぞ?俺なら無言でドロップキックしてやる。
そんなことや色々を話していると順番で。
きららが出そうとしたブラックカードをしまわせてこうゆう時に使えるように溜めておいたお金で払った。まぁ、痛手だが仕方ない。
「良也くん、はした金払ってくれてありがと」
「良くんでも少しは持ってるんだね」
あれ?キツイぞ?はした金?
彼女たちなりの感謝なんだろう。素直に受け取るか。
「……それにしても、今日は間違った日本語無しだな。きらら」
「いつもからそうゆう事を言っている自覚はありませんけれど」
「たまーにあるの」
「そうですか。間違いを起こすのが人間ですわ。そんな小さい事を気にしませんの」
「……デートだから、必死に気を付けてるんだよ。健気だよね?良くん」
「心っ!?そうゆうは言ったら泡の水っ!!」
「泡の水……?」
可愛いなぁ。
心が何だか、きららとの距離が良い意味で無くなったような気がしてそれがとても嬉しくもある。
手を引かれながら、それを噛み締めて一日を楽しもうと歩き出した。




