いちゃいちゃできる?ヤンデレと
今日は、学校か。減ってしまった残機を惜しむよりも聞けた情報を喜ぶとして……リビングに行くとテーブルに朝食が並んでいた。
いつも美味しそうな奴凄いなぁと思いながら椅子に座ると、エプロンを付けた深鈴が微笑みを向けて来る。
「おはようございます、お兄さん』
「おはよ、深鈴」
「あれ?どうしました?」
おでこに手を当てて、顔を覗き込むようにする。
綺麗な目に俺が映っていて少し慌てたような、照れたような顔をしていた。
「顔、赤いです」
「なっんでもないよ」
「そうです?お兄さんがまるでわたしにドキドキしているように、見えました」
図星っ!!
エプロン姿の深鈴を見て、ドキドキしてしまったのは紛れも無い事実で。
「ねぇ、お兄さん」
「はい?」
「好きですよ」
……くっそ可愛いっ!!!!
表情に出さないように、俯いて耐える俺の頭を優しく深鈴が撫でてくれた。
「何でかはわかりませんけど、お兄さんのわたしを見る目が変わったんですよね」
「深鈴?」
「良かったぁ……あぁ、お兄さんがわたしを」
目が、俺を殺す時のように虚ろになり俺を真っ直ぐに見つめる。深い闇のような瞳を黙って見つめるしかなく、俺は固まってしまう。
ゆっくりと首を絞められる。細い指が、食い込んで呼吸が、止まる。
「見てくれるんだ。好きになってくれた、両思いになれた。わたしを、妹のわたしを心で見てくれた。お兄さん、好きですよ大好き大好き大好き。この時間を守る。お兄さんがわたしを想ってくれるこの時間を……あは、あはははっ」
「み、深鈴……」
「はっ……ごめんなさい、お兄さん。わたし、我を……本当にごめんなさい。嫌いにならないで」
目に涙を溜める深鈴が霞んで見える。
意識が飛ぶ直前だった。深呼吸して酸素を肺に送る。大丈夫だ、死ぬ一歩手前だった。
「嫌いに、なんてならないよ。深鈴」
「すいませんお兄さん……本当にわたしは、ごめんなさいごめんなさい……」
途中まで良い雰囲気たったのに。
いちゃいちゃしてたと思った、のが甘かった。
これで改めて理解する。
ヤンデレといちゃいちゃハーレム難しいよね!!
命をかけて無理難題に挑んでいるのだと、嫌でもわからされた。




